ポルシェ ジャパンは6月2日、第8世代のポルシェ911(992)の「タルガ4S(targa4S)」に「ヘリテージデザインエディション」をラインアップし、同日より予約受注を開始した。車両価格は2616万円の設定で、販売台数は992台の限定だ。
クーペとカブリオレに続く第3のボディバリエーションで、カブリオレのオープントップ走行の利点とクーペの日常的な快適性および安全性という2つの世界を融合させた新型911タルガは、新設計の全自動ルーフシステムを採用する。トップ部は特徴的なタルガバー、フロントシート上方の可動式ルーフセクション、ラップアラウンド型のリアウィンドウで構成。トップの開閉は約19秒でこなす。また、タルガ化に即してピラーやコクピットまわりを入念に強化。タルガバーは伝統を踏襲するシルバーカラーで仕立てた。
今回の限定モデル「ヘリテージデザインエディション」は、最新911タルガの高性能バージョンである4Sをベースに、歴史的なエクステリアとインテリアのデザインエレメントを、ポルシェエクスクルーシブマニュファクチャーのリミテッドエディションとして再解釈したことが特徴である。
まずエクステリアでは、専用塗装のチェリーメタリックとその他4種類のボディカラー、さらにゴールドのエンブレムなどで1950年代から1960年代初頭のポルシェ・スタイルの本格的なルックスを創出する。フロントセクションにはヘッドライトの上に伸びる槍型のグラフィックや1963年デザインのポルシェクレストを、サイド部には“PORSCHE”のロゴを配したストライプやタルガバーに組み込んだゴールド塗装の“targa”モデルエンブレム、希望の番号が選べるスタートナンバーを、リアビューにはゴールド塗装の“PORSCHE”“911targa4S”エンブレム、エンジンリッドへの“PORSCHE heritage”デザインのプラークを設定。また、前20インチ(タイヤサイズ245/35ZR20)、後21インチ(同305/30ZR21)の前後異形サイズのホイールセンターには1963年デザインのポルシェクレストを装着した。ボディサイズは基本的にベース車と同寸で、全長4519×全幅1852×全高1299mm/ホイールベース2450mmに設定している。
インテリアについては、ボルドーレッドレザー/アタカマベージュOLEAクラブレザー、またはブラックレザー/アタカマベージュOLEAクラブレザーの組み合わせを用意する。シートとドアトリムへのコーデュロイの使用は、ポルシェ356に導入していた素材への回帰と、1950年代の時代精神と流行の復活を意味。また、グリーン照明のクラシックなレブカウンターとストップウォッチを組み込み、マイクロファイバーファブリックによるパンチングルーフライナーや広範なエクスクルーシブマニュファクチャーレザートリムとともに、コンセプトのエモーショナルな特質を強調した。さらに、ステリアングホイールやイグニッションキーには、1963年デザインのポルシェクレストを配備。そして、ダッシュボードトリムにはシリアルナンバーを刻んだ専用プラークをセットする。一方、機能性を高める10.9インチのPCM(ポルシェ コミュニケーションマネジメント)タッチスクリーンやコネクティッド機能のPorsche Connectなど、最新システムも標準で採用した。
パワーユニットはベース車のタルガ4Sと共通で、最高出力450ps(331kW)/6500rpm、最大トルク530N・m/2300~5000rpmを発生する高性能版の2981cc水平対向6気筒DOHCツインターボエンジンを搭載。トランスミッションには8速PDK(デュアルクラッチトランスミッション)を組み合わせている。
なお、ポルシェデザインは911タルガ4Sヘリテージデザインエディションの発表に合わせて、オーナー専用の高級腕時計としてクロノグラフ911タルガ4Sヘリテージデザインエディションを作成した。ホワイトの秒針とフォスファラスグリーンのリングを備えた文字盤のデザインはスピードメーターとレブカウンターをベースにアレンジし、またインデックスはポルシェ特有のフォント、ストラップはポルシェ車の純正インテリアレザーで仕立てている。