新型カウンタックLPI800-4日本上陸! 元祖スーパーカーが提示する唯我独尊の思想とは

ランボルギーニLPI800-4 (世界112台限定) 新車ニュース

ランボルギーニLPI800-4 LPI800-4は1stカウンタック誕生50周年記念車 パワーユニットはシステム出力814psを誇るキャパシタを組み合わせた6.5リッター・V12 トップスピードは355km/h 生産台数は世界限定112台である

ランボルギーニLPI800-4 LPI800-4は1stカウンタック誕生50周年記念車 パワーユニットはシステム出力814psを誇るキャパシタを組み合わせた6.5リッター・V12 トップスピードは355km/h 生産台数は世界限定112台である

新しい「クンタッチ」は、まさにメモリアルモデル。存在感抜群!

カウンタックは1971年に発表 1974年から生産 メカニズムはパオロ・スタンツァーニ/デザインはマルチェロ・ガンディーニが手がけた傑作

カウンタックは1971年に発表 1974年から生産 メカニズムはパオロ・スタンツァーニ/デザインはマルチェロ・ガンディーニが手がけた傑作

 昨年、オリジナル誕生50周年の年に鮮烈デビューを果たし、日本にも先日上陸した「新型」カウンタック(イタリアではクンタッチと呼ぶ)。いまなおマニアの間では賛否両論が渦巻く。賛成はもちろん、反対もまたカウンタック愛ゆえ。

 ガンディーニのスタイリングを超えることができなかった」。否定的な意見の筆頭だ。もちろんチーフスタイリストのミッティア・ボルカート(昔から熱狂的なガンディーニ・カウンタックのファン)だって超えたとは、いや、超えようなどと思っていなかったはずだ。もっといえば超えることのできるデザインなど、あえてリバイバルする必要もない。

 オリジナルを超えていないからといって、世界限定112台のLPI800-4がカウンタックを名乗る資格がないかというと、そうは思わない。理由は、このクルマは間違いなくカウンタックの伝統を受け継いでいるからである。さらにいえば、カウンタック以降のすべてのフラッグシップモデル、つまりディアブロ、ムルシエラゴ、アヴェンタドール、これらの派生モデルはすべて正しき血統を持つ「カウンタックの一員」だった。

 どういう意味か。オリジナルカウンタックのガンディーニデザインは、確かに世界を驚愕せしめた。奇才による奇跡のデザイン、それは間違いない。けれども、あのデザインが生まれた理由を知らなければ正しい血統のありかを知ることは叶わない。ガンディーニは決して思いつきであのデザインを描いたわけではなかった。

LPI800ー4のチーフスタイリスト・ミッティア・ボルカートは「宇宙船のようなフォルムがカウンタックの特徴 新型もそのイメージを再現した」と説明

LPI800ー4のチーフスタイリスト・ミッティア・ボルカートは「宇宙船のようなフォルムがカウンタックの特徴 新型もそのイメージを再現した」と説明

LPI800ー4のパワーユニットは限定モデルのシアンと共通 6498cc・V12DOHC48V(780ps/720Nm)とキャパシタ(34ps/35Nm)の組み合わせ システム出力814ps

LPI800ー4のパワーユニットは限定モデルのシアンと共通 6498cc・V12DOHC48V(780ps/720Nm)とキャパシタ(34ps/35Nm)の組み合わせ システム出力814ps

LPI800-4は1986年モデルの1stカウンタックと並べられ日本公開された

LPI800-4は1986年モデルの1stカウンタックと並べられ日本公開された

カウンタックをカウンタックたらしめている、その秘密

 カウンタックを生み出したもう一人の重要人物に登場いただこう。彼の名はパオロ・スタンツァーニ。この天才エンジニのアイデアがなければ、ガンディーニが奇跡のデザインを描き出すことはなかった。

 それはキャビン側にトランスミッションを組み合わせることで長く巨大な12気筒エンジンを縦置きミッドシップ配置とするアイデアだった。1960年代末にジャンパオロ・ダラーラの跡を継いでランボルギーニ開発部門の陣頭指揮を取ることになったスタンツァーニは、12気筒エンジンを横置きミッド配置したミウラに代わるフラッグシップモデルの開発に取り組んだ。彼はエンジン縦置きにこだわっていた。重心が低くなり、走行性能が圧倒的に向上するからだ。だが、そうするとミッションケース本体はリアアクスルから後方へ大きく張り出してしまう。ロードカーとしては、全長的にもトランクスペース的にも成立し難い。

