メルセデスAMG・C43・4マチック 価格▷9SATC 未定(2022年秋発売予定) 試乗記
新型は従来の3リッターV6から2リッター直4に変更。パワフル&ハイレスポンスを徹底追求!
メルセデスAMG・C43のパワーユニットは従来の3リッター・V型6気筒ツインターボから、2リッター直列4気筒ターボに変更された。強い趣味性を持つモデルとして、マルチシリンダーエンジンは大きな魅力だったはずだが、あえて4気筒を選択している。しかし、新心臓は単なるダウンサイジングではない。新型はAMGの「ワンマン、ワンエンジン」の哲学に則った職人が組み上げるユニットであり、メカニズム面では量産車初搭載の電動・排気ターボチャージャーを採用した。
新型ターボは排気に加えて、減速時に回生される電気でも駆動する。狙いはアクセルレスポンスの向上。低回転域やアクセルオフ時などに電動でタービンを回してターボラグを打ち消し、アクセル操作に即応するレスポンスを実現する。 スペックは最高出力408ps、最大トルク500Nm。これにベルト式スタータージェネレーターの14psが加算される。トランスミッションはAMGスピードシフト9G・MCT。トルクコンバーターの代わりに電子制御多板クラッチを用いた9速ATだ。駆動方式は前後駆動力配分を31対69とした4WDである。
サスペンションには電子制御式ダンパーが組み込まれ、後輪操舵機構も標準装備。タイヤサイズは標準が18インチ、オプションは20インチまで用意される。
電気の力で一段と魅力を鮮明化。クラフトマンシップあふれるスポーツセダン
走り出してまず驚いたのが、アクセル操作に即応するレスポンスのよさだ。アイドリング付近の低回転域からの鋭いピックアップは、内燃エンジンだけでは到底不可能なものだといっていい。
その後の吹き上がりも軽快そのもの。トルクが分厚いからスポーティに走ることができる。しかも、コーナー進入などでいったんアクセルを戻し、再び踏み込んだ時にも速やかにトルクが立ち上がる。実に気持ちいい。アクセルを戻しても電気モーターでタービンを回し続け、通常避けられないターボラグを打ち消しているのである。 このエンジンフィーリングは、まさに未体験だった。電気の力を得て、エンジンの魅力がさらに高まったというわけだ。
フットワークも完成度が高い。いい仕上がりである。乗り心地は悪くないし、操舵に対する応答性は正確。心地よい旋回性はリアホイールステアの貢献も大きいはずだ。 ハイパフォーマンスカーのダウンサイジングは、性能だけの問題ではない。高い趣味性を保つことも重要な要素となる。さすがはAMG。新型C43・4MATICは、職人の技と最新テクノロジーを用いて、その難問を見事に解決した。 新型は新たな走りと技術が、ユーザーに高い満足感を与えるリアルスポーツセダンである。
メルセデスAMG・C43 ・4マチック 主要諸元
グレード=C43・4マチック
価格=未定(2022年秋発売予定)
全長×全幅×全高=4791×1824×1450mm
ホイールベース=2865mm
トレッド=フロント:1591/リア:1602mm
車重=1765kg
エンジン=1991cc直4DOHC16V電動ターボ(プレミアム仕様)
最高出力=300kW(408ps)/6750rpm
最大トルク=500Nm/5000rpm
欧州コンビネーション燃費=10.98〜11.49km/リッター
サスペンション=前後ダブルウィッシュボーン
ブレーキ=前後ベンチレーテッドディスク
タイヤ&ホイール=フロント:245/45R18/リア:245/45R18+アルミ
駆動方式=4WD
乗車定員=5名
0→100km/h加速=5.8秒
最高速=250km/h(リミッター作動)
※スペックは欧州仕様