ダイハツがアセアン市場での攻勢を積極化。マレーシアにおける自動車生産・販売の現地合弁会社であるプロドゥアから新型コンパクトMPVの「アルザ」を発売。プラットフォームにはDNGA-Bを採用
ダイハツは2022年7月20日、マレーシアにおける自動車生産・販売の現地合弁会社であるプロドゥア(PERODUA)からリリースする7名乗りコンパクトMPVの「アルザ(ALZA)」を約13年ぶりにフルモデルチェンジして発売した。グレード展開は上位からAV、H、Xの3タイプで構成する。
今回の全面改良で第2世代に移行する新型アルザは、昨年11月にインドネシアで発売した「セニア(XENIA)」と共通のDNGA(Daihatsu New Global Architecture)Bセグメント用プラットフォームを採用し、ゆとりある広くて使いやすい室内空間をさらに進化させたことが特徴である。
エクステリアは、マレーシア市場のユーザー志向を反映したスタイリッシュかつスポーティなデザインを採用。各パーツのアレンジにもこだわり、クローム&グロッシーブラックまたはメタリックシルバーのフロントグリルやシャープな造形のLEDヘッドランプ、抑揚をつけたサイドパネル、立体的なデザインのLEDリアコンビネーションランプ、15インチまたは16インチの新意匠アルミホイールなどを採用して個性を際立たせる。ボディサイズは全長4425×全幅1730×全高1660~1670mm/ホイールベース2750mmと、従来より220mm長く、35mm幅広く、40~50mm高く、ホイールベースが共通のディメンションに設定した。
内包するインテリアも、マレーシア市場の好みに即して上質かつモダンなデザインに仕上げたうえで、先進機能を鋭意組み込む。インパネカラーはAVグレードに2トーン、Hグレードにシルバー加飾付きのモノトーン、Xグレードにモノトーンを採用。また、先進機能として7インチTFTマルチインフォメーションディスプレイや9インチディスプレイオーディオ、スイッチコントルール付ステアリング、エレクトロニックパーキングブレーキ、プッシュスタート&ストップボタン、USBポートなどを装備した。シートは前席にセパレートタイプ、2列目にスライドが可能な6対4分割可倒タイプ、3列目に5対5分割可倒タイプを採用。また、前席から3列目のシート間距離を従来より50mm拡大し、Bセグメントではトップクラスの室内空間のゆとりと使い勝手を実現する。シート表皮はAVグレードに2トーンのセミレザー、HグレードとXグレードにファブリックを張った。
パワーユニットには“eco IDLE”システムを組み込んだ2NR-VE型1496cc直列4気筒DOHC・DUAL VVT-iエンジン(最高出力78kW/6000rpm、最大トルク138Nm/4200rpm)を搭載。トランスミッションにはCVT(D-CVT)を組み合わせて、前輪を駆動する。また、ECO/NORMAL/POWERが選択できるマルチプルドライブモードを設定した。
先進安全機構の拡充も見逃せない。マレーシアの道路環境に合わせて専用セッティングした衝突回避支援システムを全グレードに装備したほか、車線変更時の後方確認をアシストするブラインドスポットモニターやオートハイビーム、360°パノラミックビューモニターなどを設定している。
新型アルザはPMSB(プロドゥア・マニュファクチャリング)で生産され、車両価格は国民車を意図して6万2500リンギ~7万5500リンギ(約187~226万円)に設定する。
なお、ダイハツは今後もDNGA商品のさらなる海外展開を予定しており、競争力の高いDNGA商品を投入することで、より多くの市場ニーズに対応していくことを表明している。