【新型ハリアーのライバル】スペース優先設計の国際派、ホンダCR-Vの独自路線とは

ホンダCRーV・e:HEV・EXマスターピース(4WD) ハイブリッドはエンジンを主に発電と高速走行用に使用 EV/ハイブリッド/エンジンの3種の走行モードを自動的に選択する
ホンダCRーV・e:HEV・EXマスターピース(4WD) ハイブリッドはエンジンを主に発電と高速走行用に使用 EV/ハイブリッド/エンジンの3種の走行モードを自動的に選択する

ホンダCR-V e:HEV・EXマスターピース(4WD) 価格:447万400円 試乗記

海外マーケットで高い人気獲得。スタイリングは伸びやかで大柄

 CR-VはクロスオーバーSUVのパイオニアの1台。モデルチェンジを重ねるごとに販売の軸足はアメリカを中心とした海外マーケットに移し、それに伴うボディサイズ拡大もあって、一時は日本販売を休止していた。現行5thモデルは、アメリカから2年近く遅れた2018年のタイミングで「日本復活」となった。その要因のひとつは、ヒット作となったヴェゼルでは「ちょっと小さい」という声が少なからずあったからという。

 CR-Vのボディサイズは全長×全幅×全高4605×1855×1690mm。ホイールベースは2660mm。ラインアップには3列シート仕様まで用意するものの、全長とホイールベースはハリアー(4740/2690mm)が上回る。それにもかかわらず、視覚的にはCR-Vのほうが大きく見える。全高がハリアー比で20~30mmほど高いことに加え、デザインの狙いが「キャビン空間のゆとりを連想させるもの」だからだろう。

 CR-Vのルーフラインは水平に近く、後部の平面絞りも少ない。スタイリング重視のハリアーとは、造形アプローチがまるで異なる。スペック上では拮抗するデータが並ぶ2台だが、いざ購入という段階でユーザーが迷うパターンは少なそうだ。

全長×全幅×全高4605×1855×1690mm ハイブリッドのe:HEVは2列シート仕様 CRーVはアメリカがメイン市場の国際車
全長×全幅×全高4605×1855×1690mm ハイブリッドのe:HEVは2列シート仕様 CRーVはアメリカがメイン市場の国際車

ゆとりの走行フィール。日常の道具として使い切ってこそ魅力が光る

 個性が明快なのはパワーユニットでも同様。ともに2モーター式のハイブリッドを設定する一方、2リッターの自然吸気エンジンを用意するハリアーに対して、CR-Vのエンジン車は1.5リッターターボを搭載する。190ps/240Nmのハイスペックを誇る1.5リッターターボのパフォーマンスは信頼感たっぷりだ。自然吸気2リッターオーバーと同等のゆとりを感じる。

 e:HEVを名乗るハイブリッドの走りも優秀。ハリアーよりもはるかに強力なモーターを搭載するメリットで、日常シーンでは「EV感」がより強い。自動的に行われるエンジンの始動と停止は、ショックもなくスムーズそのもの。ただし負荷が高まってエンジン回転数が上昇すると、ノイズのボリュームは「それなり」になる。

 ストローク感が豊かでしなやかに動くサスペンションが生み出す乗り味は上質。これはCR-Vの大きな特徴だ。一方、そもそもアメリカを中心とした市場で「ポピュラーカー」を狙って開発されただけに、インテリア各部の質感やデザインにはハリアーほどのこだわりは感じられない。
 プレミアム指向のデザイン性を貫いたハリアーに対し、フレンドリーさを大切にしたのがCR-V。広くて快適で装備が充実。日常の道具として、使いきってこそ価値あるSUVだ。

