ホンダ・ヴェゼル・ハイブリッドRSホンダセンシング 価格:7SMT 286万2037円 試乗記
マルチユースのコンパクトSUVとしてキックスとヴェゼルはオーバーラップする部分が多い。ヴェゼルは、2013年デビューのロングライフモデル。そう遠くない時期にフルモデルチェンジも予定されている。そういう意味では最新のキックスと比べるのは、ちょっと酷な部分もある。とはいえ、好調なセールスを続けており商品力は健在だ。比較する価値は大いにある。
エクステリアの全体的なフォルムはかなり似ている。とくにリアピラーの角度などは並べて見るとそっくりだ。デザイン性と実用性をバランスさせると、おのずと似てくるのだろうか?
デザイン自体を見ると、ヴェゼルは都会に溶け込むスタイリッシュ感覚を重視。キックスはエクストレイルの弟分という位置付けにふさわしく、アウトドアでも映えるカジュアルテイストを大切にしている。
インテリアは、機能的で実用指向のキックスに対して、ヴェゼルはコクピット感覚を重視したスタイリッシュなデザイン。質感も高い。後席/ラゲッジスペースは、センタータンクレイアウト採用したヴェゼルが優勢──と思いきや、キックスも同等のスペースを備えている。この点は甲乙つけがたい。
パワートレーンはeパワーだけのキックスに対して、ヴェゼルはガソリンが2種類(1.5リッター・NA/1.5リッターターボ)と、ハイブリッドをラインアップ。ハイブリッドは1.5リッターNAとDCT内蔵1モーターで構成するスポーツハイブリッドi-DCDである。
同じ電動化パワートレーンでありながら、エンジンを発電用に使ってモーターで走るキックスに対して、ヴェゼルはエンジンがメインでモーターはアシストを行うのみ。スポーツハイブリッドというだけあって、小気味よいフィーリングが魅力だ。なお、次期型ヴェゼルは、eパワーと同じ概念のe:HEVになる方針が決定している。
プラットフォームはキックスがVプラットフォーム、ヴェゼルはフィット譲りの定評あるタイプを採用。どちらも車両キャラクターに合わせたアップデートバージョンだ。キックスは欧州専売のマイクラに近く高速走行を重視したスペック、ヴェゼルはワンクラス上の8/9th欧州シビック用に近い。ヴェゼルはデビュー当初は快適性に課題があったが、現在は質の高い乗り味に改良されている。RSやツーリング、そしてひと手間かけたコンプリートモデル、モデューロXなどフットワークの味付けも複数用意されている。
対して1スペックのキックスはどのような乗り味か。こちらにも期待が高まる。
グレード=ハイブリッドRSホンダセンシング
価格=7SMT 286万2037円
全長×全幅×全高=4340×1790×1605mm
ホイールベース=2610mm
トレッド=フロント1535×リア1540mm
最低地上高=185mm
車重=1310kg
エンジン=1496cc直4DOHC16V(レギュラー仕様)
最高出力_=97kW(132ps)/6600rpm
最大トルク=156Nm(15.9kgm)/4600rpm
モーター最高出力=22kW(29.5ps)/1313~2000rpm
モーター最大トルク=160Nm(16.3kgm)/0~1313rpm
JC08モード燃費=25.6km/リッター(燃料タンク容量40リッター)
サスペンション=フロント:ストラット/リア:車軸式
ブレーキ=フロント:ベンチレーテッドディスク/リア:ディスク
タイヤ&ホイール=225/50R18+アルミ
駆動方式=FF
乗車定員=5名
最小回転半径=5.5m
●主な燃費改善対策:ハイブリッド/直噴エンジン/アイドリングストップ/可変バルブタイミング/電動パワーステアリング
●主要装備:ホンダセンシング(プリクラッシュブレーキ+誤発進抑制機能+歩行者事故低減ステアリング+アダプティブクルーズコントロールなど)/パフォーマンスダンパー/パフォーマンスロッド/VGR(可変ステアリングギアレシオ)/EBD付きABS/LEDヘッドランプ/Ⓕフォグランプ/テールゲートスポイラー/クリスタルブラックボディロアガーニッシュ/フラットアンダーカバー/エコアシスト/ETC車載器/マルチインフォメーションディスプレイ/スポーツモードスイッチ/オートAC/ホンダスマートキーシステム/本革巻きステアリング/コンビシート&専用インテリア/チルト&テレスコピックステアリング/パドルシフト/車両接近警報/コンフォートビューパッケージ
●装着メーカーop:Hondaインターナビ+運転席8ウェイ&助手席4ウェイパワーシート +ルーフレール30万8000円
●ボディカラー:プレミアムクリスタルレッド(op6万500円)
※価格はすべて消費税込み リサイクル費用は1万1340円