 巨大なエンジンをどうやって縦置きリアミッドに設計するか。8気筒のほうが理にかなっていることはわかっていた。しかし、それでは旗艦モデルとして物足りない。スタンツァーニは12気筒にもこだわった。そこでパワートレーンごと「ひっくり返す」という奇策を思いつく。この時点で、すでに将来の4WD化も見すえていた。

 室内にはミッションケースの出っ張りがあり、大きなエンジンはリアアクスルの前にきっちり収まる。そしてF1マシンのようにサイドラジエター方式を採用。ガンディーニはそんなスタンツァーニの奇策、LPレイアウト(イタリア語でエンジン縦置きミッドシップを意味するLongitudinale Posterioreの略)をベースにオリジナルデザインを描く。乗員2名用の十分なキャビンスペースを確保したそのスタイルは当然、短く平べったい。カウンタックの象徴というべきシザードアもまた、「そうでなければ乗り降りできない」という必然から生まれた。

 こうして1971年にプロトタイプが誕生した。それから50年後の昨年、新型が登場する。ランボルギーニ社は当初、ミウラ40周年時と同様にコンセプトショーカーを作るつもりだったという。ところが開発陣は、実際に走行できるロードカーにこだわった。

 サイズやデザインだけを考えたなら、記念車はV10を積んだウラカンをベースにしてもよかった。だが、それでは「カウンタック」ではない。どれほどガンディーニデザインに迫ったとしても、ウラカン・ベースでは正統オマージュとはいえない。前述したオリジナルカウンタックから受け継ぐ「正しき血」が流れていないからだ。

 カウンタックをカウンタックたらしめているのはスタンツァーニのLPレイアウトである。だからこそLPレイアウトの最新作、シアンをベースに50周年オマージュモデルとして新型カウンタックを作り上げた。LPレイアウトこそが正しき血統であることを車名に高らかに謳いつつ。

 限定台数112台という数字の意味はオリジナルカウンタックの開発コードLP112(LPレイアウトを採用した最初=1の12気筒モデル)である。

日本の地に降り立ったカウンタックLPI800-4 LPI800-4は1stカウンタック以降のランボルギーニのトップモデルはV12エンジンを縦置き搭載するLPレイアウトを採用 LPI800ー4はその最新版

日本の地に降り立ったカウンタックLPI800-4 LPI800-4は1stカウンタック以降のランボルギーニのトップモデルはV12エンジンを縦置き搭載するLPレイアウトを採用 LPI800ー4はその最新版

室内は純粋にスポーツドライビングを楽しむ空間 メーターはフル液晶仕様 トランスミッションは8速DCT 0→100km/h加速は2.8秒でクリア

室内は純粋にスポーツドライビングを楽しむ空間 メーターはフル液晶仕様 トランスミッションは8速DCT 0→100km/h加速は2.8秒でクリア

コンソール部にシリアルナンバープレートを装着 エンジンはレッドカバー下のボタンで始動

コンソール部にシリアルナンバープレートを装着 エンジンはレッドカバー下のボタンで始動

日本上陸モデルの内装はエレガントなホワイト

日本上陸モデルの内装はエレガントなホワイト

コンソールサイド

室内各部に「Coutach」の車名が入る

室内各部に「Coutach」の車名が入る

ランボルギーニ・カウンタックLPI800-4 主要諸元

スタイル

グレード=カウンタックLPI800-4(世界112台限定)
全長×全幅×全高=4870×2099×1139mm
ホイールベース=2700mm
乾燥車重=1595kg
エンジン=6498cc・V12DOHC48V
最高出力=574kW(780ps)/8500rpm
最大トルク=720Nm/6750rpm
モーター(キャパシタ)最高出力=34ps
モーター(キャパシタ)最大トルク=35Nm
システム出力=599kW(814ps)
サスペンション=前後ダブルウィッシュボーン
ブレーキ=前後ベンチレーテッドディスク
駆動方式=4WD
乗車定員_=2名
0→100km/h加速=2.8秒
0→200km/h加速=8.6秒
最高速度=355km/h
※性能スペックは欧州仕様

カット

 

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