インパネ形状はワイドなイメージ 7インチディスプレイ・ホンダインターナビ標準 ダブルピニオン式ステアリングはしっかりとした操舵感
インパネ形状はワイドなイメージ 7インチディスプレイ・ホンダインターナビ標準 ダブルピニオン式ステアリングはしっかりとした操舵感
室内長1970mm 本革シート標準 前席は電動調節機構付き カラーは写真のブラウンと黒を用意 室内は広く乗り心地は快適
室内長1970mm 本革シート標準 前席は電動調節機構付き カラーは写真のブラウンと黒を用意 室内は広く乗り心地は快適
EXマスターピースは大型サイズの電動パノラマサンルーフ標準
EXマスターピースは大型サイズの電動パノラマサンルーフ標準
荷室容量は後席使用時499リッター 後席は荷室側のボタン操作でフラットに
荷室容量は後席使用時499リッター 後席は荷室側のボタン操作でフラットに
リアゲートはバンパー下への足の出し入れで開閉するハンズフリー電動式 開口部は大型
リアゲートはバンパー下への足の出し入れで開閉するハンズフリー電動式 開口部は大型
インラインLEDヘッドライト アクティブコーナリング灯標準
インラインLEDヘッドライト アクティブコーナリング灯標準
235/60R18タイヤ+アルミ装着 最低地上高200mm 最小回転半径5.5m
235/60R18タイヤ+アルミ装着 最低地上高200mm 最小回転半径5.5m
1993cc直4DOHC16V(145ps)+2モーター(184ps) WLTCモード燃費:20.2km/リッター ガソリン車は1.5リッター直4ターボ(190ps)搭載
1993cc直4DOHC16V(145ps)+2モーター(184ps) WLTCモード燃費:20.2km/リッター ガソリン車は1.5リッター直4ターボ(190ps)搭載
セレクターはボタンタイプ 回生ブレーキの強度が選べるパドル装備 駐車ブレーキは電気式
セレクターはボタンタイプ 回生ブレーキの強度が選べるパドル装備 駐車ブレーキは電気式
メーターはシンプル デジタル速度計とバー表示パワーモニターの組み合わせ
メーターはシンプル デジタル速度計とバー表示パワーモニターの組み合わせ
渋滞追従機構付きアダプティブクルーズコントロール 制御は自然
渋滞追従機構付きアダプティブクルーズコントロール 制御は自然
リアワイドカメラ標準 ナビはアップルカープレイ対応 DVDが再生できる
リアワイドカメラ標準 ナビはアップルカープレイ対応 DVDが再生できる

ホンダCR-V e:HEV・EXマスターピース(4WD) 主要諸元と主要装備の主要諸元と主要装備

グレード=e:HEV・EXマスターピース(4WD)
価格=447万400円
全長×全幅×全高=4605×1855×1690mm
ホイールベース=2660mm
トレッド=フロント1600×リア1615mm
最低地上高=200mm
車重=1700kg
エンジン=1993cc直4DOHC16V(レギュラー仕様)
最高出力=107kW(145ps)/6200rpm
最大トルク=175Nm(17.8kgm)/4000rpm
モーター最高出力=135kW(184ps)/5000~6000rpm
モーター最大トルク=315Nm(32.1kgm)/0~2000rpm
WLTCモード燃費=20.2km/リッター(燃料タンク容量57リッター)
(市街地/郊外/高速道路=19.1/21.6/19.8km/リッター)
サスペンション=フロント:ストラット/リア:マルチリンク
ブレーキ=フロント:ベンチレーテッドディスク/リア:ディスク
タイヤ&ホイール=235/60R18+アルミ
駆動方式=4WD
乗車定員=5名
最小回転半径=5.5m
●主な燃費改善対策:ハイブリッドシステム/アトキンソンサイクル/アイドリングストップ/可変バルブタイミング/電動パワーステアリング
●主要装備:ホンダセンシング(プリクラッシュブレーキ+誤発進抑制機能+歩行者事故低減ステアリング+路外逸脱抑制機能+渋滞追従機能付きアダプティブクルーズコントロール+車線維持支援システム+先行車発進お知らせ機能+標識認識機能+オートハイビーム)/ブラインドスポットインフォメーション/ドライバー注意力モニター/アジャイルハンドリングアシスト/LEDヘッドランプ/LEDアクティブコーナリングライト/LEDフォグランプ/ヒルスタートアシスト/電子制御パーキングブレーキ/オートブレーキホールド機構/アクティブサウンドコントロール/スポーツモードスイッチ/EVスイッチ/エレクトリックギアセレクター/電動サーボブレーキシステム/減速セレクター/インターナビ/リンクアップフリー/ETC2.0車載器/8スピーカー/マルチインフォメーションディスプレイ/スマートキーシステム/左右独立温度調節式オートAC/チルト&テレスコピックステアリング/本革巻きステアリング/運転席8ウエイ&助手席4ウエイパワーシート/前席シートヒーター/本革シート/荷室タイダウンフック/カラードテールゲートスポイラー/シャークフィンアンテナ/フロアアンダーカバー/蓄冷エバポレーター/電動パノラミックサンルーフ/ルーフレール
●ボディカラー:ミッドナイトブルービームメタリック(op4万4000円)
※価格はすべて消費税込み リサイクル費用は1万1450円

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