W12エンジン搭載のフィナーレを飾るベントレーの高性能ラグジュアリークーペ「マリナー・バトゥール」が登場

ベントレーが6リットルW12ツインターボエンジン搭載車の最終モデルとなる2ドアクーペの「マリナー・バトゥール」を発表。エンジンの最高出力は740ps以上、最大トルクは1000Nmを発生。販売台数は18台限定

 英国ベントレーは2022年8月21日(現地時間)、新しい高性能ラグジュアリークーペの「マリナー・バトゥール(Mulliner BATUR)」を発表した。車両価格は165万ポンド(約2億6600万円、税抜き)で、販売台数は18台限定だが、すでに全数が予約済み。生産はビスポークおよびコーチワーク部門のマリナー(Mulliner)が担い、完成には数カ月を要するため、ユーザーへの納車は2023年半ばからになるという。

▲ベントレー・マリナー・バトゥール 製造はベントレーのビスポークとコーチワークを担う部門のマリナー(Mulliner)のスペシャリストがハンドメイドで実施する。生産台数は限定18台

▲ベントレー・マリナー・バトゥール 製造はベントレーのビスポークとコーチワークを担う部門のマリナー(Mulliner)のスペシャリストがハンドメイドで実施する。生産台数は限定18台

 

 ベントレーは一昨年に創業100周年を迎えたのを機に、“ビヨンド100(Beyond100)”戦略を展開するとアナウンス。そのなかで、パワートレインの完全電動化へと舵を切ることを表明している。そのため、フラッグシップユニットのW12エンジンの採用は中止。今回発表したバトゥールは、20年以上にわたりベントレーの象徴として歴史を紡いできたW12エンジンのフィナーレを飾るモデルとなるわけだ。

▲バトゥールはW12エンジンのフィナーレを飾るベントレーの高性能ラグジュアリークーペというキャラクターを有する

▲バトゥールはW12エンジンのフィナーレを飾るベントレーの高性能ラグジュアリークーペというキャラクターを有する

 

 手組で製造される6リットルW12ツインターボエンジンは、リファインした吸気システムやアップグレードしたターボチャージャー、新しいインタークーラーなどを組み込んでさらなるチューンアップを図り、史上最もパワフルな740ps以上の最高出力と1000Nmの最大トルクを発生する。トランスミッションには専用設定の8速DCT(デュアルクラッチトランスミッション)をセット。また、高性能エンジンを支えるシャシーにはチューニングを見直したエレクトロニック・オールホイール・ステアリングのほか、48Vのアクティブアンチロール制御システムのベントレー・ダイナミックライドやアダプティブダンピング付3チャンバーアクティブエアサスペンション、エレクトロニック・リミテッド・スリップ・デファレンシャル(eLSD)などを組み込む。一方、駆動機構には前後トルク配分とトラクション制御のプログラム設定の変更を図ったアクティブAWDを採用した。

▲搭載する6リットルW12ツインターボエンジンはリファインした吸気システムやアップグレードしたターボチャージャー、新しいインタークーラーなどを組み込んでさらなる高性能化を図り、最高出力は740ps以上、最大トルクは1000Nmを発生する

▲搭載する6リットルW12ツインターボエンジンはリファインした吸気システムやアップグレードしたターボチャージャー、新しいインタークーラーなどを組み込んでさらなる高性能化を図り、最高出力は740ps以上、最大トルクは1000Nmを発生する

 

 ベントレー自ら“デザイン レボリューション”と称するエクステリアについては、従来以上にそそり立った新造形のフロントグリルや、そのグリルを挟むように配したシャープな造形のLEDヘッドランプ、ロングノーズのボンネットから全長に沿って伸びる“エンドレスボンネット”のフォルム、フロントホイールアーチのダクトからつながるようにアレンジしたサイドの抑揚とキャラクターライン、流れるようなルーフラインと太いCピラー、展開可能なリアスポイラーの両側に組み込んだ横長のLEDリアコンビネーションランプなどを採用して、ベントレーの新世代クーペモデルのスタイリングを具現化。足もとには、ブラッククリスタル塗装にブライトマニシング&ポリッシュ加工を施した専用デザインの22インチアロイホイールを装着する。なお、バトゥールのスタイリングは2025年に発売予定のベントレー初のピュアEVや、それに続く車種の方向性を示す意匠であるという。

