【最新モデル試乗】乗るほどに愛着が湧く存在。最新のVWポロが愛される秘密

VWポロTSI・Rライン 価格:7DCT 329万9000円 ポロは各部の改良で商品力がアップ ラインアップは4グレード構成 全車改良版の1リッター直3ターボ搭載
VWポロTSI・Rライン 価格:7DCT 329万9000円 ポロは各部の改良で商品力がアップ ラインアップは4グレード構成 全車改良版の1リッター直3ターボ搭載

VWポロ 価格:257万2000〜329万9000円 試乗記

VWの基幹車種が各部をアップデート

VWポロ Good Point

1:各部のリファインで質感と走りが向上
2:VW最新の安全・運転支援システム導入

 ポロは、兄貴分のゴルフやパサートと同様に、「VWの基幹モデル」という表現がふさわしい。派生モデルを含めたグローバルでの累計生産台数は2050万台以上。日本国内での累計販売も、およそ30万台に達する。紛れもなくのブランドを代表するモデルの1台である。人気の秘密は高い完成度だろう。華やかな印象は希薄だが、VWらしい質実剛健さが存分に味わえる。乗るほどに愛着が増す存在だ。
 試乗車は一部フェイスリフトに加え、搭載エンジン見直しやADAS機能のアップデートを実施した現行6thモデルのマイナーチェンジ版だ。

 最新型は、全般的にハンサムに変身した。前後パンパーが新デザインになり、ヘッドライトとフロントグリル下端のLEDストリップが連続。新たな光のシグネチャーが表現されるようになった。リアビューは新デザインのテールランプが特徴。ポロとして初めてダイナミック・ターンインジケーターが設定されたのもニュースだ。

 7速DCTとの組み合わせで搭載するパワーユニットは、EA211型evoと呼ばれる1リッターターボ付きの直噴3気筒ガソリン(95ps/175Nm)。ゴルフ8にも搭載されているが、ポロはゴルフ用から、マイルドハイブリッドシステムを取り外した仕様と理解するとわかりやすい。

リアランプは新造形 ターンシグナルはポロ初のシーケンシャルタイプ 全長×全幅×全高4085×1750×1450mm
リアランプは新造形 ターンシグナルはポロ初のシーケンシャルタイプ 全長×全幅×全高4085×1750×1450mm
999cc直3DOHC12Vターボ(EA211型evo)搭載 95ps/175Nm ミラーサイクルの燃焼プロセスと可変ジオメトリーターボ(VTG)を採用
999cc直3DOHC12Vターボ(EA211型evo)搭載 95ps/175Nm ミラーサイクルの燃焼プロセスと可変ジオメトリーターボ(VTG)を採用
新型はデイランプとグリル下端のLEDスリットが連続 ハンサムな印象
新型はデイランプとグリル下端のLEDスリットが連続 ハンサムな印象
Rラインは215/45R17タイヤ&アルミと専用スポーツサス標準 乗り心地は硬質なイメージ
Rラインは215/45R17タイヤ&アルミと専用スポーツサス標準 乗り心地は硬質なイメージ

新1リッターターボはパワフル&静粛。走りは力強い

 試乗車は、最上位グレードのTSI・Rライン。前出のパワーパックに違いはないものの、スポーツサスペンションや17㌅タイヤ、電子制御式デファレンシャルロック「XDS」を標準で採用する点が、Rラインの「走り」に関する専用部分。その他、ドライビングモードの切り替え機能や専用ファブリックシート、アルミ調ペダルなどを専用装備している。

 95psの最高出力、175Nmの最大トルクというスペックは従来モデルと共通。新型は、ミラーサイクルの燃焼プロセスとターボチャージャーに可変ジオメトリー機構(VTG)を採用した点が新しい。パフォーマンスは十分。街乗りシーンを中心に不満のない動力性能を提供してくれる。ガソリンエンジン用としては稀有で贅沢なVTG採用も功を奏してか、1500rpm程度をクリアしていればダウンシフトに頼らず速度をリカバーできるし、2000rpm以上では活発さを感じる。3500rpm程度から上では3気筒特有のノイズが認められるが、常用シーンではそんな領域に踏み込む場面はマレ。結果的に静粛性も高い。

