【最新モデル試乗】世界中のメーカーがお手本にする定番スポーツセダン、BMW3シリーズはなにが優れているのか?

BMW330i・Mスポーツ Mエアロパッケージ/スポーツブレーキ/18インチアルミを装備したスポーティグレード 写真はファストトラックパッケージ(19インチアルミ/スポーツデフ/アクティブMサス:28万9000円)装着車
BMW330i・Mスポーツ Mエアロパッケージ/スポーツブレーキ/18インチアルミを装備したスポーティグレード 写真はファストトラックパッケージ(19インチアルミ/スポーツデフ/アクティブMサス:28万9000円)装着車

BMW330i・Mスポーツ 価格:8SAT 647万円 試乗記

3シリーズは世界のお手本。現行7thモデルはカッコいい!

 3シリーズはBMWの屋台骨を支える定番スポーツセダンである。適度なスポーツ性は世界中のメーカーのお手本。長い年月をかけて培ってきた高い実力が人気を支えている。

 G20型と呼ばれる現行7thモデルは2018年にデビュー。日本では翌19年から販売がスタートした。当初は限られたエンジンラインアップだったが、現在は5種類のパワートレーンが用意されている。主力は2種のチューンの2リッター直4ターボ(184ps/258ps)と、2リッター直4ディーゼルターボ(190ps)。高性能バージョンとして3リッターの直 6ターボ(387ps)と2リッターガソリンとモーターを組み合わせたプラグインハイブリッド仕様を用意する。トランスミッションは全車 8速AT。駆動方式はFRを基本に、ディーゼルと直6は4WDを組み合わせる。

 現行モデルはボディサイズがぐんと大きくなった。全長×全幅×全高は4715×1825×1430mm。旧型(同4645×1800×1430mm)比で全長は70mm長く、幅は25mm広い。ホイールベースは40mm延長され2850mmになった。
 新型のスタイリングは上級感が増し、スタイリッシュ。取り回しにやや気を使うが、カッコよく映るのは確かだ。

全長×全幅×全高4715×1825×1430mm ホイールベース2850mm 車重1630kg
全長×全幅×全高4715×1825×1430mm ホイールベース2850mm 車重1630kg

完成度の高いエンジンとハンドリング。 まさにスポーツセダン!

 試乗車は3340i・Mスポーツ。最大トルク400Nmを誇る 2リッター直4ガソリンターボを搭載。Mエアロパッケージを標準装備した、見るからに「走りそう」なスポーツセダンだ。

 いささか太すぎるMスポーツ専用のステアリングホイールを握ってスタート。BMWといえばストレート6のイメージが強いが、4気筒の完成度は高い。アクセルを踏み込む右足の動きに正確な反応を見せ、キレイに高回転域まで吹き上がる。パワーも十分に感じられ、サウンドや回転フィールはもはや直4とは思えない。8速ATとの相性も素晴らしい。

 やや固められた足回りは、絶品といえるほどの出来映え。低速域では多少ごつごつとした印象を感じるものの、速度が上昇するにつれ滑らかさがはっきりと増していく。路面の凸凹や継ぎ目をよく吸収し、高速域では心地のいいフラットライドが味わえる。
 3シリーズで特筆すべきは、素直なハンドリングだろう。狙いどおりに正確、かつリズミカルにクルマを操縦している感覚が味わえる。それが心地のいいスポーツドライビングにつながる。圧倒的に高いボディ剛性が、ハンドリングに大きなプラスをもたらしている。

