独ダイムラーは4月28日(現地時間)、メルセデス・ベンツの新型コンパクトSUV「GLA」を4月末に欧州市場で発売すると発表した。
第2世代となる新型GLAは、“More character”“more space”“more safety”をキャッチフレーズに掲げたメルセデス・ベンツのSUVレンジの新エントリーモデルである。基本骨格には新世代プラットフォームのMFA2を採用。また、ホイールベースを従来モデル比で30mm伸ばした2729mmに、全幅を30mm広げた1834mmに、全高を104mm高くした1611mmに設定して、居住空間の拡大を図る。一方、全長は従来モデル比で14mm短縮した4410mmとし、機動性の向上を実現した。
エクステリアについては、SUVらしい力強さとメルセデスならではの上質さを高次元で融合させたことが特徴だ。具体的には、メルセデスのSUVファミリーと共通意匠のフロントマスクや新造形のLEDヘッドランプ、厚みのあるサイドパネルにダークカラーで仕上げたホイールアーチ&アンダーガーニッシュ、最大20インチのタイヤ&ホイール、2分割タイプの新造形リアコンビネーションランプ、存在感を高める前後アンダーガードなどを採用。また、リアゲート開口部を従来モデルより広げて積載性を向上させる。空力特性の引き上げも図り、Cd値(空気抵抗係数)は0.28を達成した。
インテリアに関しては新型Aクラスの基本デザインを踏襲し、モダンかつアバンギャルドな造形でまとめる。ダッシュボードはインストルメントクラスター上方のカウルを廃止し、代わってワイドスクリーンディスプレイを配置。横方向のワイドさ強調しながら、新しさを主張する。また、5つの円形のエアアウトレットはジェットエンジンのタービンを思わせる印象的な造形でアレンジした。一方、前席のシートポジションは従来モデルよりも高めに設定し、同時にAピラーの断面形状を最適化することで前方の視認性を向上。また、後席には4:2:4の3分割タイプシートを採用したうえで、140mmの前後スライド機構をオプションで用意し、さまざまな使い方に柔軟に対応できるよう配慮した。なお、荷室容量は従来モデル比で14リットル増量の435リットルを確保している。
装備面では、新世代の対話型インフォテインメントシステム「MBUX(メルセデス・ベンツ・ユーザー・エクスペリエンス)」の搭載がトピック。自然対話式音声認識機能は多くのインフォテインメント機能(目的地入力、電話通話、音楽選択、メッセージ入力・読み上げ、気象情報)に加え、クライメートコントロールや各種ヒーター、照明など多様な便利機能にも対応する。さらに、スマートフォンのコネクティビティ関連機能もいっそう拡張。1度の操作でドアミラーが格納され、同時にサイドウィンドウやサンルーフなどが閉じる洗車機能も新たに導入した。
最新の安全・運転支援機能を設定したことも新型GLAの訴求点だ。歩行者および車両の飛び出しを検知した場合や先行車両および障害物を回避できない場合の自動緊急ブレーキによる被害軽減機能、車線維持機能、斜め後ろの死角の車両との衝突回避を支援する機能など、最新鋭システムを鋭意採用。また、後方から接近してくる自転車などを検出してドアミラーの警告表示でドライバーに知らせる新機能も組み込んだ。
パワーユニットはガソリンエンジン2機種、ディーゼルエンジン2機種をラインアップする。ガソリンエンジンはGLA200に1332cc直列4気筒DOHCガソリンターボ(163hp/250N・m)+7G-DCT、GLA250に1991cc直列4気筒DOHCガソリンターボ(225hp/350N・m)+8G-DCTを搭載。ディーゼルエンジンはGLA200dに1950cc直列4気筒DOHCコモンレール式直噴ディーゼルターボ(150hp/320N・m)+8G-DCT、GLA220dに1950cc直列4気筒DOHCコモンレール式直噴ディーゼルターボ(190hp/400N・m)+8G-DCTを採用する。駆動システムは2WD(FF)のほか、GLA250/GLA200d/GLA220dに可変トルク配分型4WDの4マチックを設定した。
なお、2020年前半には新世代プラグインハイブリッドシステムを搭載したEQ Powerモデルの「250e」を追加する予定である。