【最新モデル試乗】まさにファン・トゥ・ドライブの頂点。V10自然吸気ラストモデル、ランボルギーニ・ウラカンの最終進化型、テクニカ激走!

ランボルギーニ・ウラカン・テクニカ 価格:7DCT 2999万2916円 試乗記

ランボルギーニ・ウラカン・テクニカ テクニカは「Fun to Drive」を徹底追求したスパイシーなMRスポーツ サーキットはもちろん一般公道でのパフォーマンスも追求したオールラウンダーである 国際試乗会はスペイン・バレンシアで開催された

ランボルギーニ・ウラカン・テクニカ テクニカは「Fun to Drive」を徹底追求したスパイシーなMRスポーツ サーキットはもちろん一般公道でのパフォーマンスも追求したオールラウンダーである 国際試乗会はスペイン・バレンシアで開催された

最高出力640hp! MRスーパースポーツ降臨

テクニカのエクステリアは新造形のフロント回りとサイドウィンドウが新鮮さを強調 駆動方式はRWD

テクニカのエクステリアは新造形のフロント回りとサイドウィンドウが新鮮さを強調 駆動方式はRWD

 ウラカン・シリーズ最後の量産モデルがテクニカだ。兄貴分のアヴェンタドールは、SVJの心臓を持ちながら大袈裟なエアロパーツを省いた大人しいカタチのウルティメでモデルライフを締め括った。同様に、ウラカンもSTO譲りの性能を備えつつ派手さを抑えたスタイルのテクニカでフィナーレを飾ることになった。

 正確には年末にもう1台、超スペシャルなウラカン(4WD)が登場する予定だが、こちらは限定モデルになりそう。もっともテクニカにしたところで、来年いっぱいの生産枠しかない。ほとんど限定車のようなものだ。すでにオーダー枠も残り少なくなったと聞く。

 テクニカは既存グレードのEVO・RWDとSTOとのギャップを埋めるモデルだ。可変ギアレシオのLDS(ランボルギーニ・ダイナミックステアリング)を採用しない代わりに、専用アプリケーションを持つフィードフォワード制御のLDVI(ランボルギーニ・ディナミコ・ヴェイコロ・インテグラータ)を積み、これまた専用チューンのシャシー&サスペンションとトラクションコントロールシステム、トルクベクタリング機能付き後輪操舵機能を統合制御する。走りのチューニング手法そのものは、STOと同じ。果たしてテクニカはどちらの後輪駆動ウラカンに近かったのか?

リアスポイラーは控えめな固定式ウイング形状 ダウンフォースはEVO比35%増加し空力処理を徹底

リアスポイラーは控えめな固定式ウイング形状 ダウンフォースはEVO比35%増加し空力処理を徹底

5204cc・V10DOHC40V 640hp/8000rpm 565Nm/6500rpm スペックはSTOと共通チューニング 0→100km/h加速3.2秒

5204cc・V10DOHC40V 640hp/8000rpm 565Nm/6500rpm スペックはSTOと共通チューニング 0→100km/h加速3.2秒

エンジンリッドは軽量CFRP製 優れた冷却性を確保するとともにV10ユニットの存在感を強調したデザイン

エンジンリッドは軽量CFRP製 優れた冷却性を確保するとともにV10ユニットの存在感を強調したデザイン

テクニカはボディ各部にCFRP製素材を採用した軽量設計 パワーウェイトレシオは2.15kg/hp 最高速度は 325km/h

テクニカはボディ各部にCFRP製素材を採用した軽量設計 パワーウェイトレシオは2.15kg/hp 最高速度は 325km/h

圧倒的に速く、そして楽しい。操る実感に惚れ惚れする!

 国際試乗会は、スペイン・バレンシアで開催された。まずはバレンシア・サーキットでのテストから。結論からいうとサーキットにおけるテクニカの印象は、STOのように「涼しい顔ですさまじく速い」というクルマではなかった。代わりに、ドライビングファンという点で「歴代ウラカンの中でも最高」といえる仕上がりだった。

 オーバーステアを比較的容易に許すのがスポルトモード。これが楽しいのは当然だとしても、ラップタイム重視のコルサモードでもドライバーにある程度の自由度を与えてくれる。コルサでも運転が楽しめたという点に驚いた。テクニカはSTOと同じ640hpの後輪駆動で、空力的にはEVOより上だが、STOには劣る。それゆえコルサモードでもファンなのかもしれない。

 スポルトモードの楽しさは予想以上だった。フィードフォワード制御がいっそう精密になり、制御のアップデートは明らか。派手にリアが流れだしたとしても「自分で立て直した」ように切り返して進んでいける。もちろんクルマに助けられているだけなのだが、ドライブ中はそうは思わない。「自分のウデ」だと信じ切ってドライブできるという点で最高に楽しく、達成感がある。

