日産フェアレディZ 価格:524万1500~646万2500円 試乗記
大雨で実感した高いポテンシャル。カッコよく実に絵になる!
私にとってのフェアレディZは、スペシャルティカー。平たくいうと、デートカーのイメージなんです。男の子が颯爽と女の子を迎えにくるクルマでした。
この捉え方の差は、世代によって違う気がします。私はZ32世代なので、デートカーのイメージが強いというのは、本当はおかしいのかもしれません。Z32のキャッチコピーは「スポーツカーに乗ろうと思う」でしたから(笑)。
でも、同じ1989年にR32スカイラインGT-Rが登場したこともあり、スパルタンなスポーツカーはGT-Rで、フェアレディZはスポーティなスペシャルティカーというイメージが、頭の中に定着してしまったんですよ。
そういった観点で見ると、新型フェアレディZは、まさに私のイメージ通り。もちろん運動性能のポテンシャルで言うと、純然たるスポーツカーに分類されるクルマであることは百も承知なのですが「GT-Rはモビルスーツ。フェアレディZはダンスパートナー」という開発チームのこだわりが、しっかり伝わってきたんです。
私が試乗した日は運悪く大雨で、テストコースには120km/hの速度制限が掛かっていました。だからこそ「ここから先の余力」を感じながら、素直なハンドリングを味わうことができました。まさに「Shall we dance ?」。手を取りながら一緒に踊っているような感覚に浸れました。つまり、パワー全開じゃなくても楽しめたというわけなんです。あれほど滑りやすい路面でそれが感じられたということは、かなりポテンシャルが高いことの証。それを体験できたのは、むしろラッキーだったのかもしれません。
フェアレディZにとっていちばん大切なこと、それはカッコよさ。新型は、女性が颯爽と男性を迎えにいっても絵になる、そんなサイズ感とキュートさが魅力的に映りました。