【最新モデル試乗】ライバルがベンチマークに据える実力車、VWポロが販売好調な理由

VWポロ・ハイライン 効率を重視した1リッター直3ターボ(95ps)搭載 トップスピードは187km/h 0→100km/h加速は10.8秒 パフォーマンスは優秀 プラットフォームはゴルフ同様の新世代MQB
VWポロ・ハイライン 効率を重視した1リッター直3ターボ(95ps)搭載 トップスピードは187km/h 0→100km/h加速は10.8秒 パフォーマンスは優秀 プラットフォームはゴルフ同様の新世代MQB

VWポロTSIハイライン 価格:7SMT 275万9000円 試乗記

日本仕様は4グレード構成。全車ターボ搭載。絶妙なサイズ設定

 VWポロの誕生は1975年。長らくVWラインアップのベーシックラインを担ってきた。だが、up!の登場(国内デビューは2011年)以降は「ちょっと上等」の位置づけに変化した。2018年にデビューした現行6thモデルのボディサイズは全長×全幅×全高4060×1750×1450mm。かつてのゴルフ4と同等だ。ワイドな1.75mの全幅は、居住性や積載性、さらには運動性能の大幅な向上にひと役買っている。
 ポロのプラットフォームは、ゴルフや他の上級モデルと同様のMQB。このモジューラーユニットはパサートまでカバーしているが、ポロが最小だ。

 日本仕様は4グレード構成。売れ筋のコンフォートライン・リミテッドに始まって、アダプティブクルーズコントロールなど装備充実のハイライン、スポーティ指向のRライン、そしてホットハッチのGTIだ。
 GTIには2リッター直4ターボ(200ps)、Rラインには1.5リッター直4ターボ(150ps)を搭載。そして残り2グレードには、1リッター直3ターボ(95ps)を組み合わせる。トランスミッションはGTIが6速DSG、他は7速DSGだ。

 立派になったとはいえ、ポロのサイズは実に使いやすい。「ほどよい大きさ」だと感じる。ゴルフの全幅が 1800mmに達し、使い勝手がやや悪化した中、ポロの存在感は日本では高まったと思う。

全長×全幅×全高4060×1750×1450mm 車重1160kg 最小回転半径:5.1m ポロは4グレード構成 3種のパワーユニットを積み分ける
全長×全幅×全高4060×1750×1450mm 車重1160kg 最小回転半径:5.1m ポロは4グレード構成 3種のパワーユニットを積み分ける

若々しい走行フィール。1リッターモデルの最高速は187km/h!

 走りの質感はゴルフとは少し違う方向を目指したようだ。節度の効いた正確な動きは最新VW車共通。ポロはそこにスポーティな演出が加わっている。足回りは適度に固めで、走りは活発だ。直進安定性は素晴らしい。このあたりはクラス随一だといっていい。
 端的にいって若々しさではゴルフより上だ。そこが開発陣の狙いだとすれば、Cピラーを寝かせたスポーティなシルエットにも納得がいく。

 ゴルフ的なオールラウンド性を重視した場合、ボクがお勧めするグレードは 1.5リッターのRライン。もうちょっとあっさりしたディテールと走りの味付けがほしい気もするが、総合的には上質なコンパクトカーに仕上がっている。
 GTIを選べばこれぞ元祖ホットハッチの味わい。十分に過激で、しかもパワーを使い切る楽しさがある。ゴルフGTIが上級化するに連れて薄れた「やんちゃな楽しさ」が残っている。

 とはいえ、1リッターモデルでもよほどのパワー志向でない限り満足できる。メーカー公表の最高速度は187km/h。0→100km/h加速は10.8秒でクリア。ポロはVWらしさを若々しく楽しみたいユーザーに最適な選択だ。運転支援装備が充実しているのもセールスポイントである。

