VWゴルフGTIパフォーマンス 価格:7SMT 483万9000円 試乗記
ゴルフGTIは、クルマ好きの琴線を刺激する存在。ボクは1stモデルから大好きだった。コンパクトで、カッコよくて、ワクワクするパフォーマンスを持っていて……。
VWの巧みなブランド戦略でもあったが、まずは、ロンドン、パリ、ミュンヘン、といったお洒落な都市で人気に火が付いた。そして、その流れはあっという間に世界に展開していった。
1stモデルは買えなかったが、2nd・GTIは、日本では誰よりも早く購入した。当時のFF車の常識を完全に突き破ったトラクション性能にはすごみさえ感じた。
3rdモデル以降のゴルフは期待外れで、GTIにもその影響は及んだ。6thモデルでようやく本来のGTIが戻ってきた。ボクが購入したのは、通称7.5thと呼ばれる現行の後期型。時代が求める運転支援システムのアップグレードが行われたモデルだ。
ボクは白のGTIを買った。ルックスも性能も気に入っていた。
ある日立ち寄ったデーラーでGTIパフォーマンスを目の前にして、突然心が揺らいだ。 むろん存在は知っていたし、性能面の高さも知っていた。カタログも持っていた。でも、特別色のダークアイアンブルーメタリック(写真)と19インチホイールの実車を目の前にしたことはなかった。
光りの加減で微妙に変化する深みのあるボディカラーに強く引かれた。GTIのシンボル、レッドのアクセントも、より鮮やかに、美しく映えていた。19インチホイールの奥に見える赤の大径ディスクブレーキもカッコいい。
パフォーマンスは、7速DSGと電制デフロックが標準。白いGTIを選んだときは、とくに気にはならなかったが、パフォーマンスに心が向いたとたん「いいね_」に変わった。「節操がない」といわれれば反論できないが……。
19インチタイヤが乗り心地を悪化させることはわかっていたが、カッコよさとハンドリングへの貢献度との差し引きで、ボクの答えはプラスだった。日常の扱い勝手もなんら問題ない。
エンジンは15ps/20Nmパワーアップした専用タイプで、踏めばかなり刺激的だ。追い込めば追い込むほど、標準のGTIより無理は利くし、楽しみの奥行きは深い。
ボクの場合、95%が日常走行、残りの5%が山岳路でスポーティな走りを楽しむ、といった使い方だが、大いに満足している。
GTIシリーズにはさらに高性能なTCR(限定車)がある。これはレーシングモデルのストリートバージョン。カッコも性能も「日常使いにはオーバー」であり、ボクの興味は向かない。
グレード=VWゴルフGTIパフォーマンス
価格=7SMT 483万9000円
全長×全幅×全高=4275×1800×1470mm
ホイールベース=2635mm
車重=1430kg
エンジン=1984cc直4DOHC16Vターボ(プレミアム仕様)
最高出力=245㎰/5000~6700rpm
最大トルク=370Nm/1600~4300rpm
JC08モード燃費=14.0㎞/リッター
サスペンション=フロント:ストラット/リア:4リンク
タイヤサイズ=225/35R19
駆動方式=FF
乗車定員=5名