アルファロメオ・ジュリア2.0ターボ・ヴェローチェ 価格:8SAT 589万円 試乗記
ジュリアはイタリアンメイドのFRスポーツセダン。どのグレードに乗っても、世界で最も過激なドライブフィールが体験できる。
何がジュリアをしてスポーツさせるのか。それはもうアルファロメオが110年に渡って培ってきた伝統の賜物というほかない。
もっとも、ここにたどり着くまでには紆余曲折もあった。たとえばFRの歴史は1980年代生まれの75で途切れ、以降、1990年代と2000年代は155と159のFFモデルでスポーツを表現していた。とはいえFFでも、それはそれで楽しいドライブフィールを提供していたのは事実。クルマのスポーツ度は駆動方式やエンジンといったメカニズム要素だけで体現されるものではない。なによりブランドの哲学を傾注した開発姿勢が、かもしだすのだ。
伝統の名前を継承したFRサルーン、最新ジュリアのデビューは2016年。秘密の開発部隊によって企画された新型セダンは、アルファの伝統を反映した、正真正銘のスポーツセダンとして復活した。スタイリングは落ち着いた中に、走りの意思が感じられるロングノーズフォルム。ボディサイズは全長×全幅×全高4655×1865×1435mm。室内はパーソナル性を重視した前席優先設計だ。
ジュリアの高い運動性能は、フェラーリ製V6エンジンを積むトップグレードのクワドリフォリオはもちんろん、スタンダードグレードでも、走ると瞬時に理解できる。ステアリングギア比が12対1と、リアルスポーツも顔負けのウルトラクイックレシオに設定されているからだ。
メインモデルのパワーユニットは直列4気筒の2リッターターボ(200ps/280ps)もしくは2.2リッターディーゼルターボ(190ps)。トランスミッションは 8速AT。駆動方式はFRを基本に、280ps仕様のガソリンには4WDも設定する。
乗り味は基本的に全車共通だ。シャープなハンドリングと、後輪が路面を蹴る推進フィールを楽しむスポーツセダンである。
個人的には、高回転域までキレイに回り切る280psのヴェローチェ用ガソリンエンジンがお勧めだ。加速は力強く、スピードの伸びは印象的。燃費に優れビッグトルクのディーゼルターボは、高速道路を使った長距離ドライブ派に魅力的な選択だろう。
操縦フィールは意のまま。あまりにクイックなステアリングレスポンスに最初は驚くかもしれない。だが、そのキレ味を知ると、他のクルマの動きが妙にダルに感じてしまう。禁断のステアリングフィールをぜひ一度味わってほしい。スポーツセダン派には極めつけの1台だ。
グレード=2.0ターボ・ヴェローチェ
価格=8SAT 589万円
全長×全幅×全高=4655×1865×1435mm
ホイールベース=2820mm
トレッド=フロント1555×リア1625mm
車重=1630kg
エンジン=1995cc直4DOHC16Vターボ(プレミアム仕様)
最高出力=206kW(280ps)/5250rpm
最大トルク=400Nm(40.8kgm)/2250rpm
JC08モード燃費=13.2km/リッター(燃料タンク容量58リッター)
サスペンション=フロント:ダブルウィッシュボーン/リア:マルチリンク
ブレーキ=前後ベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ=フロント225/40R19/リア255/35R19+アルミ
駆動方式=FR
乗車定員=5名
最小回転半径=5.4m
●主な燃費改善対策:アイドリングストップ/マルチエア/筒内直接噴射/電動パワーステアリング
●主要装備:フォワードコリジョンワーニング(前面衝突警報+衝突被害軽減ブレーキほか)/レーンデパーチャーワーニング/ブラインドスポットモニター/リアクロスパスディテクション/前後ソナー/アダプティブクルーズコントロール/バイキセノンヘッドライト/プライバシーガラス(リア3面)/専用スポーツバンパー/アルミニウム製フロントサイドフェンダー+ドアアウターパネル+エンジンフード/アンダーボディカバー/スポーツブレーキ/ブラックウィンドウモールディング/ツインエキゾーストパイプ/19インチ5ホールアルミ/カーボンプロペラシャフト/スポーツレザーステアリング/ステアリングヒーター/パドルシフト/ドライブモードセレクト(DNA)/レザーインパネ&ドアトリム/アルミニウムパネル/前席マルチポイントランバーサポート&電動調節機構/スポーツレザーシート/左右独立温度調節式オートAC/前席マルチポイントランバーサポート&電動調節機構/8.8インチセンタースクリーン/ハーマンカードン・プレミアムオーディオ
●ボディカラー:ボディカラー:アルファブラック
※価格はすべて消費税込み リサイクル費用は1万7670円