イタルデザインは5月20日(現地時間)、限定50台販売のスペシャルモデル「Nissan GT-R50 by Italdesign」のプロダクションモデルを公開した。納車は各マーケットにおける認証手続きを経た後、2020年後半から2021年前半にかけて行う予定である。
日産自動車とイタリアの名カロッツェリアのイタルデザインが共同で開発した「Nissan GT-R50 by Italdesign」は、そのプロトタイプが2018年7月に英国で開催された「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」の場で初公開。後に限定50台、車両価格99万ユーロ(約1億1700万円)~で販売するとアナウンスされる。その市販版となるプロダクションモデルは、本年3月に開催予定のジュネーブ・モーターショー2020でワールドプレミアを飾る計画だったが、COVID-19の感染拡大の影響でショー自体が中止。代わって5月20日に、イタリアのレーストラックであるタツィオ・ヌヴォラーリ(Tazio Nuvolari)においての走行シーンを含むオンライン発表となったのだ。なお、同車の開発テストはすでに最終段階に入っているという。
改めて「Nissan GT-R50 by Italdesign」の車両概要を紹介しよう。同車はGT-Rの高性能バージョンであるGT-R NISMOをベースに、イタルデザインが設計開発および生産を手がけたスペシャルモデルである。内外装の基本デザインは、イタルデザインと日産デザインセンターが共同で担当した。
エクステリアではプロトタイプのゴールドからブラックのカラーリングに変更したフロント前端のインナーパネル、ボンネット上に組み込まれるパワーバルジ、シャープなLEDヘッドライト、低く伸びやかなルーフライン、アグレッシブな造形のフェンダー、可変式の大型リアウィング、そしてゴールドからブラックのアクセントカラーに切り替わった特徴的なエアアウトレットの“サムライブレード”などを採用し、個性やスポーティ感をいっそう際立たせる。また、丸型テールランプやリアバンパーなどもプロトタイプからリデザインし、より統一感のある造形に刷新した。ボディサイズは全長4784×全幅1992×全高1316mm/ホイールベース2780mmに設定している。
インテリアについては、GT-Rの高機能なコクピットデザインを踏襲しながら、センターコンソールやインストルメントパネル、ドアの内張りにカーボンファイバーやアルカンターラを導入。シート表地にはブラックのアルカンターラとブラックのイタリア製レザーを採用する。ステアリングには、カーボンファイバーの骨格にアルカンターラのトリミングを施し、トップ部にはレッドのアクセントを配した。
パワーユニットにはNISMO専用チューニングのVR38DETT型3799cc・V型6気筒DOHC24Vツインターボエンジンを搭載。最高出力は720ps、最大トルクは780N・mを発生する。トランスミッションには強化タイプのレインフォースドデュアルクラッチ6速シーケンシャルをセット。駆動システムには、独立型トランスアクスル4WDのATTESA E-TS 4WDを採用した。また、懸架機構にはビルシュタインDamp Tronicサスペンションを、制動機構にはブレンボ製2ピースフローティングドリルドディスクとレッド塗装の前6ピストン/後4ピストンモノブロックキャリパーをセット。シューズには専用デザインのアルミホイールと前255/35R21、後285/30R21タイヤを装着している。