独フォルクスワーゲンは3月3日(現地時間)、ジュネーブ・モーターショー2020の中止に伴い、同ショーで発表予定だった新世代電動コンパクトSUV「ID.4(アイディ.4)」のプロトタイプをオンラインストリーミング配信で発表した。
▲フォルクスワーゲン「ID.4」 基本骨格には「MEB(モジュラー エレクトリック ツールキット)」を採用。航続可能距離は約500km(WLTPモード)に達するという
今回公開された新世代電動コンパクトSUVの「ID.4」は、数々のモーターショーに出展されたコンセプトカーの「ID.CROZZ(アイディ.クロス)」シリーズの発展型で、フランクフルト・モーターショー2019でワールドプレミアを飾ったCセグメントのコンパクトEV「ID.3(アイディ.3)」に続くVW製市販EVのプロトタイプである。
▲大容量バッテリーはアンダーボディの中央付近に配置し、低重心で前後重量配分に優れたレイアウトによって高い運動性能と走行安定性を実現した
基本骨格にはEV専用の「MEB(モジュラー エレクトリック ツールキット)」を採用。大容量バッテリーはアンダーボディの中央付近に配置し、低重心で前後重量配分に優れたレイアウトによって高い運動性能と走行安定性を発揮する。また、システムの高効率化および空力特性の向上を図り、航続可能距離は約500km(WLTPモード)を達成した。バッテリーの充電はAC(交流)、DC(直流)、三相交流で行うことが可能。駆動方式には後輪駆動を採用し、後にパワフルなモジュールを組み込んだ4輪駆動を設定するという。
▲ID.4のイメージスケッチ。MEBのアーキテクチャーを表現した洗練さとSUVならではの力強さを高度に融合させた
エクステリアに関しては、MEBのアーキテクチャーを表現した洗練さとSUVならではの力強さを高度に融合。パッケージ効率も重視し、短いフロントオーバーハングと長いホイールベースによって広いキャビンルームを創出する。一方で内装については、フルデジタル化したコクピットと"オープンスペース"と呼ぶ広々とした明るい空間で構成し、乗員がリラックスして過ごせるインテリアを具現化。さらに、タッチ操作や日常会話に対応したインテリジェントな新世代ボイスコントロールを組み込んでいる。
なお、「ID.4」はドイツのツヴィッカウ工場において、バリューチェーン全体でCO2ニュートラルな方法で生産される予定。欧州市場での発売は2020年内を予定している。