ポルシェ ジャパンは8月27日、大幅な改良を果たしたスポーツサルーン「パナメーラ」の予約受注を開始した。
車種展開は以下の通り。
パナメーラ:1249万円
パナメーラ4:1299万円
パナメーラ4 エグゼクティブ:1419万円
パナメーラ4 スポーツツーリスモ:1346万円
パナメーラ4S E-ハイブリッド:1877万円
パナメーラGTS:1949万円
パナメーラGTS スポーツツーリスモ:1988万円
パナメーラ ターボS:2882万円
今回の商品改良は、新グレードの設定や外装の仕様変更、パワーユニットのリファインなど、多岐に渡っている。
まずグレード展開では、新ハイパフォーマンスモデルの「ターボS」を設定したことがトピックだ。搭載エンジンは3996cc・V型8気筒DOHCツインターボユニットで、最高出力は従来のパナメーラ ターボ比で80psアップの630ps/6000rpm、最大トルクは同50Nmアップの820Nm/2300~4500rpmを発生。トランスミッションには専用セッティングの8速PDK(デュアルクラッチトランスミッション)を組み合わせ、最高速度は315km/h、0→100km/h加速は3.1秒を誇る。また、足回りおよび駆動系には、3チャンバーエアサスペンション、ポルシェ アクティブサスペンションマネージメントシステム(PASM)およびポルシェトルクベクトリングプラス(PTV Plus)を含むロール抑制システムであるポルシェダイナミックシャシーコントロールスポーツ(PDCCスポーツ)などを専用チューニングして採用した。なお、このターボSはニュルブルクリンク北コースのタイムアタックで7分29秒81というラップタイムを記録。これはアッパークラスのエグゼクティブカーのカテゴリーで最速ラップだという。ちなみに、記録を更新されたメルセデスAMG GT 63S 4MATIC+4ドアクーペ(7分30秒109)は、渾身の改良を図って再度タイムアタックを行うと公言している。
高性能バージョンとして設定される「GTS」の改良もセールスポイントだ。ターボなどのセッティング変更を図った3996cc・V型8気筒DOHCツインターボエンジンは、従来比20psアップの480ps/6500rpmの最高出力と620Nm/1800~4000rpmの最大トルクを発生。また、エンジン出力を最高回転数付近まで連続的に上昇するようチューニングすることで、自然吸気エンジンと同様の特性を獲得する。さらに、排気系には左右非対称のリアサイレンサーを組み込んだ新しいスポーツエグゾーストシステムを装備し、より魅力的なV8サウンドを奏でるようにアレンジした。
1グレード展開に絞ったうえで着実な進化を果たしたプラグインハイブリッド車の「4S E-ハイブリッド」も注目モデルだ。パワーユニットには2894cc・V型6気筒DOHCツインターボエンジン(440ps/550Nm)と8速PDKに組み込まれた電気モーター(100kW/400Nm)を搭載し、システム最高出力は560ps(412kW)/5750~6800rpm、システム最大トルクは750Nm/1400~4500rpmを発生。標準装備のスポーツクロノパッケージと組み合わせることで、0→100km/h加速は3.7秒、最高速度は298km/hを実現した。また、リチウムイオンバッテリーはセルの最適化などを図って容量を従来の14.1kWhから17.9kWhへと拡大。同時に走行モードのセッティング変更を実施して、電気のみによる航続距離をWLTP EAER Cityで最大54km(NEDCでは最大64km)に延長した。
シリーズ全体の仕様変更も注目点が目白押しだ。まず外装では、フロントフェイスを一新。従来オプション設定だったスポーツデザインフロントエンドを標準採用し、フロント両サイドに大型の冷却用開口部を設けたエアインテークグリルやデイライトの配置変更などによって、よりワイドで存在感のあるマスクを創出する。一方、リアビューではライトストリップを変更。輪郭が調整されたラゲッジコンパートメントリッド上をシームレスに走り、新開発の左右LEDテールライトクラスターを流れるように連続して結びつける。また、GTSモデルでは濃色エクスクルーシブデザインテールライトクラスターを標準で組み込んだ。ほかにも、ホイールのラインアップに3種類の新しい20および21インチホイールを追加し、合計10種類のデザインを用意している。
機能装備の拡充も見逃せない。ポルシェコミュニケーションマネージメントシステム(PCM)には、新しいデジタル機能やサービスを追加。具体的には、改良されたオンラインボイスコントロールであるボイスパイロットやAppleCarPlayなどのコネクトサービスを組み込む。また、ナイトビジョンアシストやPDLSプラスを含むLEDマトリックスヘッドライト、ヘッドアップディスプレイなど多様なアシストシステムをオプション設定。日本仕様には他マーケットでオプションとなるレーンキーピングアシスト、アダプティブクルーズコントロール、レーンチェンジアシスト、サラウンドビューを含むパークアシストを標準で装備した。