マツダ3セダン 試乗記
マツダ3セダン(北米仕様) スタイリングは世界共通 新型は"光の反射"を追求した新世代の魂動デザイン
試乗車は米国仕様プロトタイプ
話題の新型マツダ3に試乗した。テスト車は米国仕様のプロトタイプで、ボディタイプはセダン。試乗コースは、マツダの北海道冬季試験場。ファーストインプレッションをお伝えしよう。
ドライバーズシートに乗り込んで、即座に「いいクルマだ」と感じた。好感触の要因は、素晴らしい視界とシートの着座感、そしてステアリングホイールとシフトセレクターの触感など、「静的チェック」で確認できる部分の完成度が高かったからだ。
シートは新開発デザインである。
「骨盤を立てた(立ち姿勢)の人間の骨格状態を再現して、理想的な着座ポジションを実現した」と、メーカーは説明している。長時間座り続けた際の疲労感は、今回の試乗では未確認。それでも短時間触れた印象からいうと、「これまでの日本車ではなかなかお目にかかれない、優れたシートだ」と実感した。
セダンは北米の主力販売モデル 安全・運転支援システム充実 全長×全幅×全高4692×1797×1445mm
大幅に向上した静粛性を実感
試乗車のパワートレーンは2.5リッターの自然吸気ガソリンで、トランスミッションは6速AT。これは米国仕様の主力ユニットだ。圧縮着火領域を備える期待の「スカイアクティブX」エンジンではなく、電動化技術も未採用のプレーンなユニットだった。駆動方式はFFである。
動力性能にはとくに目新しい印象はない。加速はスムーズでリニア。
ボクが新型らしさを実感した点は静粛性だ。雪上なのでロードノイズは皆無に等しいが、それでも現行アクセラと比較すると静粛性の向上は明確だった。
インパネは上質なソフトパッド仕上げ 視界はワイド 新型はステアリングのテレスコピック量を70mmに拡大 自然で最適な運転姿勢が取れる
高いポテンシャルがクルマ好きを刺激する
走りの感覚で強く印象に残ったポイントは、「狙ったラインをトレースしやすい」シャシー性能だ。新型マツダ3はスカイアクティブ・ビークル・アーキテクチャーと呼ぶ新プラットホームを採用。ドライバーが自然とクルマと一体化し、手足を操るようにクルマが自然に反応する、という理想を追求した。素直なドライビング感覚は、そうした開発目標を掲げた成果だろう。
雪道で意のままに走れた要因は、クルマそのものの素質がよく、ポテンシャルが高いからだ。サスペンションは前がストラット式、リアはトーションビーム式。不快な揺れは少なく、乗り心地はよかった。ボディはしっかりとした印象だった。
改めてテストドライブを行うまで、真の実力はなんともいえない。だが「第一印象はなかなかよかった」と報告できる。
新型マツダ3には、クルマ好きを刺激する「潜在的能力」が感じられた。
日本仕様のセダンは2リッター・ガソリン/1.8リッター・ディーゼルターボ/2リッター・スカイアクティブX搭載 1.5リッター・ガソリンは未設定
マツダの北海道・冬期試験場で試乗 走りの特徴は〝狙ったラインをトレースしやすい〟ナチュラルさ シャシー性能は高い