 バトゥールはボディ形状を除くほぼすべての仕様をユーザーが選択できるオーダーメイドシステムを採用していることも訴求点だ。ボディ色はマリナーのカラーパレットをはじめ特注のカラーやハンドメイドのグラフィックなどが選べ、さらにエアロパーツ類にカーボンファイバー材を用意するほか、ナチュラルファイバーと称するサステナブルな新複合素材も設定する。ディテールにサテン、グロス、チタンなどを好みに応じて組み合わせ、ブライトウェアのコントラストを際立たせることも可能である。

▲ロングノーズのボンネットから全長に沿って伸びる“エンドレスボンネット”のスタイリングを採用

▲ロングノーズのボンネットから全長に沿って伸びる“エンドレスボンネット”のスタイリングを採用

▲従来以上にそそり立った新造形のフロントグリルや、そのグリルを挟むように配したシャープな造形のLEDヘッドランプを装備

▲従来以上にそそり立った新造形のフロントグリルや、そのグリルを挟むように配したシャープな造形のLEDヘッドランプを装備

▲ブラッククリスタル塗装にブライトマニシング&ポリッシュ加工を施した専用デザインの22インチアロイホイールを装着

▲ブラッククリスタル塗装にブライトマニシング&ポリッシュ加工を施した専用デザインの22インチアロイホイールを装着

 

 2シーター構成のインテリアに関しては、究極のパーソナライゼーションとグランドツーリング性能の実現を掲げてデザイン。2020年3月に限定12台で販売した2シーターオープンGTの「マリナー・バカラル(Mulliner Bacalar)」で取り入れたラップアラウンドデザインのキャビンをベースに、角度をつけた新造形のセンターコンソールおよびダッシュボードからドアへとシームレスなラインを描き、包み込むようなラインがそのままリアへと向かうコクピットを創出する。また、ラグジュアリーかつサステナブルな素材を随所に配備。具体的には、スコットランド産の低炭素(ローカーボン)レザーやイタリア産のタンナージュレザー(5色を設定)、スエード調のダイナミカ(DINAMICA)、リサイクル糸から製作したカーペットなどを採用した。さらに、ダッシュパネルやドアトリム、センターパネルなどのフェイシアにはグロスブラック塗装のウッドパネルを配し、しかもダッシュパネルにはW12エンジンのサウンドをイメージしたレーザーエッチングを刻印。アナログ表示の外気温/方位磁針/時計も装備する。合わせて、金属パーツにはブラックアルマイト仕上げのアルミニウムやサテン仕上げのチタン、3Dプリントで成形した18Kゴールドなどを採用した。一方、サポート性を高めたシートにはスエード調のダイナミカやレザーの表皮、スナップオレンジの糸で刺繍したバトゥールシェブロン、ハイパーアクティブオレンジのパイピングなどを導入。また、ヘッドレスト部にはウィングド“B”エンブレムを、シートバック中央には“BATUR”ロゴを配する。シート表皮や内装パネルのマテリアルはエクステリアと同様、ユーザーの好みに合わせた仕様を選択することも可能だ。

▲角度をつけた新造形のセンターコンソールおよびダッシュボードからドアへとシームレスなラインを描き、包み込むようなラインがそのままリアへと向かうコクピットを創出。ラグジュアリーかつサステナブルな素材を随所に配備したことも特徴

▲角度をつけた新造形のセンターコンソールおよびダッシュボードからドアへとシームレスなラインを描き、包み込むようなラインがそのままリアへと向かうコクピットを創出。ラグジュアリーかつサステナブルな素材を随所に配備したことも特徴

▲センター部にアナログ表示の外気温/方位磁針/時計を装備

▲センター部にアナログ表示の外気温/方位磁針/時計を装備

▲ダッシュパネルにはW12エンジンのサウンドをイメージしたレーザーエッチングと“BATUR”ロゴを刻印

▲ダッシュパネルにはW12エンジンのサウンドをイメージしたレーザーエッチングと“BATUR”ロゴを刻印

▲金属パーツにはブラックアルマイト仕上げのアルミニウムやサテン仕上げのチタン、3Dプリントで成形した18Kゴールドなどを設定

▲金属パーツにはブラックアルマイト仕上げのアルミニウムやサテン仕上げのチタン、3Dプリントで成形した18Kゴールドなどを設定

▲サポート性を高めたシートにはスエード調のダイナミカやレザーの表皮、スナップオレンジの糸で刺繍したバトゥールシェブロンなどを採用

▲サポート性を高めたシートにはスエード調のダイナミカやレザーの表皮、スナップオレンジの糸で刺繍したバトゥールシェブロンなどを採用

 

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