驚くべきコスパ！？ 299万2000円から購入できるマツダ期待の高級SUV、CX-60の気になる商品性

マツダCX-60　価格：299万2000〜626万4500円　新車ニュース

CX-60は３種のキャラクターを設定。憧れのFR＋直６が身近な存在に

　2022年9月の発売を前にCX-60の日本仕様の予約受注がスタートした。内容をご紹介しよう。
　ラインアップは、プレミアム（Premium）／ギャラント（Gallant＝勇敢な）／アクティブ（Active）という3種の世界観に基づき、合計16のグレードを設定。このうちモダンとスポーツが選べるプレミアム系は、欧州車などをライバルとする高級車セグメントへの挑戦。エクスクルーシブモードとLパッケージのギャラント系は、他のマツダ車と同様の上級仕様。SパッケージとXDで構成するアクティブ系は、CX-60の世界を身近にする実用モデルというキャラクターである。

　それぞれの世界観に合わせて最適なパワートレーンを設定しており、プレミアム系は、3.3リッター直6ディーゼルターボ（254ps）＋モーター（16.3ps）の48Vマイルドハイブリッドと、2.5リッター直4DOHC16V＋モーターのPHEVという2種の電動化ユニット。ギャラントとアクティブ系には、3.3リッター直6DOHC24Vディーゼルターボ（231ps）と2.5リッター直4DOHC16V（188ps）を搭載する。駆動方式はプレミアム系が4WD。ギャラントとアクティブ系はFRと4WD。トランスミッションは、全車がトルクコンバーターの代わりにクラッチを配したマツダ自社製の8速ATを組み込む。

　価格帯は、299万2000円から626万4500円。車両骨格など、クルマの基本は共通ながら実に倍以上の開きがある。実車を見て率直に感じたのは、お買い得感。上級モデルは華麗なイメージ。もっと高価でもおかしくない印象だし、エントリーモデルも装備は充実している。安普請なのかと思っていたらそうではなかった。CX-60は、どのモデルを選んでもコストパフォーマンスに優れているイメージである。

マツダのこだわりを満載。「走る歓び」を徹底追求!

　開発キーワードは「ドライビングエンターテインメントSUV」。運転すればするほど元気になり、行動範囲を広げ、家族や仲間との新しい愉しさを味わわせてくれるクルマを目指したという。プレゼンテーションでは「走る歓び」という表現が何度も出てきた。プロトタイプをテストコースで試乗した感触は上々。マツダの走りに対するノウハウとこだわりが随所に見受けられ、味わい深いクルマに仕上がっていた。これほど公道試乗が待ち遠しいクルマは珍しい。

　CX-60は、マツダがこれまで本格的にチャレンジしたことのない、「プレミアム」という領域に踏み込んだクルマでもある。そのための完全バランスの直列6気筒エンジンであり、縦置きの後輪駆動（FR）ベースのアーキテクチャを持っている。ＦＲはハイパワー化してもトラクション面で有利であり、電動化についても発展性がある。そのうえマツダには、ロードスターで培ってきた膨大なFRノウハウがある。そのあたりを総合判断しての今回のFR戦略なのだ。
　燃費もハイレベル。PHEVのデータはまだ未公表（通常の使用はほぼEVという）だが、3.3リッターディーゼルは通常仕様でも18.5〜19.8km／リッター、マイルドHV仕様は21.1km／リッターに達する。

内外装の作り込みは入念。欧州車を上回る完成度が魅力

　内外装の作り込みにも、かつてないほど力を入れている。ロングノーズ＆ショートデッキによる力強いフォルムはFRだからこそ実現したもの。ボディサイズは全長×全幅×全高4740×1890×1685mm。やや大柄だが、日本でも持て余す心配は少ないだろう。最小回転半径は5.4m。ステアリングはよく切れる。

　驚いたのがインテリアだ。これほど凝っていたとは思いもよらなかった。中でも西陣織から着想を得たというプレミアムモダンの新感覚表現や、精悍かつ高級感あふれるプレミアムスポーツのタン内装は逸品。その他のバリエーションもそれぞれ個性を発揮していて選ぶ価値のあるものばかりだ。

　装備も充実している。ドライバー異常時対応システムは大半のグレードに標準で付く。さらに、ドライバー・パーソナライゼーションシステムという新アイテムが用意される。これは入力したドライバーの身長とカメラが検出した“目の位置情報”から推定される最適なドライビングポジションをガイドする仕組み。街を走る半数ほどのドライバーが、実は適切な着座位置でないといわれる。この新機構は大いに役立つに違いない、注目の装備である。視界についても工夫を盛り込み、360度ビューモニターには新たにシースルービューを加えた。

　オーディオにもこだわっている。リーズナブルなグレードに装備される「マツダ・ハーモニックアコースティック」を試聴したが、十分すぎるほど質の高いサウンドに感心した。なお、上級のボーズサウンドシステムは、さらに際立つ音を実現しているそうだ。
　CX-60は、すべてがマツダらしさにあふれている。新たな挑戦に期待が高まる。

マツダCX-60 車種ラインアップ一覧

2.5リッター直4ガソリン（188ps)＋8SAT
25S・Sパッケージ（FR）　299万2000円
25S・Sパッケージ（4WD）　321万7500円
25S・Lパッケージ（FR）　341万5500円
25S・Lパッケージ（4WD）　364万1000円
25Sエクスクルーシブモード（FR）　384万4500円
25Sエクスクルーシブモード（4WD）　407万円

3.3リッター直6ディーゼルターボ（231ps）＋8SAT
XD（FR）　323万9500円
XD（４WD）　346万5000円
XD・Sパッケージ（FR）　358万500円
XD・Sパッケージ（4WD）　380万6000円
XD・Lパッケージ（FR）　400万4000円
XD・Lパッケージ（4WD）　422万9500円
XDエクスクルーシブモード（FR）　443万3000円
XDエクスクルーシブモード（4WD）　465万8500円

3.3リッター直6ディーゼルターボ（254ps）＋モーター（16.3ps）＋8SAT
XDハイブリッド・エクスクルーシブスポーツ（4WD）　505万4500円
XDハイブリッド・エクスクルーシブモダン（4WD）　505万4500円）
XDハイブリッド・プレミアムスポーツ（4WD）　547万2500円
XDハイブリッド・プレミアムモダン（4WD）　547万2500円

2.5リッター直4ガソリン＋モーター＋8SAT
PHEV・Sパッケージ（4WD）　539万円
PHEVエクスクルーシブスポーツ（4WD）　584万6500円
PHEVエクスクルーシブモダン（4WD）　584万6500円
PHEVプレミアムスポーツ（4WD）　626万4500円
PHEVプレミアムモダン（4WD）　626万4500円
※価格はすべて消費税込み