スズキ・ワゴンRハイブリッドFX(FF) 価格:CVT 128万400円
スズキのベーシックKカー、ワゴンRがマイナーチェンジした。改良ポイントは安全装備の充実と新エンジンの搭載。CVT仕様の全車に前後衝突被害軽減ブレーキ、後方誤発進抑制機能、リアパーキングセンサーを設定。エンジンは自然吸気仕様を新設計のR06D型に変更した。
R06D型・直3DOHC12Vユニットは、デュアルインジェクションシステムと、クールドEGRを導入。急速燃焼と高圧縮比により優れた日常性能を追求した。スペックは49ps/6500rpm、58Nm/5000rpm。新型はエンジンとともに2ポートオイルポンプを採用した新設計CVTを組み合わせ、マイルドハイブリッド機構を支えるISG(モーター機能付き発電機)は、従来の1.6kWから1.9kWへ高出力化。総合的に走りをリファインしている。
パフォーマンスは優秀。とくに日常シーンで多用する発進から60km/h前後の加速が力強い。右足を軽く踏み込むだけで周囲の流れにスムーズに乗れる。さらにISGのモーターアシストが従来の85km/hから100km/hまでに拡大され、高速道路流入時の安心感が高まった。
静粛性は全般的にハイレベル。加速時にはエンジン音がやや耳につくが、市街地でも高速クルージングでも、リラックスできる。これなら長距離ドライブでもパッセンジャーと会話が弾むだろう。アイドリングストップからの再始動をISGが行うため、セルモーターの作動音と振動がないのは好印象。
燃費は良好。WLTCモード燃費は25.2km/リッター。今回の約200kmの試乗では高速道路と一般道のミックスで21.3km/リッターをマークした。
久しぶりにワゴンRに触れ、あらためて室内の広さとユーティリティに感心した。直線基調のインパネは開放感があり、センターメーターは見やすい。ヘッドアップディスプレイ(オプション)も親切な装備だ。室内長×幅×高は2450×1355×1265mm。長さはN-BOX(同2240mm)を210mmも凌ぐ。カタログスペックどおり、どの席に座っても大きなゆとりがあり、シートは座り心地がいい。スライド&リクライニング機能付きの後席を折りたたむと、広い荷室が出現する。生活のパートナーとして、これほど便利なクルマは少ない。
乗り心地は基本的にしなやか、スピードが上昇するとフラット感が高まる。ただし高速走行時は横風の影響を受けがちだ。この点はリファインを期待する。
ワゴンRはリーズナブルプライスの実力車だ。愛着がわく相棒である。
グレード=ハイブリッドFX(FF)
価格=CVT 128万400円
全長×全幅×全高=3395×1475×1650mm
ホイールベース=2460mm
トレッド=フロント1295×リア1300mm
最低地上高=150mm
車重=770kg
エンジン=657cc直3DOHC12V(レギュラー仕様)
最高出力=36kW(49ps)/6500rpm
最大トルク=58Nm(5.9kgm)/5000rpm
モーター最高出力=1.9kW(2.6ps)/1500rpm
モーター最大トルク=40Nm(4.1kgm)/ 100rpm
WLTCモード燃費=25.2 km/リッター(燃料タンク容量27リッター)
(WLTC市街地/郊外/高速道路=23.0/26.5/25.4km/リッター)
サスペンション=フロント:ストラット/リア:トーションビーム
ブレーキ=フロント:ディスク/リア:ドラム
タイヤ&ホイール=155/65R14+スチール
駆動方式=FF
乗車定員_=4名
最小回転半径_=4.4m
●主な燃費改善対策:ハイブリッドシステム/充電制御付きアイドリングストップ/可変バルブタイミング/電動パワーステアリング/ロックアップ機構付きトルコン/自動無段変速機
●主要装備:スズキセーフティサポート(デュアルセンサーブレーキサポート+前後誤発進抑制機能+車線逸脱警報+ふらつき警報+先行車発進お知らせ+ハイビームアシスト+リアパーキングセンサー+後退時ブレーキサポート)/ヒルホールドコントロール/ハロゲンヘッドランプ/オートライト/フルオートオートAC/2スピーカー/運転席席シートヒーター/後席左右独立スライド&リクライニング機構/助手席前倒し機構/マルチインフォメーションディスプレイ/キーレスプッシュスタート
●装着メーカーop:全方位モニター用カメラパッケージ(カメラ+ヘッドアップディスプレイ+ステアリングオーディオスイッチ+ステアリングガーニッシュ)7万4800円
●ボディカラー:アクティブイエロー
※価格はすべて消費税込み リサイクル費用は6760円