英国マクラーレン・オートモーティブは6月18日(現地時間)、マクラーレンのル・マン24時間レースの初優勝から25周年を迎えたことを記念した特別仕様車「720S Le Mans」を発表した。販売台数は世界限定50台の設定だ。
いまから25年前の1995年6月18日、ル・マン24時間耐久レースにおいてJJ・レート/ヤニック・ダルマス/関谷正徳選手組の「マクラーレンF1 GTR」59号車が総合優勝を成し遂げる。また、ほかにも3台のマクラーレンF1 GTRがトップ5内でフィニッシュ。これにより、マクラーレンはル・マン24時間レース、F1世界選手権、インディアナポリス500の3冠ウイナーとして、モータースポーツの歴史にその名を刻むこととなった。
今回披露された「720S Le Mans」は、このル・マン初制覇の偉業から25周年を迎えたことを記念して生み出されたスペシャルモデルである。ベース車両はマクラーレンのSUPERシリーズに位置する720Sクーペ。同車は基本骨格にカーボンファイバー製“モノセル”モノコックを採用し、ミッドシップにM840T型3994cc・V型8気筒DOHCツインターボエンジン(720ps/770N・m)を搭載した、至極のスポーツカーである。このモデルを基本に、マクラーレンのエンジニアがル・マン制覇にちなんだ特別な内外装アレンジを随所に施した。
まずエクステリアでは、外装色にマクラーレン・オレンジとサルテ・グレーの2タイプを用意。そして、ロワーボディサイドやリアバンパー、フロントバンパー下部は当時のスポンサーの上野クリニックのカラーリングを模した“ウエノ・グレー”でペイントし、合わせてロワーボディのサイドパネルに「McLaren 25 Anniversary Le Mans」のロゴを配する。また、グロスブラックのルーフスクープやポリカーボネート製のリアウインドウ、カーボンファイバー製のフロントフェンダー・ルーバーを組み込み、さらにF1 GTR59号車を反映した5スポークLMホイールにゴールドカラーのブレーキキャリパー、グロスブラック仕上げのボディコンポーネントなどを特別装備した。
内包するインテリアは、ダヴ・グレーまたはマクラーレン・オレンジをアクセントカラーに据えるビスポークのブラック・アルカンターラ内装を採用。また、カーボンファイバー製レーシングシートと12時の位置にアクセントカラーと同色のマーキングを施したステアリングホイールを装着する。さらに、「McLaren 25 Anniversary Le Mans」のロゴを配したヘッドレストやフロアマット、記念プレートなども特別装備した。
通常モデルの720Sと同様、MSO(マクラーレン・スペシャル・オペレーション)ビスポーク仕様やオプションの追加も可能。ディフューザーやアッパーエクステリアドア、リアエアロブリッジ、ルーフスクープ、リアデッキなどをグロスフィニッシュ・ビジュアル・カーボンファイバー仕様に変更できるほか、MSOディファインドのチタン製ハーネスバーおよび6ポイントハーネスシートベルトなどサーキット走行向けのパーツも選べる仕組みとした。
なお、720S Le Mansの車体認識番号(VIN)は全車“298”から始まる。これは、最も近いライバルを1周ほど引き離して優勝した、F1 GTR59号車の総周回数にちなんだものだ。