プジョー・リフター・デビューエディション 価格:8SAT 336万円 試乗記
昨年年デビューしたプョー・リフターは、シトロエン・ベルランゴと基本コンポーネンツを共有するBROS車だ。そう聞くと細部を除き同じクルマと思うかもしれない。しかし実車を前にすると、予想以上の差別化が図られている配慮に驚く。なおリフターのライバルはルノー・カングーだ。
表情をプジョーマスクに仕上げるために、エンジンフードまで変えている。サイドに回ると、前後のフェンダーアーチに樹脂製カバーが付き、厚みのあるプロテクションモールはそこから連続した専用造形になる。
リフターの全高はベルランゴ比で50㎜も高い。スリーサイズは4405×1850×1890mm。トールワゴンとSUVのクロスオーバーというキャラクターだ。タイヤはマッド&スノーのSUV用を装着。悪路で真価を発揮するアドバンスドグリップコントロールを標準装備する(駆動方式はFF)。
インテリアも独自の演出がなされている。運転席回りは上方配置のメーターと小径ステアリングという、プジョー流レイアウト。センターパネルはグリップコントロールのセレクターが配置され、後方にコンソールボックスを備える。
後席は2対1分割式(ベルランゴは3分割式)。ワゴン作りが得意のプジョーらしく、使い勝手を重視している。助手席も折りたため、ラゲッジスペースは広い。大型ガラスルーフを標準装備し、その中央にはトレイにも使えるスケルトンのバーを配置。楽しいドライブを演出する工夫は万全である。
パワーユニットはベルランゴと共通の1.5リッターディーゼルターボ。スペックはパワフルな130ps/300Nm。8速ATなので、回転をあまり上げなくても必要な加速が得られる。荷物をたくさん積んでのクルージングも楽々とこなすに違いない。
高めの車高とSUV用タイヤは、ベルランゴよりもしっかりした乗り心地をもたらす。フランス車らしい快適な座り心地のシートのおかげで、疲れる気配すら感じない。
操縦感覚は独特。大きな箱型ボディをクイックな小径ステアリングで操るからだ。最初はちょっぴり奇妙だったが、慣れてくるとゲームのような楽しさを感じた。ステアリング操作に応じてノーズが機敏に動くので、街中での取り回しは楽だ。反応に慣れれば山道でも高いアベレージスピードが保てる。
オフロードは走らなかったが、アドバンスドグリップコントロールが高い走破性を実現していることは確実。これは同じシステムを搭載した3008で確認済みだ。リフターは、道を選ばないトールワゴンである。
グレード=デビューエディション
価格=8SAT 336万円
全長×全幅×全高=4405×1850×1890mm
ホイールベース=2785mm
トレッド=フロント1545×リア1570mm
最低地上高=180mm
車重=1620kg
エンジン=1498cc直4DOHC16Vディーゼルターボ(軽油仕様)
最高出力=96_kW(130ps)/3750rpm
最大トルク=300_Nm(30.6kgm)/1750rpm
WLTCモード燃費=未公表(燃料タンク容量50リッター)
サスペンション=フロント:ストラット/リア:トーションビーム
ブレーキ:フロント=ベンチレーテッドディスク/リア:ディスク
タイヤ&ホイール=215/65R16+アルミ
駆動方式=FF
乗車定員=5名
最小回転半径=未公表
●主な燃費改善対策:未公表
●主要装備:アクティブセーフティブレーキ/ドライバーアテンションアラート/レーンキープアシスト/アクティブクルーズコントロール/ブラインドスポットモニター/トラフィックサインインフォメーション/6エアバッグ/クルーズコントロール/バックカメラ/前後&サイドソナー/タイヤ空気圧警告灯/LEDデイライト付きハロゲンヘッドランプ/インテリジェントハイビーム/前後フォグランプ/オートライト&雨滴感知式ワイパー/後席スライドドア/リアオープニングガラスハッチ/スーパーティンテッドガラス/ルーフレール/本革巻きステアリング/8インチタッチスクリーン/左右温度調節式オートAC/自動防眩式ルームミラー/リアシーリングボックス/マルチパノラミックルーフ/ファブリックシート/リア3席独立シート(フォールディング機能付き)/助手席可倒シート/スマートキー/6スピーカーオーディオ/16インチアルミ/マッド&スノータイヤ/アドバンスドグリップコントロール(ヒルディセントコントロール付き)
●装着メーカーop:ナビゲーションシステム24万2000円/ETC2.0車載器4万4550円
●ボディカラー:メタリックコッパー(op6万500円)
※価格はすべて消費税込み」