SUBARUフォレスター・アドバンス 価格:7CVT 315万7000円 試乗記
フォレスターが、現行インプレッサから導入を始めた新世代のプラットフォーム「SGP」を採用して5thモデルに生まれ変わったのは、2018年6月。ボディサイズは全長×全幅×全高4625×1815×1715mm。旧型比でわずかに大型化したが、全長と全幅はハリアーに比べてひと回りコンパクト。その一方で正統派SUVらしく、全高は明確に高いという関係になる。2670mmのホイールベースは、ハリアー比で20mm短い。
スタイリングは、よくいえばワイルド、言い方を変えれば無骨だ。都会派のハリアーとはキャラクターがはっきりと異なる。現行フォレスターの特徴は、歴代モデルの中でもクロスカントリーテイストが強い点だ。大自然が似合う。
フォレスターがオフロード性能を強く意識していることは、メカニズム面でも明白。急坂での安定性を高めるヒルディセントコントロールとともに、4輪の駆動力を路面に応じて適正にコントロールするXモードを標準装備する。駆動方式は全車4WD。最低地上高は220mmとたっぷりと確保した。
その一方で、オンロード性能をおろそかにしているわけではない。しなやかなフットワークとステアリングの正確性は、特筆レベルにある。
最新のボディ骨格に低重心の水平対向エンジンを搭載し、フルタイム4WDシステムを組み合わせた高い実力は、ライバル車を明確に凌ぐ。
フォレスターには2.5リッター直噴エンジン(184ps)+CVTと、「eボクサー」と称する2リッター直噴エンジン(145ps)+モーター(13.6ps)+CVTのハイブリッドが設定されている。2種のうちでお勧めは、オールラウンド性に優れた2.5リッターだ。
ハイブリッドのeボクサーは、搭載スペースの関係からモーター出力が低く抑えられている。標準車比100kg超という大きな重量ハンデを背負う一方で、パワーの上乗せ感や燃費の向上効果は限定的。発進時のモーター走行、加速時のモーターアシストなどの効果は確認できるが、メリットはさほどでもない。パワーフィールの自然さという点では、2.5リッター仕様にアドバンテージがある。
フォレスターのeボクサーは、よくも悪くもマイルドハイブリッドという表現が適当だ。
ハリアーのハイブリッド・システムとの実力差は大きいが、クルマ自体の完成度が高いだけに、パワーユニットはユーザーの好みしだい。ときにはオフロードに踏み込むというアクティブ派にぴったりのSUVである。
グレード=アドバンス
価格=7CVT 315万7000円
全長×全幅×全高=4625×1815×1715mm
ホイールベース=2670mm
トレッド=フロント1565×リア1570mm
最低地上高=220mm
車重=1640kg
エンジン=1995cc水平対向4DOHC16V(レギュラー仕様)
最高出力=107kW(145ps)/6000rpm
最大トルク=188Nm(19.2kgm)/4000rpm
モーター最高出力=10kW(13.6ps)
モーター最大トルク=65Nm(6.6kgm)
WLTCモード燃費=14.0km/リッター(燃料タンク容量48リッター)
(市街地/郊外/高速道路=11.2/14.2/16.0km/リッター)
サスペンション=フロント:ストラット/リア:ダブルウィッシュボーン
ブレーキ=前後ベンチレーテッドディスク
タイヤ&ホイール=225/55R18+アルミ
駆動方式=4WD
乗車定員=5名
最小回転半径=5.4m
●主な燃費改善対策:アイドリングストップ/可変バルブタイミング/電動パワーステアリング/充電制御/自動無段変速機/ロックアップ機能付きトルクコンバーター
●主要装備:アイサイトVer.3(プリクラッシュブレーキ+アクティブレーンキープ+AT誤発進&後進抑制制御+車線逸脱警報+ふらつき警報+全車速追従機能付きクルーズコントロール+先行車発進お知らせ機能)/アイサイトセイフティプラス(後側方警戒支援システム+アダプティブドライビングビーム)/ドライバーモニタリングシステム/サイドビューモニター/アクティブトルクベクタリング/7エアバッグ/Xモード/アクティブトルクスプリットAWD/SIドライブ(走行モード切替機構)/LEDヘッドランプ/前後フォグランプ/オートライト&ワイパー/マルチファンクションディスプレイ/パドルシフト/本革巻きステアリング/USB電源/前席電動調節シート/前後席シートヒーター/運転席シート自動後退機能/歩行者保護エアバッグ/オートAC
●装着メーカーop:アイサイトセイフティプラス(視界拡張)+パワーリアゲート+大型サンルーフ+ルーフレール+本革シート
●ボディカラー:セピアブロンズメタリック
※価格はすべて消費税込み リサイクル費用は1万910円