【最新モデル試乗】メルセデスのフラッグシップSUVが刷新。高価でもお買い得と感じるスーパーな実力とは!?

メルセデス・ベンツGLS400d・4マチック GLSは3リッターディーゼル(330㎰)の400dと4リッターガソリン(489ps)の580の2グレード構成 プラットフォームはGLE用をベースにリファイン
メルセデス・ベンツGLS400d・4マチック GLSは3リッターディーゼル(330㎰)の400dと4リッターガソリン(489ps)の580の2グレード構成 プラットフォームはGLE用をベースにリファイン

メルセデス・ベンツGLS400d・4マチック 価格:9SATC 1263万円 試乗記

第一印象は「巨大なクルマ」でも取り回し性は意外に良好

 メルセデス・ベンツSUVのトップレンジ、新型GLSのデリバリーがスタートした。GLSは、全長×全幅×全高5220×2030×1825mm(AMGライン装着車)のビッグな3列シートモデル。BMW・X7やアウディQ7のライバルになる。

 GLSは、実質的にはGLEクラスのストレッチ版。ホイールベースをGLE比140mm延長し室内の居住性を高めたモデルといえる。スタイリングもボディ前半はGLEとほぼ共通。一段と伸びやかなルーフ&ウィンドウグラフィック、独自形状のフロントマスクが堂々とした印象を強調する。
 ラインアップは3リッター直6ディーゼルターボ(330ps)を搭載した400d・4マチックと、4リッター・V8ツインターボ(489ps)を積む580・4マチック・スポーツの2グレード。試乗車は販売主力の400dである。

 第一印象は「巨大なクルマ」。取り回しに苦労しそうだと思った。だがサイドステップに足を掛け、ドライバーズシートに収まると安心感が生まれた。インパネは見慣れた最新メルセデス・デザイン。
 視界が素晴らしくいい。高めのポジションからの眺めは超ワイド。ボンネットが適度に見え、車幅感覚は把握しやすい。最小回転半径は5.8m。サイズを考えると小回りが利く。大型ボディだが、日本の道路環境でも持て余す心配はなかった。前後カメラやソナーなどドライバーサポートアイテムが充実していた。

全長×全幅×全高5220×2030×1825mm(AMGライン装着車) 車重2540kg
全長×全幅×全高5220×2030×1825mm(AMGライン装着車) 車重2540kg

感動の直6ディーゼル! パフォーマンスは豪快無比

 素晴らしい、と感激したのはパワーユニットだ。400dが搭載する3リッターディーゼルは、330ps/3600~4200rpm、700Nm/1200~3200rpmのハイスペック。最大トルクはガソリン仕様の580と同値。わずか1200rpmからピークトルクを発揮する。

 パフォーマンスは豪快無比。2.5㌧を優に超える車重を感じさせず、瞬く間にスピードを高める。エンジン音がまたいい。ディーセル特有の騒音を感じさせないばかりか、エンジン回転の上昇に応じて心地いいサウンドを奏でる。
 9速ATとのコンビネーションは抜群だ。ジェントルにもパワフルにも、ドライバーの意思どおりに走らせる極上の直6ディーゼルはG350d(286ps/600Nm)でも感激したが、いっそうパワフルなGLSのほうがさらに洗練されていた。

 燃費は優秀。約250kmほどの試乗ではカタログ値の10.9km/リッター(WLTCモード)を大幅に上回る12.6km/リッターをマークした。
 GLSは、広く豪華な室内空間と、快適な乗り味を持ったスーパーSUV。「S」を名乗るだけに完成度は圧倒的なレベルにある。

