光岡バディ 価格:519万900~647万2400円 試乗記
これはいい! ルックス抜群、信頼性OKの良き相棒
心地いいフィーリング、光岡バディは、乗るほどにパッセンジャーをリラックスさせ、アメリカンな気分にするSUVだ。光岡自動車は、日産マーチをクラシカルな印象で仕上げたビュートなどで有名なカスタマイズメーカー。その最新作がバディである。
ベースモデルはトヨタRAV4、バディは基本骨格とメカニズムをそのままに、前後の造形を大幅にイメージチェンジ、内装も巧みなカラーリングと専用シートで雰囲気を一新した。縦型4灯ヘッドライトを配したフロントマスクは、往年のアメリカンSUVの力強さ、リア回りはワゴンの豊かさを感じる。スタイリングの完成度は見事。仔細に観察してもRAV4の面影はなく、ブランニューのSUVとしてまとまっている。たくましい印象と、ちょっぴり懐かしい味わいを巧みにブレンドした手腕は見事だ、
バディは2020年11月の正式発表前のティザー公開時から話題を集め。デビューと同時に2年以上の納期を要する人気車となった。その要因は、他のクルマにはない「味わいの造形」にあることは間違いない。なにしろ、RAV4の信頼性と、優れた走りはそのままに、このスタイリングを「相棒」にできるのだ。最高である。
ちなみに光岡は、人気に応えて生産体制を拡充。当初の年産150台だった計画を300台に増やすとともに、2社の協力工場とタッグを組み、納期を短縮する体制を整えた。それでもまだ納車まで1年半ほどかかるというが、待つ価値のあるクルマといえる。バディは他のクルマでは得られない魅力の持ち主だ。
バディのラインアップは5グレード構成。ベース車と同様に2リッターガソリンと2.5リッターハイブリッドから選べ、駆動方式はFFと4WD。試乗車はベーシックな20STのFF車だった。
ベース車とはいえ、内外装ともスペシャルな味わいたっぷり。オプションのアルミとBFグッドリッチ製のオールテレインタイヤを装着していたこともあり、アメリカンな印象に磨きをかけていた。内装は専用シートと、白いアクセント入りのドアトリムがおしゃれな印象。ナビのオープニング画面がバディ専用になるなどディテールも凝っている。もちろん、室内パッケージングは評価の高いRAV4と同等。広さと使い勝手のよさは、折り紙付きだ。
走りはしっかりとした印象だった。2リッターガソリンでもパフォーマンスは十分。骨太な走行フィーリングが、クルージングを心地よくしてくれる。RAV4とは、ひと味違うゆったりとした感覚が味わえた。バディは、光岡自動車の巧みなカスタムセンスが光るSUVである。
光岡バディ主要諸元
グレード=20ST(2WD)
価格=10CVT 519万900円
全長×全幅×全高=4730×1865×1685mm
ホイールベース=2690mm
トレッド=フロント:1605/リアⓇ1625mm
最低地上高=195mm
車重=1550kg
エンジン=1996cc直4DOHC16V(レギュラー仕様)
最高出力=126kW(171ps)/6600rpm
最大トルク=207Nm(21.1kgm)/4800rpm
WLTCモード燃費=未公表(燃料タンク容量55ℓ)
サスペンション=フロント:ストラット/リア:ダブルウィッシュボーン
ブレーキ=フロント:ベンチレーテッドディスク/リア:ディスク
タイヤ&ホイール=225/65R17+アルミ
駆動方式=FF
乗車定員=5名
最小回転半径=5.5m