ルノー・メガーヌR.S.トロフィー 価格:6SMT 499万円 試乗記
ルノーは、40年以上に及ぶF1レース参戦など、モータースポーツにかける情熱では「知る人ぞ知る」存在。そんな活動を主導するのがルノースポール・レーシング。そして、ここで培ったノウハウや技術を活かして、特別にスポーティな市販モデルを開発するのが、ルノースポールカーズである。
ルノーの職人集団が手掛けた筋金入りのモデルが、RSの記号が与えられたスペシャルモデルたちだ。その中でもトロフィーは、サーキット走行に特化したチューニングが施されている。
メガーヌRSトロフィーのボディは、標準メガーヌに対してフロントが60mm、リアは45mm拡幅され迫力満点。2014年に公開されたコンセプトモデル、RS01と共通意匠のホイールや、そのスポーク間から姿をのぞかせるブレンボ製の赤いブレーキキャリパー、エアインテークブレードに刻まれたTROPHYのロゴが、特別な1台であることを主張する。
インテリアは、バケットタイプのレカロ製軽量フロントシートを標準装備。レカロシートとコーディネートするように、グリップ部にアルカンターラが用いられたステアリングホイールも、専用アイテムとなる。
応答性向上のためセラミックボールベアリング式のターボが用いられた1.8リッターの直噴4気筒エンジンは、「RS史上最もパワフル」とうたわれる専用品。エグゾーストシステムは、ルノースポールの作品としては初のアクティブバルブ付き。スペックは300ps/6000rpm、420Nm/3200rpmを誇る。
組み合わせるトランスミッションは6速MTと6速DCTの2タイプ。DCTのシフトプログラムは、センターパネル上のスイッチ操作で任意に変更が可能。最もスポーティなレースモードを選択した場合、4コントロール(4WS)やパワーステアリングの制御がサーキット走行用に変更されると同時に、スタビリティコントロールの作動は停止される。
試乗車は、DCTモデル。強力な専用LSDが組み込まれたことによる前輪駆動とは思えないハイレベルなトラクションや、強化されたブレーキによる強靭な減速力などは感動的な水準だ。フロントヘビーのFFレイアウトながら、「アンダーしらず」のコーナリングは快感そのもの。FF車とは思えない俊敏なターンインの挙動には、4コントールの制御が効いているに違いない。
トロフィーは、ニュルブルクリンク北コースで「FF車最速記録」を塗り替えてきた、ルノーのスポーツスピリットが実感できる。まさに逸品だ。
グレード=ルノースポール・トロフィー(EDC)
価格=6SMT 499万円
全長×全幅×全高=4410×1875×1435mm
ホイールベース=2670mm
車重=1470kg
エンジン=1798cc直4DOHC16Vターボ(プレミアム仕様)
最高出力=221(300)kW(ps)/6000_rpm
最大トルク_=420(42.8)Nm(kgm)/3200rpm
WLTCモード燃費=12.4_km/リッター(燃料タンク容量47リッター)
(市街地/郊外/高速道路=8.6/13.2/14.5_km/リッター)
サスペンション=フロント:ストラット/リア:トーションビーム
ブレーキ=フロント:ベンチレーテッドディスク/リア:ディスク
タイヤ&ホイール=245/35R19+アルミ
駆動方式=FF
乗車定員=5名
最小回転半径=5.2m
●主な燃費改善対策:未公表
●トロフィー専用装備:シャシーカップ/ブレンボ製モノブロックレッド・フロントブレーキキャリパー/前輪アルミハブ&鋳鉄製ベンチレーテッドディスク/トルセンLSD/19インチアルミTROPHY/レカロ製Ⓕバケットシート/R.S.用ナパレザー&アルカンターラステアリング/スポーツエグゾースト(アクティブバルブ付き)/TROPHYデカール(F1タイプエアインテークブレード)
●主要装備:4コントロール(4輪操舵機構)/フロントダブルアクシスストラットサスペンション/4輪ハイドロリックコンプレッションコントロール/エマージェンシーブレーキサポート/車線逸脱警報/後側方車両検知警報/パーキングセンサー/R.S.ドライブ(走行モード切替機構)/ヒルスタートアシスト/電動パーキングブレーキ/パドルシフト/フルLEDヘッドライト/R.S.ビジョン/スポーツバンパー/フロントF1ブレード/R.S.リアスポイラー/リアディフューザー/センターエグゾースト/R.S.スポーツフェンダー/ブリリアントブラックドアミラー/アルミペダル/7㌅フルカラーTFTメーター/7インチマルチファンクションディスプレイ/2ゾーンオートAC
●ボディカラー:ジョンシリウスメタリック(op16万円)
※価格はすべて消費税込み リサイクル費用は1万6890円