ポルシェ・マカンGTS 価格:7SMT 1038万889円 試乗記
ポルシェ・マカンGTS GTSはSとターボ・グレードの中間に位置するスポーツ仕様 レスポンスを高めた2.9リッター・V6ツインターボ(380ps/520Nm)搭載 スペックは従来比20ps/20Nmパワフル
新型2.9リッターターボは従来比20psパワフル。レスポンスもシャープに
ポルシェ各車に設定されるGTSグレードは、Sとターボ・グレードのギャップを埋める「特別にスポーティ」なモデル。いまやポルシェの最量販車種に成長したマカンのGTSが、リファインを受けデビューした。
最新バージョンの注目ポイントはエンジンだ。2.9リッターのツインターボ付きV型6気筒ユニットのスペックは380ps/5200~6700rpm、520Nm/1750~5000rpm。新型は、同じツインターボ付きながら、3リッターだった従来型を 20psと20Nm上回る。しかも新たに2基のターボチャージャーをVバンクの内側に配した「センターターボ・レイアウト」を採用。その結果、「ターボと燃焼室間の経路長が短縮され、レスポンスがシャープになった」と、メーカーは説明する。
試乗車はオプションのスポーツクロノパッケージ付き。7速DCTにはローンチコントロール機能がプラスされ、0→100km/h加速タイムは通常バージョンの4.9秒をコンマ2秒上回る4.7秒。「生粋のスポーツカー」と呼ぶにふさわしいデータが発表されている。
全長×全幅×全高4686×1926×1609mm 車重1910kg トップスピードは261km/hをマーク パワーウエイトレシオ:5.03kg/ps 駆動方式:4WD
上質な走り。速さとともにポルシェならではの味わいが楽しめる
走り始めて感じた第一印象は、「何とも上質_」に尽きる。アルカンターラが多用され、ゴージャスなテイストが増したインテリアの雰囲気にふさわしいクオリティである。
最高出力の発生回転数は5200~6700rpm。比較的高回転型エンジンだが、低回転域のトルク感にまったく不足はない。スポーツエグゾーストシステムが標準装備されているものの、常用域の静粛性に優れている点も、好印象を後押しする。
オプション装着のサーフィスコーテッドブレーキ(PSCB)は、立ち上がりの減速Gがやや甘い印象を受けた。サーキット走行にトライしたいユーザー以外は、標準仕様のブレーキのほうが好みに合うかもしれない。
ポルトガルで開催された国際試乗会には、強い横Gを受けながら駆け抜けるルートは設定されていなかった。それでも見た目の印象を上回るシャープな回頭性と、つねに高い4輪の接地感には、「さすがポルシェが手がけた最新作」という印象を抱いた。
マカンがヒット作に成長した背景には、「ポルシェというブランドに対する期待と信頼が大きく影響している」と、メーカーはいう。GTSグレードは、マカン・シリーズの中にあって、「ポルシェらしさ」が、最も鮮明な1台。スポーティな性能と、上質な味わいが絶妙にマッチしている。
老舗スポーツカーメーカーがこだわって作り上げたドライバーズSUVは、実に魅力的である。
GTSの魅力は圧倒的なパフォーマンスと上質性 スポーツエグゾーストシステムを装備しながら室内の静粛性はハイレベル ハンドリングはシャープな回頭性と高い安定感が特徴
本革とアルカンターラで仕上げたスポーツシート標準 レッドステッチがスポーティ
2894cc・V6DOHC24Vツインターボ 380ps/5200~6700rpm 520Nm/1750~5000rpm ターボユニットをVバンク内側に配置した最新仕様
トランスミッションは7速DCT パドルシフト標準 変速はシャープで的確 コンソール部に空調や走行機能スイッチをレイアウト
タコメーターはGTSロゴ入りダークレッド仕様 速度計は280km/hスケール レッドゾーン6800rpm以上
ポルシェ・マカンGTS主要装備
グレード=GTS
価格=7SMT 1038万8889円
全長×全幅×全高=4686×1926×1609mm
ホイールベース=2807mm
車重=1910kg
エンジン=2894cc・V6DOHC24Vツインターボ(プレミアム仕様)
最高出力=280kW(380ps)/5200~6700rpm
最大トルク=520Nm(53.1kgm)/1750~5000rpm
サスペンション=フロント:ダブルウイッシュボーン/リア:マルチリンク
ブレーキ=前後ベンチレーテッドディスク
タイヤ=フロント:265/45R20/リア:295/40R20
駆動方式=4WD
乗車定員=5名
最高速度=261km/h
0→100km/h加速=4.9秒
※2020年1月デビュー ※価格を除きスペックは欧州仕様