バリューモデル・パーソナルセレクション by 河村康彦
日本固有の「5ナンバー規格」のSUVが、2019年末にデビューしたロッキー。タントに続いてダイハツ最新のプラットフォーム「DNGA」を採用する。ボディサイズは、全長×全幅×全高3995×1695×1620mmとコンパクト。
FWD仕様では1トンを切る重量も、新プラットフォームの効率の高さを物語っている。1リッターの3気筒ターボ(98ps/140Nm)が生み出す走りはなかなか軽快。170万円プラスからの価格設定もうれしい。トヨタ・ライズも同内容。
リアルスポーツでありながら、軽量コンパクトにして低価格という、ライバルが失いつつある特徴を堅持した点が大きな魅力。現行型へのモデルチェンジに際してパワーユニットが1.6リッターから1.4リッターターボ(140ps/230Nm)に変更されたものの、動力性能はビビッド。いい意味で「ターボらしくない」。
新たな骨格の採用で剛性感が大幅に向上したボディや、安定性と操縦性を高次元でバランスさせたフットワークも高度な仕上がり。
C3エアクロスSUVのベースが、シトロエンの基幹モデルであるC3。2016年登場の現行3rdモデルは、フランス生まれらしいユニークで魅力的なデザインの持ち主。ボディサイズは全長×全幅×全高3995×1750×1495㎜。
全幅は「3ナンバー」にカテゴライズされるものの、全長は4m未満とコンパクト。しなやかで優しいフットワークと、街乗りシーンで思いのほか力強い加速感が味わえる。価格設定もお値打ちだ。
ADAS(運転アシスト機能)の拡充や新装備の採用、勢いづく電動化と、コストアップにつながる要因は数多い。しかし、それらすべてが本当にカーライフを豊かにしてくれるのだろうか? どうやら話はそう単純ではなさそうだ。世界的に拡大傾向にあるボディサイズを含め、「バリューなクルマ」を考察した。