伊マセラティは7月16日(現地時間)、ブランド初の電動化モデル「ギブリ ハイブリッド(Ghibli Hybrid)」をオンラインで発表した。
基本骨格は現行ギブリ用のM156プラットフォームをベースに、電動化に即した緻密かつ入念な改良を実施。新開発のパワートレインは、1998cc直列4気筒DOHC直噴ガソリンターボエンジンに、BSG(ベルトドリブン・スターター・ジェネレーター)と駆動用バッテリー、eブースター(電動コンプレッサー)、DC/DCコンバーターで構成する48Vマイルドハイブリッドシステムを組み合わせる。BSGはオルタネータの機能を有し、減速時に発生したエネルギーを電力に変えて、車両後方に配置したバッテリーに充電。ここからエンジンに組み付けられたeブースターに給電する。そして、eブースターはターボチャージャーと連動させることで低回転時のパワーの立ち上がりを支援する仕組みだ。また、制御モードとしてエンジンと電動システムを高バランスで最適化するノーマルモードと、電動システムがフルにパワーを発揮して加速力を高めるスポーツモードを設定した。
最高出力は330ps/5750rpm、最大トルクは450Nm/4000rpmを発生。トランスミッションには専用セッティングのZF製電子制御8速ATを組み合わせ、0→100km/h加速は5.7秒、最高速度は255km/hの高性能を発揮する。また、WLTPサイクルによる燃費消費率は8.5~9.6リットル/100km、CO2排出量は192~216g/kmと優秀な数値を達成した。
マセラティのチェントロ・スティーレ(デザインセンター)が手がけたエクステリアは、フロントフェンダーの3連サイドエアベントやCピラーに配したトライデントのエンブレム、そしてブレンボ製のブレーキキャリパーに、クリーンなイメージを象徴するブルーのアクセントを施したことが特徴。音叉をモチーフとしたダブルブレードスポークのフロントグリルやブーメランシェイプのリアコンビネーションランプなども新しいアレンジだ。シューズには専用デザインのアロイホイールに235/50R18タイヤを装着する。ボディサイズは全長4971×全幅1945×全高1461mm、ホイールベース2998mm、トレッド前1635×後1653mmに設定。車重は1950kgに仕立てた。
インテリアに関してもブルーのアクセントが施され、シートやドアトリムのステッチ、そしてヘッドレストのトライデントロゴなどに採用。また、シフトレバーの造形を新タイプに変更する。さらに、オーディオなどの操作ができるアルミ製ダイヤル式ロータリーコントロールやアルミ製パドルシフトを配した本革巻きステアリング、12Way電動アジャスト機構付きレザー表皮スポーツシートといった豪華アイテムを標準で設定した。
機能装備の拡充もギブリ ハイブリッドの訴求点だ。新世代マルチメディアシステムのMIA(マセラティ インテリジェント アシスタント)には、Android Automotiveをベースとした最新バージョンのソフトウェアを導入。HDスクリーンには新しいグラフィックを施し、合わせてセンターのディスプレイはフレームレスの10.1インチにサイズアップした。一方、MSP(マセラティ スタビリティ プログラム)には新設定のIVC(車両統合制御システム)が組み込まれ、安全性能とドライビングダイナミクスがいっそう向上。また、オプション設定の進化版ADAS(先進運転支援システム)は、自動運転レベル2の先進技術を具現化している。
なお、ギブリ ハイブリッドの日本向けモデルは2021年前半には生産を開始する予定。日本への導入が、今から楽しみだ。