ポルシェ初のフル電動スポーツカー「タイカン」の日本における販売価格が発表

ポルシェ ジャパンがEVスポーツモデル「タイカン」の車両価格をアナウンス。1448万1000円~2454万1000円と911シリーズ並み

 ポルシェ ジャパンは6月5日、ブランド初となるフル電動EVのスポーツカー「タイカン(Taycan)」の日本における車両価格を発表した。
モデル展開および車両価格は以下の通り。
タイカン ターボS:2454万1000円
タイカン ターボ:2023万1000円
タイカン 4S:1448万1000円
ハンドル位置は全モデルとも右のみを設定。ユーザーへの納車は本年9月以降を予定する。

▲ポルシェ・タイカン ターボS 価格:2454万1000円 全長4963×全幅1966×全高1378㎜ ホイールベース2900mm 車重2295kg ローンチコントロールを使用した際の最高出力は761ps、最大トルクは1050N・mを発生する
▲ポルシェ・タイカン ターボS 価格:2454万1000円 全長4963×全幅1966×全高1378㎜ ホイールベース2900mm 車重2295kg ローンチコントロールを使用した際の最高出力は761ps、最大トルクは1050N・mを発生する

 日本市場におけるタイカンは「ターボS(Turbo S)」と「ターボ(Turbo)」、そして「4S」という3タイプを用意する。もちろん、EVなので内燃機関におけるターボチャージャーを搭載しているわけではない。ポルシェ社内では通例的に“Turbo”の呼称は“最高峰グレード”を意味することから、タイカンにも同様のネーミング手法を採用したわけだ。

▲リアアクスルには2速のトランスミッションを設定。1速は静止状態からの発車時における大きな加速を、ロングレシオの2速は高効率と同時に高いエネルギー残量を保証し、高速走行時にも使用するようにセッティングした
▲リアアクスルには2速のトランスミッションを設定。1速は静止状態からの発車時における大きな加速を、ロングレシオの2速は高効率と同時に高いエネルギー残量を保証し、高速走行時にも使用するようにセッティングした

 タイカンのパワートレインは、前後アクスルにモーターを1基ずつ配する、ツインモーターの4輪駆動システムで構成する。モーター自体にはソレノイドコイルのヘアピン巻線を採用し、より多くの銅をステーターに組み込むことで、通常の巻線と体積は同じままで出力とトルクを向上させた。ターボモデルの通常時の最高出力は625ps、最大トルクは850N・mを発生。ローンチコントロールを使用すると、ターボSは761ps/1050N・m、ターボは680ps/850N・mにまで高まる。一方、4Sは通常時の最高出力が435ps(パフォーマンスバッテリー仕様)で、ローンチコントロール使用時は530ps/640N・mを絞り出す。また、リアアクスルには2速のトランスミッションを組み込み、1速は静止状態からの発車時における大きな加速を、ロングレシオの2速は高効率と同時に高いエネルギー残量を保証し、高速走行時にも使用するようにセッティング。さらに、世界最高レベルの高速充電を実現する800Vの電圧システムを組み込んだ。

▲ポルシェ・タイカン ターボ 価格:2023万1000円 全長4963×全幅1966×全高1381㎜ ホイールベース2900mm 車重2305kg ローンチコントロールを使用した際の最高出力は680psを発生
▲ポルシェ・タイカン ターボ 価格:2023万1000円 全長4963×全幅1966×全高1381㎜ ホイールベース2900mm 車重2305kg ローンチコントロールを使用した際の最高出力は680psを発生

 性能面については、最高速度がターボSとターボともに260km/h、0→100km/h加速がターボSで2.8秒、ターボで3.2秒と公表。一方、4Sは最高速度が250km/h、0→100km/h加速が4.0秒とアナウンスする。また、一充電当たりの航続距離(WLTPモード)はターボSが388~412km、ターボが381~450km、4Sが407km、燃費ならぬ電費性能はターボSが26.9kWh/100km、ターボが26.0kWh/100km、4Sが25.7~21.1kWh/100kmに達するという。

