日産フェアレディZ 価格:524万1500~646万2500円 試乗記
18インチのAT、スポイラーなしが気に入った!
新型フェアレディZは乗っていてとても気分のいいGTスポーツカーだった。とくに18インチタイヤ、前後スポイラーは未装備、それもATがよかった。
リセール価値を考えると、内燃機関+3ペダルMTの最上級グレード推し、といいたいところだが、VR30DDTT型は力はあるけど回して決して楽しいわけじゃない。どちらかといえばAT向き。19インチタイヤは、フェアレディZの本領というべきGTクルージング時の乗り心地がちょっと悪い。
この手のクルマは性能を云々するよりも雰囲気重視で選んだほうが正解である。リセールのために乗るのではなく日ごろから「とことんZらしさを楽しみたい」というユーザーには、大人のグレードチョイス(ただのフェアレディZ、とか)を勧めておく。
新型フェアレディZは、開発者も語っているように、まずはカッコいいことが大命題だった。リアフェンダーからエンドにかけてあえてキャラクターラインを下げ、リア駆動であることを強調するロングノーズ&ショートデッキスタイルは、1st・Zへの回帰であり、カッコよさの源だ。とはいえパフォーマンスも頑張っておかねば、フルモデルチェンジする意味がない。そこはしっかり手が入っている。カッコよさを犠牲にしてまで性能を取ったパートも少なくない(大きなフロントグリルなど)。
割合でいえばカッコ7割、性能3割。歴代のうち最もスタイリッシュだったS30とZ32から多くのデザインモチーフを得たことで、誰が見てもZらしく、往時を知らない人にもカッコいいと思えるカタチになった。
この価格帯は、ロードスターのように小型軽量スポーツの基本を追求するか、カッコよさを重視をするのが正解。受注が殺到し、現在オーダーができない状況は、新型フェアレディZが魅力的なことを証明している。