 Rラインのフットワークテイストはかなり硬質だった。速度に関わらず揺すられ感が強めで、ファミリーユースがメインのユーザーにはお勧めしない。見栄えの点では確かにアドバンテージを感じるものの、ポロの本質はよりベーシックなグレードにありそうだ。
 実際、標準サスペンションを採用し16インチシューズを履いたスタイルはマイルドな乗り味だった。スタイルでも、ハンドリングの自然な感覚はRラインと遜色なしだ。最新ポロは確かな基本性能が実感できるコンパクトカーである。

インパネはすっきりとした造形 各部の作りは丁寧 最新型は左右独立で温度調節できるタッチ式空調コントロール採用 写真はディスカバープロパッケージ(op15万4000円)装着車
インパネはすっきりとした造形 各部の作りは丁寧 最新型は左右独立で温度調節できるタッチ式空調コントロール採用 写真はディスカバープロパッケージ(op15万4000円)装着車
Rラインのシートはファブリック張りのスポーツ形状 リクライニングはダイヤル式 室内スペースは前後席とも十分 静粛性もハイレベル 快適クルージングが楽しめる
Rラインのシートはファブリック張りのスポーツ形状 リクライニングはダイヤル式 室内スペースは前後席とも十分 静粛性もハイレベル 快適クルージングが楽しめる
メーターは視認性に優れたフル液晶デザイン 表示切り替え機能付き 純正ナビ(ディスカバリープロ)装着車は地図を呼び出すことができる便利な設計
メーターは視認性に優れたフル液晶デザイン 表示切り替え機能付き 純正ナビ(ディスカバリープロ)装着車は地図を呼び出すことができる便利な設計
7速DCTは的確でスムーズな変速が心地いい Rラインはパドルシフト標準装備
7速DCTは的確でスムーズな変速が心地いい Rラインはパドルシフト標準装備
ACCはVW最新のトラベルアシスト標準 同一車線内の全車速制御を実現
ACCはVW最新のトラベルアシスト標準 同一車線内の全車速制御を実現

VWポロ 主要諸元と主要装備の主要諸元と主要装備

グレード=TSI・Rライン
価格=7DCT 329万9000円
全長×全幅×全高=4085×1750×1450mm
ホイールベース=2550mm
トレッド=未公表
車重=1190kg
エンジン(プレミアム仕様)=999cc直3DOHC12Vターボ
最高出力=70 kW(95ps)/5000〜5500rpm
最大トルク=175Nm(17.9kgm)/1600〜3500rpm
WLTCモード燃費=17.1km/リッター(燃料タンク容量40リッター)
(WLTC市街地/郊外/高速道路:12.9/17.5/19.7km/リッター)
サスペンション=フロント:ストラット/リア:トレーリングアーム
ブレーキ=フロント:ベンチレーテッドディスク/リア:ドラム
タイヤ&ホイール=215/45R17+アルミ
駆動方式=FF
乗車定員=5名
最小回転半径=5.1m

主要燃費向上対策:アイドリングストップ/筒内直接噴射/可変バルブタイミング/電動パワーステアリング/DSG
主要装備:アダプティブクルーズコントロール(全車速追従機能付き)/レーンキープアシスト/同一車線全車速運転支援システム(トラベルアシスト)/レーンチェンジアシストシステム/スタティックコーナリングライト/ダイナミックライトアシスト/リアビューカメラ/駐車支援システム/リアトラフィックアラート/プリクラッシュブレーキ/LEDマトリックスヘッドランプ/前後フォグランプ/オールティンテッドガラス/2ゾーンフルオートAC/アレルゲン除去機能付きフレッシュエアフィルター/VW純正インフォテイメントシステム・レディ2ディスカバー/デジタルメータークラスター/ETC2.0対応車載器/モバイルオンラインサービス/Rライン専用本革巻きマルチファンクションステアリング/パドルシフト/専用ファブリックシート/Rライン専用エクステリア/電子制御ディファレンシャルロック(XDS)/専用スポーツサスペンション/ドライビングプロファイリング機能/17インチアルミ
装着メーカーop:ディスカバープロパッケージ(SSDナビゲーション+通信モジュール+コネクティビティ機能ほか)15万4000円
ボディカラー:スモーキーグレーメタリック
※価格はすべて消費税込み
撮影協力/小田急・箱根レイクホテル

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