インパネは12.3インチ液晶メーター&ディスプレイのツインモニター仕様 最適な空調/照明/パフューム/シート機能を提供するエナジャイジングPKG標準
インパネは12.3インチ液晶メーター&ディスプレイのツインモニター仕様 最適な空調/照明/パフューム/シート機能を提供するエナジャイジングPKG標準
キャビンは広々設計 シートはフル電動の本革仕様 1~2列目が特等席 3列目の足元空間はややタイト 乗車定員は7名 乗り心地はエアサス独特のゆったりとした感触
キャビンは広々設計 シートはフル電動の本革仕様 1~2列目が特等席 3列目の足元空間はややタイト 乗車定員は7名 乗り心地はエアサス独特のゆったりとした感触
荷室は3列目シート使用時355リッター 2/3列目をたたむと最大2400リッターに拡大 2/3列目格納はフル電動式 荷室に集中スイッチ配置
荷室は3列目シート使用時355リッター 2/3列目をたたむと最大2400リッターに拡大 2/3列目格納はフル電動式 荷室に集中スイッチ配置
AMGラインは21インチタイヤ&アルミ 足回りは4輪エアサス+電子制御ダンパー標準
AMGラインは21インチタイヤ&アルミ 足回りは4輪エアサス+電子制御ダンパー標準
サイドステップは夜間照明付き 乗降時の利便性を高める
サイドステップは夜間照明付き 乗降時の利便性を高める
2924cc直6DOHC24Vディーゼルターボ 330ps/3600~4200rpm 700Nm/1200~3200rpm 全域トルクフル WLTCモード燃費:10.9km/リッター
2924cc直6DOHC24Vディーゼルターボ 330ps/3600~4200rpm 700Nm/1200~3200rpm 全域トルクフル WLTCモード燃費:10.9km/リッター
メーターは多彩なデザインが選べる ヘッドアップディスプレイ装備
メーターは多彩なデザインが選べる ヘッドアップディスプレイ装備
コンソール部にオフロード用走行選択スイッチを集約
コンソール部にオフロード用走行選択スイッチを集約
カメラは前後に配置 車両周囲360度の状況が分かる
カメラは前後に配置 車両周囲360度の状況が分かる
シート調節スイッチは前後ドアに配置 各部の作りは上質
シート調節スイッチは前後ドアに配置 各部の作りは上質

メルセデス・ベンツGLS400d・4マチック 主要諸元と主要装備の主要諸元と主要装備

グレード=400d・4マチック
価格=9SATC 1263万円
全長×全幅×全高=5210×1955×1825mm
ホイールベース=3135mm
トレッド=フロント1670×リア1690mm
最低地上高=200mm
車重=2540kg
エンジン=2924cc直6DOHC24Vディーゼルターボ(軽油仕様)
最高出力=243kW(330ps)/3600~4200rpm
最大トルク=700Nm(71.4kgm)/1200~3200rpm
WLTCモード燃費=10.9㎞/リッター(燃料タンク容量90リッター)
(市街地/郊外/高速道路=8.0/10.5/13.3㎞/リッター)
サスペンション=前後エアマチック
ブレーキ=前後ベンチレーテッドディスク
タイヤ&ホイール=275/50R20+アルミ
駆動方式=4WD
乗車定員=7名
最小回転半径=5.8m
●主な燃費改善対策:アイドリングストップ/電動パワーステアリング/筒内直接噴射/コモンレール高圧噴射/電子制御燃料噴射/ターボチャージャー/水冷式インタークーラー
●主要装備:レーダーセーフティパッケージ(アクティブディスタンスアシスト+ディストロニック+アクティブブレーキアシスト+PRE-SAFE+PRE SAFEプラス+PRE SAFEサウンド+緊急回避補助システム+渋滞時緊急ブレーキ機構+アクティブレーンキーピングアシスト+アクティブブラインドスポットアシスト+アクティブステアリングアシスト+アクティブレーンチェンジアシスト+アクティブエマージェンシーストップアシスト+トラフィックサインアシスト)/360度カメラシステム/パークトロニック/アクティブパーキングアシスト/DSR(ダウンヒルスピードレギュレーション)/AIRマチックサスペンション/ダイナミックセレクト/イルミネーテッドランニングボード/パノラミックスライディングルーフ/本革シート/ステアリングヒーター/自動開閉リアゲート/ドアクロージングサポーター/エアバランスパッケージ/ヘッドアップディスプレイ/5ゾーンクライメートコントロール/パドルシフト/12.3インチワイドディスプレイMBUXシステム/ETC2.0車載器/メルセデスmeコネクト/ワイヤレスチャージング
●装着メーカーop:AMGライン(AMGスタイリングパッケージ+21インチアルミ+ロゴ入りブレーキキャリパー&ドリルドベンチレーテッドディスク/本革&ウッドステアリング/アンスラサイトオークウッドインテリアトリム+ステンレス製ペダル+前席リラクゼーション&マルチコントロールシートバック+シートヒータープラス)50万5000円/オフロードエンジニアリングパッケージ(ダイナミックセレクトオフロード+モード+ローレンジギアボックス+強化アンダーフロアパネル)22万2000円
●ボディカラー:ダイヤモンドホワイトメタリック(op11万9000円)
※デビュー:2020年3月 価格はすべて消費税込み リサイクル費用は2万1950円 AMGライン装着車の全長×全幅は5220×2030㎜

撮影協力●マースガーデンウッド御殿場

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