独アウディは3月3日(現地時間)、プレミアムコンパクトカーの新型A3スポーツバックを世界初公開した。
▲新型アウディA3スポーツバック よりワイドなシングルフレームとフロントの大型エアインテーク、ヘッドランプからテールランプまで滑らかに流れるショルダーライン、アウディの新しいデザインエレメントとして凹面形状で仕立ててホイールアーチを強調したショルダーラインから下のボディパネルなどを採用して、先進的でスポーティなルックスを創出した
第4世代となる新型A3のスポーツバックは、より先進的でスポーティな車両デザインに、高度なデジタル化とコネクテッド機能を採用したことが特徴である。
基本骨格には進化版のMQBプラットフォームを採用。そのうえでエクステリアには、よりワイドなシングルフレームとフロントの大型エアインテーク、ヘッドランプからテールランプまで滑らかに流れるショルダーライン、アウディの新しいデザインエレメントとして凹面形状で仕立ててホイールアーチを強調したショルダーラインから下のボディパネルなどを採用して、アグレッシブかつスポーティなフォルムを創出する。また、マトリクスLEDヘッドライトには3×5配列のLEDによるデジタルデイタイムランニングランプを組み込んで、先進的なフェイスを具現化した。ボディサイズは全長4340×全幅1820×全高1430mm/ホイールベース2640mmと、従来モデルより全長と全幅が30mmほど大きくなっている。
▲ボディサイズは全長4340×全幅1820×全高1430mm/ホイールベース2640mm。パワーユニットには1.5TFSI(150ps)と2種の2.0TDI(116psと150ps)を設定する
内包するインテリアは、新造形のシフトレバーやアルミニウムおよびカーボンによる内装材、ブラックパネル調のインパネなどによってスポーティなデザインを強調。コントラストステッチを配したシート表地は、今回初めてペットボトルのリサイクル素材から製作し、各シートに1.5リットルのペットボトルを最大45本分使用する。また、この素材はカーペットにも活用し、さらに断熱材や吸収材、ラゲッジのサイドパネルおよびフロアなどにもリサイクル原料を使っている。一方、ラゲッジスペースは380~1200リットルの容量を確保し、同時にフロアの高さ調整機構を内蔵。ハンズフリーの電動式テールゲートもオプションで設定した。
▲上級モデルにも採用する10.1インチのタッチディスプレイをインパネ中央に配備し、手書き入力やボイスコントロールにも対応。シフトレバーにはコンパクト設計の新デザインを採用する
機能装備の面では、上級モデルにも採用する10.1インチのタッチディスプレイをインパネ中央に配備し、手書き入力やボイスコントロールにも対応したことがトピック。また、メーターパネル全体が12.3インチのディスプレイとなったバーチャルコックピット プラスやヘッドアップディスプレイもオプションで設定する。さらに、MMI(マルチメディア インターフェース)は第3世代モジュラー インフォテインメント プラットフォームによって機能を強化。その演算能力は従来モデルの10倍で、電話機能やLTEアドバンスト規格に対応したAudi connectサービスを含むコネクティビティ関連の全機能に加え、Wi-Fiホットスポット機能も統合している。加えてスマートフォンとの連携強化も図り、myAudiアプリ、Apple CarPlay、Android Auto、アウディフォンボックスを介しての接続を可能とした。アウディフォンボックスに関しては、非接触充電もできる。
▲ラゲッジスペースは380~1200リットルの容量を確保し、同時にフロアの高さ調整機構も内蔵。サイドパネルなどにはリサイクル原料を使用する
パワーユニットには改良版1.5TFSIの1.5リットル直列4気筒DOHCガソリンターボエンジン(150ps)と2.0TDIの2リットル直列4気筒DOHC直噴ディーゼルターボエンジン2種(116psと150ps)の計3機種を設定。トランスミッションには6速MTと7速Sトロニック(7DCT)を組み合わせ、駆動レイアウトにはFFを採用する。また、排気量の異なるエンジンやマイルドハイブリッドシステム、quattroドライブといったバージョンを順次追加していく予定だ。
シャシー面では、エンジン仕様によってセッティングを緻密に変更。とくに150psエンジン用の4リンク式リアアクスルでは、快適な乗り心地と優れたダイナミクスを兼ね備えたスポーティでバランスの取れたサスペンションに仕立てる。また、オプションでアダプティブダンパーコントロールの組み込みも可能。これを装備すると車高が10mmダウンし、さらに路面の状態や運転状況、アウディドライブセレクトの走行モードに対応して、快適性重視から俊敏なハンドリングまで幅広い設定を可能とする。一方、Sライン エクステリアに標準装備し、他のグレードにオプション設定するスポーツサスペンションは、足回りがより固めの設定となり、15mm低い車高と相まって、路面とのいっそうダイレクトなコンタクトを得ることができる。
運転支援システムとしては、アウディプレセンスフロントやアクティブレーンアシストの装備に加え、レーンチェンジおよびエグジットワーニング、クロストラフィック、パークアシストシステムといった機構をオプションで設定する。また、アクティブクルーズアシストは前後および横方向のアシストを提供し、速度ならびに先行車との車間距離を維持して車線をキープしながら走行し、長距離クルーズにおける快適性をより向上させる仕組みだ。
新型A3スポーツバックは本年3月から多くのヨーロッパ諸国で受注が開始され、5月初旬よりユーザーに納車される予定。車両価格は1.5TFSIで2万8900ユーロ(約350万円)~に設定する。また、発売記念の特別仕様車として、外装にマットプラチナグレーのアタッチメントやダークベゼルを備えたマトリクスLEDヘッドライト、チタニウムグレーの18インチホイールを、内装に新開発のスポーツシートおよび一体型ヘッドレスト、アルミニウムインレイ、ステンレススチールペダルなどを組み込んだSライン インテリアを装備する「エディション1」をラインアップした。なお、日本への導入時期は現時点で未公表。追ってアウディ・ジャパンからアナウンスされる予定である。