独ダイムラーは3月3日(現地時間)、大幅改良を施したメルセデス・ベンツEクラスを世界初公開した。まずはセダンとステーションワゴンのニューバージョンを披露。発売は今夏に欧州市場から開始する予定だ。また、遅れてクーペやカブリオレのマイナーチェンジ版も発表するという。
▲改良新型メルセデス・ベンツEクラス・セダン フロントグリルやバンパーなどの造形が変更される。デザインラインはアバンギャルドライン/エクスクルーシブライン/AMGラインに集約された
今回の商品改良は、内外装からパワートレイン、機能装備に至るまで多岐に渡る。
▲セダンはトランクリッドなどのデザインを変更。テールランプの造形も刷新した
まず外装では、新造形のフロントグリルや前後バンパー、フルLEDヘッドランプなどを採用して新鮮味と高級感をアップ。また、デザインラインはアバンギャルドライン/エクスクルーシブライン/AMGラインに集約した。
▲より上質感が増したエクスクルーシブライン。新ボディ色としてグラファイトグレーメタリックやハイテクシルバーなども設定された
次に内装では、カラーリングや素材の見直し、ステアリングのインフォテインメント用スイッチの形状変更、長距離ドライブ中にシートクッションやバックレストを動かす「エナジャイジングシート」の設定などを実施。対話型インフォテイメントシステムのMBUXのバージョンアップも図り、同時にディスプレイサイズは標準で10.25インチ、オプションで12.3インチを設定した。
▲インテリアではカラーリングや素材の変更などを実施。運転支援機構やコネクテッド機能の進化も図った
そしてパワートレインでは、電動化をいっそう推進。新たにプラグインハイブリッドを7モデルに拡大する。一方、3リットル直列6気筒エンジンにのみ搭載していたISG(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)を新たに2リットル直列4気筒エンジンに採用したこともトピック。ISG自体にも改良を加え、より効率性を高めている。
▲3リットル直列6気筒エンジンにのみ搭載されていたISGが新たに2リットル直列4気筒エンジンにも採用された
運転支援機構の進化も注目ポイントだ。最新のACCであるアクティブ・ディスタンス・アシスト・ディストロニックやライブトラフィック、アクティブ・ストップ・アンド・ゴー、アクティブ・スピードリミットなどを組み込んで、いわゆるハンズオフ機能を強化。また、パークトロニック付きアクティブ・パーキングアシストやアクティブ・ブレーキアシストなどの機能向上も図る。さらに、駐車時でドアを開けたときに後方から来る自転車などにぶつかる"ドア開き事故"を防止する「降車時警告付き機能」を、アクティブ・ブラインドスポットアシストに追加したことも訴求点だ。
▲高性能バージョンのメルセデスAMG E53 4MATIC+もマイナーチェンジ。ボディタイプはセダンとステーションワゴンを設定
高性能バージョンのメルセデスAMG E53 4MATIC+も一部改良を実施する。まず外装では、最新AMGモデルと同意匠の"パナメリカーナ"フロントグリルを採用したことがトピック。また、新造形のコンビネーションランプやバンパーなどの装着によってリアビューも変貌を遂げる。ボディタイプはセダンとステーションワゴンを設定した。一方、内装では表地およびカラーリングの変更やパドルシフトの形状の見直し、コネクテッド機能のバージョンアップなどを敢行。パワートレインは3リットル直列6気筒ガソリンターボエンジン(435hp/520N・m)+モーター(22hp/250N・m)に、ISGと48V電気システムを採用したマイルドハイブリッドシステムで構成。トランスミッションにはAMGスピードシフトTCT 9Gを、駆動機構には可変トルク配分を行う4WDシステムのAMGパフォーマンス4MATIC+を採用している。
▲メルセデスAMG E53 4MATIC+のパワーユニットは3リットル直列6気筒ターボエンジン(435hp)+モーター+ISG+48V電気システムで構成するマイルドハイブリッド