▲ポルシェ・タイカン4S 価格:1448万1000円 全長4963×全幅1966×全高1379㎜ ホイールベース2900mm 車重2140kg(パフォーマンスバッテリープラス搭載時2220kg) 標準パフォーマンスバッテリー搭載での最高出力は530psを発生
▲ポルシェ・タイカン4S 価格:1448万1000円 全長4963×全幅1966×全高1379㎜ ホイールベース2900mm 車重2140kg(パフォーマンスバッテリープラス搭載時2220kg) 標準パフォーマンスバッテリー搭載での最高出力は530psを発生

 4ドアスポーツサルーンに仕立てたエクステリアに関しては、ポルシェのDNAを明確に引き継ぐとともに、新しい時代の始まりを告げる新進のEVスポーツデザインを採用したことがトピックだ。まずフロント部は、曲線の強いフェンダーによって極めてワイドかつフラットな造形を創出。LEDデイタイムランニングライトバーを備えるフロントバンパーなども印象的だ。サイドビューは、後方に向かって下向きに傾斜するスポーティなルーフラインと彫りの深い前後フェンダーおよびドア部を組み合わせて存在感のあるルックスに仕上げる。そしてリアセクションは、いかにもポルシェらしいテーパーの付いたCピラーやボリューム感のあるショルダーライン、ライトバーに統合されるガラスルックのポルシェロゴなどによって、伝統と革新のデザインを巧みに融合させた。

▲独立型の湾曲したメーターパネルは明確かつ必要最小限、しかも最先端のデザインで構成し、ポルシェ特有の丸型メーター表示も可能な湾曲した16.8インチディスプレイを組み込む。日本導入モデルのハンドル位置は右
▲独立型の湾曲したメーターパネルは明確かつ必要最小限、しかも最先端のデザインで構成し、ポルシェ特有の丸型メーター表示も可能な湾曲した16.8インチディスプレイを組み込む。日本導入モデルのハンドル位置は右

 内包するインテリアは、1963年に登場した初代911のダッシュボードデザインが発想の源で、スポーティなドライビングためにアレンジされたこのダッシュボードデザインを、タイカンではデジタル時代にふさわしい造形に再構築する。独立型のメーターパネルは明確かつ必要最小限、しかも最先端のデザインで構成し、ポルシェ特有の丸型メーター表示も可能な湾曲した16.8インチディスプレイをセット。また、カウルを省略した一方で、パネル表面には蒸着偏光フィルターによる反射防止コーティングを施したガラスを組み込んだ。一方、ダッシュボード上部および下部は、翼をイメージさせるような左右に広がったデザインを導入。中央の10.9インチインフォテインメントディスプレイとオプションのパッセンジャーディスプレイの組み合わせは、ブラックパネルルックの一体化されたガラス画面を形成し、それによってインテリアと視覚的に融合する。加えて、上昇するセンターコンソールには、触覚フィードバック技術を備えた大型の8.4インチタッチパネルを装備した。

▲ポルシェ ジャパンはポルシェ電気自動車オーナー向けに急速充電器を始めとする独自の充電ネットワークを日本全国にて展開すると公表した
▲ポルシェ ジャパンはポルシェ電気自動車オーナー向けに急速充電器を始めとする独自の充電ネットワークを日本全国にて展開すると公表した

 なお、ポルシェ ジャパンはタイカンの車両価格の発表と合わせて、ポルシェ電気自動車オーナー向けに急速充電器を始めとする独自の充電ネットワークを日本全国にて展開すると公表した。全国のポルシェセンターには充電施設として使用できる様々なポルシェの充電器を設置。ABB社と共同開発した急速充電器の「ポルシェ ターボチャージャー」は今後、順次全国の販売店に設置する計画(2020年内に21拠点設置予定)だ。また、都市型充電ステーションとして東京・名古屋・大阪に「ポルシェ ターボチャージング ステーション」を用意。150kW級出力のポルシェ ターボチャージャーを1カ所につき2基ずつ設置するのと合わせて、8kW出力のポルシェモバイルチャージャー コネクト(2021年後半に設置予定)を備えることで、短時間滞在用と長時間滞在用として使い分けることを可能としている。

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