マツダRX-7 & RX-8/ホンダS660&S2000/SUBARU WRX/三菱ランエボ/ランチア・デルタ・インテグラーレ/ボルボ240
MAZDA ロータリースポーツ(RX-7/RX-8)
唯一無二のフィーリング、マツダにほれ込む!
「夢のパワーユニット」として日米欧の多くのメーカーが、ロータリーエンジンの開発に乗り出した。結局、ものにしたのはマツダだけだった。1970年代初頭のオイルショックでは燃費性能がネガティブに作用したが、その後スポーツカー用エンジンとして開花。1991年のル・マン24時間レースでは787Bが総合優勝を果たし頂点を極めた。独特のフィーリングはもちろん、日本が育てた技術のひとつとして乗っておきたい傑作ユニットである。(森口将之)
購入ガイド:ロータリー人気は沸騰中。FD型RX-7は600万円以上の場合も。RX-8のAT車はリーズナブル
HONDA ホンダSシリーズ(S660/S2000)
ホンダイズム凝縮。妥協なきリアルスポーツ
ホンダ初の乗用車はスポーツカーのS500(1963年)だった。1999年にその系譜を受け継いだのがS2000である。ストレートフレームを内蔵した高剛性のオープン2シーターボディに、 1リッター当たり出力125psを誇る2リッター自然吸気エンジンを搭載。9000rpmまで回る高回転設計は昔と同じだった。一方、2015年発表のS660はKカー規格ながら本格MRレイアウトを採用。操る歓びを味わわせてくれた。小粒ながらすべてが本格派。生産終了は残念だ。(森口将之)
購入ガイド:いまのうちにS660を手に入れておきたい。標準グレードなら150万円前後から。MTが抜群に楽しい
SUBARU WRX
WRCで鍛えた走り。世界が認めるスポーツセダン
1stモデルは、WRC(世界ラリー選手権)での勝利を目的に掲げて、1991年に誕生。その後、世代交代を重ねるごとに走りのパフォーマンスを高めていった。速さにフォーカスを絞ったストイックな開発姿勢が多くのファンの共感を呼んで、SUBARUのイメージリーダーという地位を確立した。現在は「戦うクルマ」というポジションからは離れているが、走りのポテンシャルは天下一品。ボクサーエンジン+4WDのパフォーマンスは圧巻である。(河村康彦)
購入ガイド:最新WRXは2ペダルのS4のみ。マニアには6速MTの旧型STIがお勧め。価格は300万〜400万円
MITSUBISHI ランサーEVO
ラリーで強さを実証。4輪自在制御で速さを実現
歴代ランサー・エボリューションは、SUBARUのWRXと同様に、WRCの舞台をターゲットに定めて誕生した。その後、ドライビングプレジャーを磨き続ける4ドアスポーツセダンに発展する。パワフルなターボユニットと4WDシステムは、「AYC」の名称が与えられたベクタリング機構を用いて速さを追求。積極的な4輪独立制御に果敢に挑んだテクノロジーが特徴である。こまねずみのようにシャープだった旋回挙動が忘れられない。(河村康彦)
購入ガイド:ランエボは1992年に登場 2015年まで4世代にわたって生産 2000年以降のモデルが中古車の主流
LANCIA デルタ・インテグラーレ
色褪せぬ刺激、ビビッド4WDスポーツ
この数年、日本から多くのデルタが「輸出」されたという。日本のユーザーが愛したランチアをいま、ようやく世界が認めたのだ。インテグラーレは、ラリーマシンとして大成功した4WDホットハッチ。大きく張り出したブリスターフェンダーと多数の冷却口は戦闘モード満点。それでいてどこか高貴な印象が漂うのはランチアだからだろう。WRCで無敵を誇ったパフォーマンスは鮮烈そのもの。見て乗って刺激的なマシンである。(西川淳)
購入ガイド:年数を経ているだけに良好車は希少。しかも最近は海外流出も多い。専門店に相談するのが最善
VOLVO 240
ボクシーフォルム、人間優先のクルマ作り
ボルボ240を見かける機会が増えた。人気の理由は「優しい箱」だからだろう。無骨だけれど角は丸く、北欧家具を思わせる温かさが伝わってくる。大きなバンパーや分厚いドアが、安心感をもたらしてくれるところも大きな魅力である。シンプルながら趣味のいいインテリアも見逃せない。後輪駆動ならではの素直な身のこなし、驚くほどの小回り性も魅力だ。ボルボは高い耐久性でも有名。今後もしばらくは、240の姿を見ることができるだろう。(森口将之)
購入ガイド:ボルボ240には専門ショップが存在。古いクルマながら安心して維持できる。価格は250万円前後