ルノー・カングー・ゼン 価格:6MT 254万6000円/6SMT 264万7000円
現行ルノー・カングーの日本発売は2009年。すでに 10年以上が経過した。現在でも安定したセールスを持続しており、フランス車として頻繁に見かける1台に成長した。
なぜカングーが根強い人気を集めているのか。1stモデル(2002年発売)から長い間、輸入ハイトワゴンとして孤軍奮闘に近い状況で頑張ってきた実績もあるが、国産車とはまったく異なるデザインや走りの魅力を備えていることが大きい。
ボディサイズは全長×全幅×全高4280×1830×1810mm。全長はトヨタ・シエンタと同等だが全幅はアルファードに近い。
大柄ボディなのに威圧感をいっさい感じないのは、フレンドリーな雰囲気のスタイリングの効果。観音開き式リアゲートを含めて、「ルドスパス(遊びの空間)」というコンセプトが伝わってくる。
インテリアはインパネが低く、全体が柔らかいラインで描かれている。エクステリア同様、親しみやすい空間だ。
装備はシンプルである一方、L字型パーキングブレーキレバーに代表されるように操作系はがっしりした作り。ドアの閉まり音からも頼もしさを感じる。
シートはフランス車ならではのふっかりした座り心地。長時間乗っても心地よさが印象に残る。頭上の空間が広いこともうれしい。しかもカングーはここにトレイやストレージボックスを備えており、身の回り品を置くのに重宝する。
後席の折りたたみは背もたれを倒すと座面が沈み込んで平らになる方式。荷室は広く、利便性は国産車を上回る。
エンジンは1.2リッター直列4気筒ターボ(115ps/190Nm)。6速MTと6速DCTを用意する。DCT仕様でも車重は1450kgに抑えられているので加速に不満はない。小排気量の4気筒らしく、十分なパワーと滑らかに高回転まで回っていく心地よさが堪能できる。
初めてカングーに乗ると、その乗り心地に驚くだろう。あらゆるシーンでソフトなのに、無駄な揺れは最小限に抑えられている。段差や継ぎ目のショック吸収も上手だ。このクルマとならどこへでも行けると思ってしまう。
背が高い(全高1810mm)のにこれだけ乗り心地が快適だとフットワークが気になるところだ。カングーの場合、ステアリングの切れ味は穏やかな設定。ロールは一気には押し寄せない。安心のドライビングが楽しめる。
昔から、背が高いボディに快適な乗り味を与えてきたルノーの経験をカングーは上手に活用している。バランスがいい。
デザインだけでなく、カングーは走りもフレンドリーである。
グレード=ゼン(EDC)
価格=6SMT 264万7000円
全長×全幅×全高=4280×1830×1810mm
ホイールベース=2700mm
車重=1450kg
エンジン=1197cc直4DOHC16Vターボ(プレミアム仕様)
最高出力=84kW(115ps)/4500rpm
最大トルク=190Nm(19.4kgm)/1750rpm
JC08モード燃費=14.7_km/リッター(燃料タンク容量56リッター)
サスペンション=フロント:ストラット/リア:トレーリングアーム
ブレーキ=フロント:ベンチレーテッドディスク/リア:ディスク
タイヤサイズ=195/65R15+スチール
駆動方式=FF
乗車定員=5名
最小回転半径=5.4m
●主な燃費改善対策:直噴エンジン/可変バルブタイミング/電動パワーステアリング/EDC
●主要装備:エクステンデッドグリップ/6エアバッグ/ESC/ECOモード/クルーズコントロール/ヒルスタートアシスト/オートライト&雨滴感応式ワイパー/ハロゲンヘッドライト/フロント&リアフォグランプ/デイタイムランプ/ドットサイドストライプ/ブラックサイドプロテクションモール/電動格納式ヒーター付きドアミラー/ボディ同色フロント&リアバンパー/ダブルバックドア/UVカットガラス/プライバシーガラス/ファブリックシート/可倒式助手席/6対4分割可倒式リアシート/本革巻きステアリング/防塵フィルター付きオートAC/4スピーカーオーディオ/3連式オーバーヘッドボックス/トノカバー/シートバックテーブル/リア床下収納
●ボディカラー:ブルーエトワールメタリック
※価格はすべて消費税込み リサイクル費用は1万9380円