独フォルクスワーゲンは3月3日(現地時間)、ジュネーブ・モーターショー2020の中止に伴い、同ショーで発表予定だった新型ゴルフGTEをオンラインストリーミング配信で発表した。
▲新型VWゴルフGTE 新造形のフロントバンパーやグリルと一体造形でアレンジしたデイタイムランニングライトおよび水平基調LEDバーなどを採用。上部ラインにブルーのカラーを施す
第2世代のプラグインハイブリッド車(PHEV)となる新型ゴルフGTEは、電動化による持続可能性とダイナミックなパフォーマンスを融合させた新世代の電動スポーツハッチバックモデルだ。
▲他のゴルフGTシリーズとは異なり、外からは見えないエグゾーストパイプを組み込んだ
基本骨格には進化版のMQBプラットフォームを採用。パワートレインは150psの最高出力を発生する1.4リットル直列4気筒DOHC直噴ターボエンジン(EA211 TSI)と最高出力85kWを絞り出すモーターを備えたハイブリッドモジュール、専用セッティングの6速DSGのトランスミッション、新しいリチウムイオンバッテリーで構成し、システム総出力は新型ゴルフGTIと肩を並べる180kW(245ps)/400Nmを発揮する。また、空力特性の改善やバッテリーのエネルギー容量の50%増加(13kWh)も図り、電動モードで走行可能な距離は約60kmと、従来モデルより延長した。
▲パワーユニットは150psの最高出力を発生する1.4リットル直列4気筒DOHC直噴ターボエンジンに最高出力85kWを絞り出すモーターを備えたハイブリッドモジュール、新しいリチウムイオンバッテリーで構成
▲トランスミッションには専用セッティングの6速DSGを設定する
一方、電動モードでは最高130km/hの速度で走行が可能。バッテリーが十分に充電されると常に電動モード(電気モーターのみで走行する E-MODE)で発進し、バッテリーのエネルギー容量が一定のレベルを下回るか、速度が130km/hを超えるかすると、駆動システムはハイブリッドモードに切り替わる。ハイブリッドモードでは、インフォテインメントシステム画面の3つのシンボルを使用して充電状態を維持するか(等号"=")、増加させるか(上矢印"△")、定義されたレベルに下げるか(下矢印"▽")が選択可能。これにより、必要に応じて、ロングドライブの終わりでも市街地を電動モードでゼロエミッション走行することができるように設定した。また、ナビゲーションシステムでルートガイダンスが起動している場合は、バッテリーマネージャーは目的地に到着したときに設定されたバッテリーエネルギーが利用できるように、道路および地形データを予測的に考慮。このプロセスでは、電動モードによる最適な航続距離を確保するためにルートデータに基づいてバッテリーの使用が調整される仕組みだ。なお、バッテリーを充電するための電源コネクターはフロントフェンダー側面に設置している。
▲バッテリーを充電するための電源コネクターをフロントフェンダー側面に設置する
エクステリアについては、新造形のフロントバンパー、グリルと一体造形でアレンジしたデイタイムランニングライトおよび水平基調LEDバー、ハニカムグリルのパターンと合わせてデザインした5つのLEDのXシェイプフォグランプ(オプション設定)、左右にブラックのエッジを設けた新デザインのルーフスポイラーなどを採用したことが特徴。また、他のGTシリーズとは異なり、外からは見えないエグゾーストパイプをセットした。
▲先進のインターフェイスに効率および走行可能距離を表示する「GTE」専用のデジタルコクピットおよびインフォテインメント機能を導入した
内包するインテリアは、高精細の10.25インチデジタルインストルメントクラスターと10インチインフォテイメントシステムを装備した先進のインターフェイスに、効率および走行可能距離を表示する「GTE」専用のデジタルコクピットおよびインフォテインメント機能を導入したことが注目ポイント。また、GTIの赤のアクセントカラーに対して、GTEではブルーのアクセントカラーを随所に取り入れる。新造形のシートにはチェック柄を採用し、ここにもブルーのアクセントを施した。
▲新造形のシートにはチェック柄を採用。アクセントカラーとしてブルーを取り入れる
運転支援システムとしては、210km/hまでの速度域に対応する「トラベルアシスト」のほか、半径800mまでの範囲の車両や交通インフラと相互に連携する車車間・路車間通信「Car2X」を装備。また、コネクテッド機構としてストリーミング再生やインターネットラジオ、その他のオンライン機能を提供する「We Connect」サービスを設定した。
なお、今回発表された新型ゴルフGTEはプロトタイプで、市販バージョンの日本への導入時期は現在のところ未定である。