インパネはメーターとナビ(op23万1000円)を高い位置にレイアウトした機能的な造形 各部の作りは上質 視界は広い ステアリングはチルト&テレスコピック機構付き
インパネはメーターとナビ(op23万1000円)を高い位置にレイアウトした機能的な造形 各部の作りは上質 視界は広い ステアリングはチルト&テレスコピック機構付き
ハイラインはサポート性を重視したスポーツコンフォートシート装備 乗り心地はフラット感覚 後席スペースは広い
ハイラインはサポート性を重視したスポーツコンフォートシート装備 乗り心地はフラット感覚 後席スペースは広い
ラゲッジ容量は後席使用時351ℓ/最大1125ℓ 後席は6対4分割
ラゲッジ容量は後席使用時351ℓ/最大1125ℓ 後席は6対4分割
メーターは視認性に優れた2眼式 速度計は260㎞/hスケール 中央に各種情報表示
メーターは視認性に優れた2眼式 速度計は260㎞/hスケール 中央に各種情報表示
7速DSGの変速はシャープ 100km/h巡航時の回転数は2000rpm+αはハイギアード パドルシフト未装備
7速DSGの変速はシャープ 100km/h巡航時の回転数は2000rpm+αはハイギアード パドルシフト未装備
全車速追従機能付きアダプティブクルーズコントロール標準 安全機能はクラストップ級
全車速追従機能付きアダプティブクルーズコントロール標準 安全機能はクラストップ級
ハイラインはLEDヘッドライトとフォグ標準 メインランプユニット下部にデイライト装備
ハイラインはLEDヘッドライトとフォグ標準 メインランプユニット下部にデイライト装備
195/55R16タイヤ&アルミ標準 足回りは適度に引き締まった設定 快適性はハイレベル
195/55R16タイヤ&アルミ標準 足回りは適度に引き締まった設定 快適性はハイレベル
999cc直3DOHC12Vターボ 95ps/5000~5500rpm 175Nm/2000~3500rpm 3気筒エンジンは全域スムーズ JC08モード燃費:19.1km/リッター
999cc直3DOHC12Vターボ 95ps/5000~5500rpm 175Nm/2000~3500rpm 3気筒エンジンは全域スムーズ JC08モード燃費:19.1km/リッター

VWポロTSIハイライン 主要諸元と主要装備の主要諸元と主要装備

グレード=TSIハイライン
価格=7SMT 275万9000円
全長×全幅×全高=4060×1750×1450mm
ホイールベース=2550mm
車重=1160kg
エンジン=999cc直3DOHC12Vターボ(プレミアム仕様)
最高出力=70kW(95ps)/5000~5500rpm
最大トルク=175Nm(17.9kgm)/2000~3500rpm
JC08モード燃費=19.1km/リッター(燃料タンク容量40リッター)
サスペンション=フロント:ストラット/リア:トレーリングアーム
ブレーキ=フロント:ベンチレーテッドディスク/リア:ドラム
タイヤサイズ=195/55R16+アルミ
駆動方式=FF
乗車定員=5名
最小回転半径=5.1m
●主要燃費改善項目:アイドリングストップ/筒内直接噴射/可変バルブタイミング/電動パワーステ/充電制御/DSG
●主要装備:アダプティブクルーズコントロール(全車速追従機能付き)/プリクラッシュブレーキシステム/リアビューカメラ/コーナリングライト/ドライバー疲労検知システム/プロアクティブオキュパントプロテクション/デイタイムランニングライト/6エアバッグ/アクティブボンネット/ポストコリジョンブレーキシステム/オートライト/ダークティンテッドガラス(UVカット機能付き)/LEDヘッドライト(オートハイトコントロール機能付き)/レインセンサー/VW純正インフォテイメントシステム・コンポジションメディア/モバイルオンラインサービス/2ゾーンフルオートAC/ブレーキヒルホルダー機能/スポーツコンフォートシート/本革巻きステアリング/スマートエントリー&スタートシステム
●装着メーカーop: ディスカバープロパッケージ(VW純正ナビゲーション+パドルシフトほか) 23万1000円/セーフティパッケージ(レーンキープアシストシステム+駐車支援システム+パークディスタンスコントロール+オプティカルパーキングシステム+ブラインドスポットディテクション+リアトラフィックアラート)13万2000円
●ボディカラー:エナジェティックオレンジメタリック
※価格はすべて消費税込み
撮影協力●マースガーデンウッド御殿場

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