 サーキットテストを終え、バレンシア近郊の郊外路を200km以上走ってみた。タイヤはSTOと同じブリヂストン・ポテンザ。サーキットではコントローラブルに思えたシャシー&タイヤのセットも、カントリーロードではやや硬質だ。それでもSTOよりは明らかにしなやかに走る。EVO・RWDより少し硬い程度だ。

 最後となるであろうV10自然吸気エンジンのサウンドを高らかに鳴り響かせ、電光石火のギアチェンジを積極的に楽しみながら軽く攻め込んだとき、ドライバーの気分は最高潮に達する。V10サウンドはSTOに負けず歴代最高の音質だ。とくにシフトダウンのブリッピングではV10らしい重奏的で乾いたサウンドを撒き散らす。

 テクニカはウラカンとしてモデルライフ10年目を迎える2023年いっぱいまで生産される。それは、ガヤルドを含めたV10自然吸気エンジン+リアミドシップの20年にわたる歴史を締め括ることを意味する。2024年からは新たなパワートレーンを積んだPHEVの次世代モデルが登場する。
 後継モデルのエンジンについて、試乗会場に現れたステファン・ヴィンケルマンCEOに直接聞いてみた。「決定したがまだ秘密」とのこと。それでも食い下がって「ライバルたちと同様V6の可能性はあるのか?」と問うと、「そうは思わない」と答えてくれた。

 ウラカン後継車以外の展開については、多くのことが判明している。来年早々にはアヴェンタドール後継の12気筒PHEVフラッグシップが登場予定で、すでに仮オーダーが始まった。また2028年にはランボルギーニ第4のモデルとなる2+2のフル電動GTがデビューする。
 純内燃機関モデルとして最後となるウラカン・テクニカは貴重な存在になっていくだろう。ランボルギーニの動きから、当分、目が離せそうにない。 

テクニカは専用セッティングのシャシー&サスペンションを採用 走行モードはSTRADA/SPORT/CORSAの3種 スピード性能とともに「操る楽しさ」が存分に味わえる

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テクニカはドライバーフレンドリーなキャラクター V10自然吸気が味わえるラストモデル 室内は適度にスパルタンな味わい ドライビングに没頭できる

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コクピットはドライバーに「特別な時間」を約束 インパネやコンソール回りはアルカンターラ仕上げ トランスミッションは大型パドル付き7速DCT ステアリングにはセンターアクセントが入る

コクピットはドライバーに「特別な時間」を約束 インパネやコンソール回りはアルカンターラ仕上げ トランスミッションは大型パドル付き7速DCT ステアリングにはセンターアクセントが入る

シートはサポート性を高めたバケット形状 各種調節は手動式 素材は本革とアルカンターラ

シートはサポート性を高めたバケット形状 各種調節は手動式 素材は本革とアルカンターラ

ステアリング部に走行モード切り替えを含め各種コントロールスイッチをレイアウトする

ステアリング部に走行モード切り替えを含め各種コントロールスイッチをレイアウトする

コンソール部にナビを含めたインフォテイメント機能を搭載 詳細な車両セッティングにも対応

コンソール部にナビを含めたインフォテイメント機能を搭載 詳細な車両セッティングにも対応

ドアオープナーはシンプルなベルト式 レーシーな雰囲気をさりげなく演出 軽量化にも貢献

ドアオープナーはシンプルなベルト式 レーシーな雰囲気をさりげなく演出 軽量化にも貢献

2014年に誕生したウラカンの累計生産台数は2万台を突破 歴代ランボルギーニ・スポーツ最高の成功作に成長した 最終進化版のテクニカは2023年末まで生産するカタログモデル

2014年に誕生したウラカンの累計生産台数は2万台を突破 歴代ランボルギーニ・スポーツ最高の成功作に成長した 最終進化版のテクニカは2023年末まで生産するカタログモデル

ランボルギーニ・ウラカン・テクニカ 主要諸元

ウラカン・テクニカ

グレード=ウラカン・テクニカ
価格=7DCT 2999万2916円
全長×全幅×全高=4567×1933×1165mm
ホイールベース=2620mm
トレッド=フロント:1668×リア:1624mm
乾燥車重=1379kg
乗車定員=2名
エンジン=5204cc・V10DOHC40V
最大出力=470kW(640hp)/8000rpm
最大トルク=565Nm(57.7kgm)/6500rpm
燃料タンク容量=80リッター
サスペンション=前後ダブルウィッシュボーン
ブレーキ=前後ベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ=フロント:245/30R20/リア:305/30R20
駆動方式=RWD
最高速度=325km/h
0~100km/h加速=3.2秒
0~200km/h加速=9.1秒
※価格はすべて消費税込み、性能スペックは欧州仕様

エンブレム

 

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