ドイツのポルシェAGは3月3日(現地時間)、8世代目に進化したポルシェ911(992)のニューグレード「911ターボS(911TURBO S)」を発表した。ボディタイプはクーペモデルの「ターボS」とオープンモデルの「ターボS カブリオレ」を設定する。
▲第8世代のポルシェ911(992)のトップエンドモデルとなるクーペボディのターボS 搭載エンジンは650ps/800N・mのパワー&トルクを発生する3.8リットル水平対向6気筒DOHCツインターボユニット
今回追加された911ターボSは、モデルコード992シリーズのトップエンドに位置する新世代のハイパフォーマンスモデルだ。搭載エンジンは可変タービンジオメトリー(VTG)を備えて対称に配置された2つの大型ターボチャージャー(タービンホイール直径は従来比+5mmの55mm、コンプレッサーホイール直径は同+3mmの61mm)を組み込む3.8リットル水平対向6気筒DOHCツインターボユニットで、全体の断面積が大きく空気抵抗の小さな4つのエアインテークを配する新設計のエアインテークシステムを採用。最高出力は従来ユニットより70ps(51kW)アップの650ps(478kW)、最大トルクは50N・mアップの800N・mを発生する。トランスミッションには専用セッティングの8速PDK(デュアルクラッチトランスミッション)を組み合わせ、駆動システムには強化した4WDシステムを導入。ポルシェ トラクションマネジメント(PTM)によって、最大で500N・mのトルクがフロントホイールに供給される仕組みだ。公表された性能は、最高速度が330km/h、0→100km/h加速が従来比0.2秒短縮の2.7秒、0→200km/h加速が同1秒短縮の8.9秒。新欧州サイクル(NEDC)による燃費は11.1L/100km、CO2排出量は254g/km(クーペのターボS)に達する。
▲ボディ幅は従来比で20mm拡大した1900mmに設定。また、トレッドは前42mm/後10mmワイド化した
シャシー面については、いっそうスポーティに改善した新世代PASM(ポルシェ アクティブサスペンションマネジメント)シャシーを採用したことがトピック。車高を10mm低く設定するとともに、より迅速かつ正確に制御されるダンパーが、ロール安定性やロードホールディング、ステアリング挙動、コーナリングスピードのダイナミクスに大きなメリットを提供する。また、強化されたドライビングダイナミクスに合わせてボディサイズを拡大。フロントアクスル上部を45mmワイドな1840mm、リアアクスル上部を20mmワイドな1900mmに設定し、トレッド幅をフロントで42mm、リアで10mm広げる。また、シューズにはフロント20インチ(タイヤサイズ255/35)、リア21インチ(同315/30)の前後異形サイズをターボSで初めて装着した。
エクステリアに関しては、ターボS特有のアグレッシブなスタイリングに仕立てたことが訴求点だ。フロントセクションにはワイドなエアインテークやデュアルフロントライトモジュール、ダークインサート付LEDマトリックスヘッドライトなどの専用アイテムを装備。再設計した空気圧展開式フロントスポイラーと大型リアウイングは、ダウンフォースを15%強化する。また、エアインテークを統合する力強いリアウイングはターボSの流線型のボディを強調する造形でアレンジ。さらに、ハイグロスブラック仕上げのターボスタイル角型テールパイプを組み込み、ワイド化したリアビューをいっそう引き立てるデザインとした。
▲フルレザーインテリアおよびライトシルバーのアクセントを組み合わせたカーボントリムを採用する
内装については、フルレザーインテリアおよびライトシルバーのアクセントを組み合わせたカーボントリムを採用したことが特徴。また、18wayスポーツシートには初代911ターボ(タイプ930)をリスペクトしたステッチを施し、メータパネルには高品質のグラフィックエレメントと専用のロゴを配した。さらに、センター部には新しいアーキテクチャーを導入した10.9インチのPCMタッチスクリーンを配備。ほかにも、操作性に優れるGTスポーツステアリングホイールや新しいポルシェ トラックプレシジョンアプリを統合したスポーツクロノパッケージ、BOSEサラウンドサウンドシステムなどを装備している。
▲ターボSにはオープンモデルのカブリオレも設定。シューズにはフロント20インチ(タイヤサイズ255/35)、リア21インチ(同315/30)の前後異形サイズをターボSで初めて装着した
▲センター部には新しいアーキテクチャーを導入した10.9インチのPCMタッチスクリーンを配備。操作性に優れるGTスポーツステアリングホイールも装備する
911ターボSの日本での発売は現在のところ未発表だが、ポルシェ ジャパンの公式HPで価格未定のままイメージ画像などが掲載されていることから、それほど遠くない時期に正式発表となる見込みだ。