英国アストンマーティンは3月4日(現地時間)、新型2シーターオープンスポーツの「V12スピードスター(V12 Speedster)」を発表した。車両価格は76万5000ポンド(約1億500万円)~の設定で、生産台数は88台限定。納車は2021年第1四半期から開始する予定である。
▲アストンマーティン・V12スピードスター 車両価格は76万5000ポンド(約1億500万円)~の設定で、生産台数は88台限定。搭載エンジンは5.2リットルV型12気筒DOHC48Vツインターボ(700hp/753N・m)
リミテッドエディションとなるV12スピードスターは、アストンマーティンのパーソナライゼーションサービス部門「Q by Aston Martin」が、1959年にル・マン24時間レースを制したDBR1からアストンマーティン100周年記念の2013年型CC100スピードスターに至る一連のモデル、そして最新鋭のジェット戦闘機「F/A-18」からインスパイアを受け、直感的に操作できることを目指して企画・開発した究極のオープンスポーツモデルある。
▲車両デザインはアストンマーティンのパーソナライゼーションサービス部門「Q by Aston Martin」が同ブランドのレーシングヒストリーと最新鋭戦闘機からヒントを得て開発する
車両骨格はアストンマーティン最新の押出接着アルミニウムボディ構造を基本に、コクピットまわりを補強するなどしてオープンボディを構築。サスペンションは前ダブルウィッシュボーン/後マルチリンクで、コイルスプリングと3モード(スポーツ/スポーツ+/トラック)に可変できるアダプティブダンピングシステムを組み合わせる。シューズには21インチの鍛造アロイホイールをセントラルロック式で採用し、制動機構には前Φ410mm/後Φ360mmのカーボンセラミックブレーキディスクを装備した。
▲シューズには21インチの鍛造アロイホイールをセントラルロック式で装着。制動機構には前Φ410mm/後Φ360mmのカーボンセラミックブレーキディスクを採用する
エクステリアに関しては、前述のレーシングヒストリーと最新鋭戦闘機からヒントを得て車両デザインを構築する。ルーフやスクリーンは未設定で、巨大なエンジンを覆うフロントセクションや低く幅広いショルダー、シート後方の2個のハンプ、ドライバーとパッセンジャーを分離する背骨のようなパネルで独特のルックスを創出。また、低くて軽快な印象をもたらすリアエンドと、アストンマーティン特有の大胆かつ存在感あふれるフロントグリル、シャープで特徴的なヘッドライト、"ノストリル"と称するボンネットのデザインエレメントのコントラストによって、V12エンジン搭載のエモーショナルな印象を与えている。ボディカウルについては、そのほとんどをカーボンファイバーで製作した。
▲インテリアは構造部材として機能するサテン・カーボンファイバーやハンドクラフトのサドルレザー、鮮やかなクロームやアルミニウム、先進の3Dプリントラバーといった素材を採用して伝統とモダンを高度に融合させた
内包するインテリアは、構造部材として機能するサテン・カーボンファイバーやハンドクラフトのトラディショナルなサドルレザー、鮮やかなクロームやアルミニウム、先進の3Dプリントラバーといったマテリアルを採用して、伝統とモダンを高度に融合させたことがトピック。また、視覚的にも物理的にも重量感をそぎ落とし、スポーツカーらしいスリムで効率的なキャビン空間を演出する。さらに、通常はグローブボックスが配されるパッセンジャー前方にはリムーバブルレザーバッグを装備し、さらにリアハンプ下には収納スペースを設置している。
▲ドライバーとパッセンジャーを分離する背骨のようなパネルを装備。視覚的にも物理的にも重量感をそぎ落とし、スポーツカーらしいスリムで効率的なキャビン空間を演出する
パワーユニットに関しては、オールアロイ構造の5.2リットルV型12気筒DOHC48Vツインターボエンジンをフロントミッドにマウント。最高出力は700hp、最大トルクは753N・mを発生する。組み合わせるトランスミッションはZF製8速オートマチックギアボックスで、FRの駆動機構にはリアリミテッドスリップディファレンシャルを採用。公表性能は、最高速度が300km/h、0→100km/h加速が3.5秒の高スペックを誇る。また、野太くてキャラクターあふれるサウンドを生み出す、専用のステンレス製エグゾーストシステムを標準で装備した。
▲車両デザインのモチーフとなったアストンマーティンのレーシングカーとジェット戦闘機「F/A-18」のイラストを配した専用プレートを装備する