伊マセラティは2022年5月25日(現地時間)、スーパースポーツの「MC20」のスパイダーバージョン「MC20チェロ」を世界初公開した。
車名のチェロ(Cielo)はイタリア語で“空”を意味。マセラティのM、コルセ(レーシング)のC、そしてマセラティブランドにとって新時代の幕開けとなった2020年を示す20を組み合わせたMC20のネーミングに、オープントップであることを指すチェロを加えて、「真のスーパースポーツカーを運転する特権を全身に感じながら、広い空の下で運転する悦びを楽しむ」という、新スパイダーモデルのコンセプトを表現した。
クーペタイプと同様に伊モデナのマセラティ・イノベーションラボで開発し、100%メイド・イン・イタリーを保証するヴィアーレ・チーロ・メノッティ工場で生産するMC20チェロは、クーペモデルと同様に“Nettuno(ネットゥーノ)”3リットル・V型6気筒DOHC直噴ツインターボエンジン(630ps/730Nm)を縦置きでミッドシップ搭載したうえで、「スポーツ性とラグジュアリーの完璧な融合」を謳う電動開閉式のガラスルーフを装備。格納したルーフはボディ後部に収まり、エアインテークを配したダブルバブルスタイルのカバーで覆われる。開閉に要する時間は約12秒で、時速50km/h以下なら走行中での開閉が可能だ。
また、ルーフには高分子分散型液晶(PDLC)技術を導入。センタースクリーンのボタンに触れるだけで、車窓が一瞬にして透明から曇った状態へと変化する、最先端のエレクトロクロミックウィンドウ(スマートガラス)を配する。ルーフ自体に高い断熱性を持たせたこともトピックだ。
オープン化に即して、ボディも入念に改良。コクピット回りやドア、ピラー類を強化したうえで、重量増はクーペ比で65kg増に抑える。カーボンファイバーシャシーはクーペ同様、高いねじれ剛性を確保。ルーフの開閉状態に関わらず、風洞テストで全方向から検証された最先端のエアロダイナミクスも採用した。ボディサイズは全長4669×全幅1965×全高1224mm、ホイールベース2700mmに設定。また、ローンチカラーにはカスタマイズプログラム「フォーリセリエ」で提供される新しい3層のメタリックカラー「アクアマリーナ」を採用した。
コクピットに関しては、風の巻き込みを抑えるリアスクリーンやバケットタイプのレザーシート、シート表皮とシームレスにデザイン統合するドアトリム、カーボンファイバー材のパネル類、専用チューニングのハイ・プレミアム ソナス・ファベール(Sonus Faber)オーディオシステム、次世代インターフェイスの10.25型ディスプレイ、マセラティ・インテリジェント・アシスタント(MIA)マルチメディア・システムおよびマセラティ・コネクトなどを設定。また、先進安全運転支援システムとして、MC20に装備するパーキングセンサーやリアビューカメラ、ブラインドスポットモニタリングに加えて、自動緊急ブレーキや道路標識情報、最新バージョンの360度カメラを組み込んでいる。
なお、日本でのMC20チェロの販売価格は3385万円に設定。今回の発表と同時にマセラティ正規ディーラーでオーダー受付を開始し、デリバリーは2023年初春を予定している。