アルファロメオ・ステルヴィオ2.2ターボディーゼルQ4スポーツパッケージ 価格:8SAT666万円 試乗記
ステルヴィオの中でも人気が高い19インチタイヤなどを装着したスポーツパッケージが小変更を受けた。そして、うれしいことにディーゼルエンジンが選べるようになった。
アルファロメオとディーゼルエンジンの関係は、クルマ好きが思っている以上に深い。今日のクリーンディーゼル技術の出発点ともいうべきコモンレール方式を世界で最初に採用したのはアルファロメオだった。フラッグシップは元気いっぱいのマラネロ製V6ツインターボのガソリンだが、欧州をはじめ主力は2.2リッターの直4ディーゼルターボである。
ステルヴィオが搭載する最新ユニットは非常に軽量にできており、ガソリン仕様との重量差はごくわずか。しかも210ps/470Nmのハイスペックを誇る。これまでスポーツパッケージが設定されていなかったほうが「不自然」だった。
スポーツパッケージは、内外装をスポーティに仕上げたグレード。最新仕様はブラックペイントのルーフレールが備わり、ウィンドウモールディングもブラックアウトされて、いっそう精悍な印象になった。その他、19インチタイヤ&ホイールに赤いブレーキキャリパー、レザーをふんだんにあしらったインテリア、高級オーディオセットなどで構成されている。
シャシーやパワートレーンに変更はない。2.2リッターディーゼルは、セダンのジュリア用よりもややハイスペック。注目すべきはそのトルク性能で、470Nmの最大値をわずか1750rpmで発揮。これだけのトルク性能があれば、「アルファロメオらしく」走らせることができる。
そもそもステルヴィオのシャシー性能は並のSUVとは一線を画す。スポーツサルーンの雄たるジュリアQ4の車高を、そのままアップして仕立てたようなクルマだ。切れ味鋭いハンドリングに代表される乗り味が、ドライバーを心地よく刺激する。
加速フィールは洗練されている。最新のディーゼルらしく、ビッグトルクに身を任せるような暴力的な雰囲気はない。1.8トンを超えるヘビーウエイトをまるで感じさせないスムーズな加速感と、伸びやかさがいちばんの魅力だ。制御が緻密なのだろう、ここでも技術の素晴らしさがうかがえた。
しかもアクセルを踏み込むほど精彩を増すなど、エンジンフィールにはディーゼルとは思えない官能性もある。さすがはアルファロメオ製である。ただしディーゼル特有の音は、アイドリングストップからの再始動時など室内にもはっきりと響く。ガソリンエンジンと変わらなくなるのは40~50km/hあたりからだ。
グレード=2.2ターボディーゼルQ4スポーツパッケージ
価格=8SAT 666万円
全長×全幅×全高=4690×1905×1680mm
ホイールベース=2820mm
トレッド=フロント1610×リア1650mm
車重=1820kg
エンジン=2142cc直4DOHC16Vディーゼルターボ(軽油仕様)
最高出力=154kW(210ps)/3500rpm
最大トルク=470Nm(47.9kgm)/1750rpm
WLTCモード燃費=16.0㎞/リッター(燃料タンク容量64リッター)
(市街地/郊外/高速道路=12.1/16.4/18.3㎞/リッター)
サスペンション=フロント:ダブルウィッシュボーン/リア:マルチリンク
ブレーキ=前後ベンチレーテッドディスク
タイヤ&ホイール=235/55R19+アルミ
駆動方式=4WD
乗車定員=5名
最小回転半径=6.0m
●主な燃費改善対策:アイドリングストップ/電動パワーステアリング/筒内直接噴射/コモンレール高圧噴射
●主要装備:フォワードコリジョンワーニング/レーンデパーチャーワーニング/ブラインドスポットモニター/リアクロスパスディテクション/ヒルディセントコントロール/インテグレーテッドブレーキシステム/カーボンプロペラシャフト/電子制御4WDシステム/バイキセノンヘッドライト/フロントフォグランプ/ブラックルーフレール/スポーツブレーキ(レッドキャリパー)/ブラックウィンドウモールディング/ツインエキゾーストパイプ/フロントストラットタワーバー/19インチ5ホールアルミ/スポーツレザーシート/前席電動調節機構/アルミニウムインテリアパネル&ペダル&キックプレート/本革巻きスポーツステアリング/ステアリングヒーター/パドルシフト/アダプティブクルーズコントロール/スポーツタイプメーターパネル/7㌅フルカラーTFTマルチディスプレイ/ALFA・DNAドライブモードシステム/デュアルゾーン・フルオートAC/8.8インチConnectシステム/ハーマンカードン・プレミアムオーディオ(14スピーカー)/リアパーキングカメラ/パワーテールゲート
●ボディカラー:アルファレッド
※価格はすべて消費税込み リサイクル費用は1万8530円