ランボルギーニが8月中旬に発表を予定している新型ウルスが、デビュー前に快挙を達成した。
世界有数のヒルクライムレース、パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムで、10分32秒064をマーク。2018年にベントレー・ベンテイガが記録した「量産SUV部門」の10分49秒902を抜いて、ニューレコードを樹立した。ただし、記録を達成した新型ウルスは、発表前のモデルのため本戦には出場できず、大会のオフィシャルタイムキーパーがタイムを計測している。
■2022年パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム総合成績(2022年6月26日)
順位=ディビジョン/車名(タイム)
1=Unlimited/2018 Wolf TSC-FS(10分09秒525)
2=Exhibition/2022 Porsche Turbo S(10分34秒053)
3=Time Attack 1/2019 Porsche GT2 RS Clubsport(10分35秒830)
4=Open Wheel/2013 Ford Open(10分38秒259)
5=Unlimited/2008 Mitsubishi Lancer Evolution X(10分43秒511)
6=Pikes Peake Open/2016 E-Motion Porsche GT3R TT(10分52秒664)
7=Time Attack 1/2019Porsche 935/19(10分58秒928)
8=Unlimited/1998 Toyota Tacoma(11分06秒152)
9=Exhibition/2018 Tesla Model 3(11分06秒205)
10=Open Wheel/2020 Sierra Alpha(11分06秒387)
※新型ウルスの10分32秒064は「ノン・レースデイに記録されたマニュファクチャラーレコード」としてレースディレクターら3名のサイン入りで認定されている
パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムは1916年にスタートした歴史ある大会で、今年6月に第100回大会が開催された。大会の会場となるパイクスピークは、米国コロラド州のロッキー山脈の東端にある。競技のスタート地点は標高2862m、ゴール地点は4302m。標高差約1500m、全長約20km、156カ所のコーナーを駆け抜けるタイムを競う。
参考まで紹介しておくと、富士山(標高3776m)の5合目(富士宮口)が標高2400m。これよりも高い標高から走り始めて、富士山の頂上より500mほど高いゴールを目指す過酷な戦いだ。標高が高くなるにつれて酸素は薄くなり、ドライバーにも内燃機関にも厳しくなっていく。
記録を達成した新型ウルスは、スタンダードのV8ツインターボエンジンを搭載。タイヤはフロントが285/40R22、リアが325/35R22サイズのピレリPゼロ・トロフェオRの進化型を装着していた。
ドライバーのシモーネ・ファッジョーリ選手(イタリア)は、欧州ヒルクライム選手権で2009年から9連覇を達成。2019年にも王者に輝いている。パイクスピーク・ヒルクライムにおいては2018年にRWDマシン部門のレコードホルダーである。
ヒルクライムに実績を持つドライバーが、新型ウルスの高性能を存分に引き出した結果が、今回の記録達成につながった。