 3シリーズは、ドライバーを魅了するパフォーマンスと、コントローラブルな操縦性の持ち主。世界のスポーツセダンの代表といっていい。

インパネは最新BMW共通イメージ 12.3インチフル液晶メーターと10.25インチセンターディスプレイの組み合わせ 本革スポーツステアリングのグリップ部は極太 作りは上質
インパネは最新BMW共通イメージ 12.3インチフル液晶メーターと10.25インチセンターディスプレイの組み合わせ 本革スポーツステアリングのグリップ部は極太 作りは上質
Mスポーツは前席電動調節式スポーツシート標準 写真の本革仕様はセットop(20万5000円) 室内スペースは前後とも余裕たっぷり 低速時の乗り心地はやや固い
Mスポーツは前席電動調節式スポーツシート標準 写真の本革仕様はセットop(20万5000円) 室内スペースは前後とも余裕たっぷり 低速時の乗り心地はやや固い
トランク容量は480リッターと余裕がある トランクスルー機構付き 電動リッドはop
トランク容量は480リッターと余裕がある トランクスルー機構付き 電動リッドはop
液晶メーターはセンターディスプレイと連携して各種情報を表示 回転計はやや見にくい印象
液晶メーターはセンターディスプレイと連携して各種情報を表示 回転計はやや見にくい印象
ミッションは8速AT パドルシフト標準 エンジン始動ボタンはシフト横に配置
ミッションは8速AT パドルシフト標準 エンジン始動ボタンはシフト横に配置
ACCは全車速対応型 高速道路の限定した条件でハンズフリーができるタイプ
ACCは全車速対応型 高速道路の限定した条件でハンズフリーができるタイプ
ヘッドライトはフルLED 写真は最長500m先を照らすレーザー仕様
ヘッドライトはフルLED 写真は最長500m先を照らすレーザー仕様
写真の19インチタイヤ+ダブルスポークアルミはop タイヤはランフラットタイプ
写真の19インチタイヤ+ダブルスポークアルミはop タイヤはランフラットタイプ
1998cc直4DOHC16Vターボ 258ps/5000rpm 400Nm/1550~4400rpm パワー十分 吹き上がり良好 同型エンジンの320i比74ps/100Nmパワフル WLTCモード燃費:13.2km/リッター
1998cc直4DOHC16Vターボ 258ps/5000rpm 400Nm/1550~4400rpm パワー十分 吹き上がり良好 同型エンジンの320i比74ps/100Nmパワフル WLTCモード燃費:13.2km/リッター

BMW330i・Mスポーツ 主要諸元と主要装備の主要諸元と主要装備

グレード=330i・Mスポーツ
価格=8SAT 647万円
全長×全幅×全高=4715×1825×1430mm
ホイールベース=2850mm
トレッド=フロント1585×リア1570mm
車重=1630kg
エンジン=1998cc直4DOHC16Vターボ(プレミアム仕様)
最高出力=190kW(258ps)/5000rpm
最大トルク=400Nm(40.8kgm)/1550~4400rpm
WLTCモード燃費=13.2km/リッター(燃料タンク容量59リッター)
(市街地/郊外/高速道路=9.4/13.7/15.5km/リッター)
サスペンション=フロント:ストラット/リア:5リンク
ブレーキ=前後ベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ=フロント:225/45R18/リア:255/40R18+アルミ
駆動方式=FR
乗車定員=5名
最小回転半径=5.3m
●主な燃費改善対策:無段階可変バルブリフト(バルブトロニック)/筒内直接噴射/吸排気無段階可変バルブタイミング(ダブルVANOS)/充電制御/アイドリングストップ/電動パワーステアリング
●主要装備:ドライビングアシスト・プロフェッショナル(アクティブクルーズコントロール+ステアリング&レーンコントロールアシスト+車線逸脱警告+レーンチェンジウォーニング+アクティブサイドコリジョンプロテクション+前車接近警告+衝突回避・被害軽減ブレーキ+クロストラフィックウォーニングほか)/BMWコネクテッドドライブ・プロフェッショナル/アダプティブLEDヘッドライト/LEDフォグランプ/パークディスタンスコントロール/リバースアシスト/ランフラットタイヤ/Mスポーツサスペンション/Mスポーツブレーキ/ドライブパフォーマンスコントロール/バリアブルスポーツステアリング/Mエアロダイナミクスパッケージ/コンフォートアクセス/ヒーター付きウォッシャーノズル/BMWライブコクピット(12.3インチメーターパネル+10.25インチワイドコントロールディスプレイ+HDDナビゲーション)/マルチファンクションMレザーステアリング/パーキングベンチレーション/3ゾーンオートAC/スポーツシート/前席電動調節機構/スルーローディングシステム/アンビエントライト/スピーチコントロール(音声入力システム)/ワイヤレスチャージング/10スピーカーシステム
●装着メーカーop:イノベーションパッケージ(BMWレーザーライト+ヘッドアップディスプレイ+ジェスチャーコントロール)22万8000円/ハイラインパッケージ(ヴァーネスカレザーシート+電動ランバーサポート+ファインウッドトリム)20万5000円/コンフォートパッケージ(電動トランクリッド+ストレージパッケージ+パーキングアシストプラス)12万8000円/ファストトラックパッケージ(19インチMスポークアルミ+Mスポーツデファレンシャル+アダプティブMサスペンション)28万9000円
●ボディカラー:ポルティマオブルー(op9万2000円)
※価格はすべて消費税込み リサイクル費用は1万9354円
撮影協力●マースガーデンウッド御殿場

SNSでフォローする