ホンダN-BOX・G・Lターボ・ホンダセンシング(FF) 価格:7CVT 173万8000円
N-BOXは2019年度、24万7707台を販売。3年連続で「日本で最も売れているクルマ」に輝いた。
実際に乗ると、高い人気の秘密がわかる。N-BOXに、「Kカーだから」という我慢はいっさい不要。1台のファミリーカーとして十分な満足感が得られる完成度の持ち主だ。
箱型で背が高いボディは、1stモデルからの伝統。Kカーという限られた規格の中で、ユーティリティを追求したパッケージングである。
ライバルと異なる点はフィットと同じように、前席下に燃料タンクを置いた設計。この結果、後席回りの空間はゆったりしており、荷室は自転車やベビーカーが楽に収容できるほど広い。
現行型は、助手席が前後に570mmも移動できるスーパースライドシート仕様を設定。助手席を、適正なドライビングポジションを取った運転席の腰の位置まで下げることが可能だ。後席スライドを活用すると、上から見てチェック模様のようなシート配置にアレンジできる。
スーパースライドシートについてメーカーは、「3人家族で父親が運転席、母親が助手席、子供が後席右側に座った場合に、母親が父親と子供の両者と会話がしやすくなる利点がある」と説明する。ホンダらしい柔軟なアイデアだ。
N-BOXは走りでもアドバンテージを持つ。 DOHC・VTEC機構を採用した自然吸気エンジン(58ps)でも十分な加速が得られ、ターボ(64ps)では格上の余裕が楽しめる。
静粛性も感心するレベルで、3気筒であることをほとんど実感させず、長距離ドライブを快適にこなす。
ボディ剛性はしっかりしており、旧型から定評のあった乗り心地は、いっそうしっとりした。特筆すべきは高速道路でのマナー。幅が狭く背が高いディメンションからは予想できないほど、安定している。
ここに全車に標準装備した運転支援システム(ホンダセンシング)の利点がプラスされるのだ。アダプティブクルーズコントロールや車線維持支援システムを含めて、完成度はKカーの枠を超えている。長距離走行を平然とこなすレベルの高さには、いつも驚かされる。
旧型N-BOXがデビューしたとき、軽自動車のレベルを超えた走りの性能に驚いた。ライバルが大きく改良を進めた中にあって、現行型からもまったく同じ印象を受ける。
デビューから2年半を経てもベストセラーをキープできるのは、高い実力があるからこそだ。その魅力は多くのユーザーに知れ渡っている。
グレード=G・Lターボ・ホンダセンシング(FF)
価格=7CVT 173万8000円
全長×全幅×全高=3395×1475×1790mm
ホイールベース=2520mm
トレッド=フロント1305×リア1305mm
車重=910kg
エンジン=658cc直3DOHC12Vターボ(レギュラー仕様)
最高出力=47kW(64ps)/6000rpm
最大トルク=104Nm(10.6kgm)/2600rpm
WLTCモード燃費=20.4km/リッター(燃料タンク容量27リッター)
サスペンション=フロント:ストラット/リア:トーションビーム
ブレーキ=フロント:ベンチレーテッドディスク/リア:ドラム
タイヤサイズ=155/65R14+スチール
駆動方式=FF
乗車定員=4名
最小回転半径=4.5m
●主な燃費改善対策:アイドリングストップ/可変バルブタイミング/自動無段変速機/電動パワーステアリング
●主要装備:ホンダセンシング(衝突被害軽減ブレーキ+前後誤発進抑制機能+歩行者事故低減ステアリング+アダプティブクルーズコントロール+車線維持支援システム+オートハイビーム+標識認識機能ほか)/フルLEDヘッドライト/6エアバッグ/フルオートAC/リア両側電動スライドドア/ナビ装着用スペシャルパッケージ+ETC+4スピーカー/充電用USBジャック/トリコットシート(アレルクリーンプラス機能付き)/チップアップ&ダイブダウン機能付きスライドリアシート/左右独立リアアームレスト/リアドアロールサンシェード/本革巻きステアリング/シートバックポケット/ハーフシェイドフロントウィンドウ/パドルシフト/マルチインフォメーションディスプレイ/プッシュエンジンスタート/フロント&リアスタビライザー
●ボディカラー:プレミアムイエローパールⅡ&ホワイト
※価格はすべて消費税込み リサイクル費用は8400円