スズキのインド生産のコンパクトカー「アルトK10」が8年ぶりにフルモデルチェンジ。新鮮なデザイン、広々としたインテリア、高度な技術と安全機能、新世代Kシリーズ1.0Lエンジンを採用して、コンパクトハッチバックとしての魅力度をアップ
スズキのインド子会社であるマルチ・スズキ・インディア社(マルチ・スズキ社)は2022年8月18日(現地時間)、定番コンパクトハッチバックの「アルトK10」を全面改良して発売した。
インド市場におけるアルト・シリーズは、1983年に生産を開始したマルチ・スズキ社の第1号車「マルチ800」を原点として進化を続け、2000年には「マルチ・スズキ・アルト」に移行。同社を代表するモデルの1台に昇華し、2022年7月末までのインド国内におけるシリーズ累計販売台数は700万台に達している。
今回のフルモデルチェンジで第3世代に切り替わる新型アルトK10は、主にエントリーカーやセカンドカーを求める幅広い年齢層のユーザーをターゲットに、新鮮なデザインや広々としたインテリア、高度な技術と安全機能、新世代のKシリーズ1.0Lエンジンを採用したことが特徴である。
まずエクステリアでは、新造形の大型ヘッドライト(現地では“ペッピーヘッドランプ”と呼称)やダイナミックなハニカムパターングリル、彫刻的にアレンジしたサイドのパネル面、新デザインのリアコンビネーションランプを配した印象的なリアビュー、流れるようなルーフラインなどを配して、プログレッシブかつモダンなハッチバックスタイルを構築。足もとには、新造形のフルホイールカバーを備えた13インチホイールを装着する。ボディサイズは全長3530×全幅1490×全高1520mm/ホイールベース2380mmに設定。従来よりも全長とホイールベースを長くとり、主にキャビンルームを拡大させた。
内包するインテリアは、ドライビングエクスペリエンスの進化に焦点を当てて、各部をデザインする。まず、インストルメントパネルからドアまでのラップアラウンドとシームレスな流れにより、内装全体の幅と広さを強調。ダッシュボードはセンターを中心にアレンジし、ここに7インチの高精細ディスプレイおよびSmartPlay Studioインフォテインメントシステムを装備した。また、計器盤にはデジタルスピードメーターディスプレイを、ステアリングにはオーディオおよびボイスコントロールのスイッチを配して利便性を高める。一方、シートはベージュのアクセントが付いた温かみのあるグレーのファブリック表皮で仕立て、キャビンの活気と広々とした雰囲気を演出。ショルダールームやレッグスペースを延長することで、快適性と乗降性も向上させた。ラゲッジルーム容量を従来比で32リットル増やして(214リットル)積載性を高めたことも、新型アルトK10のトピックだ。
新設計の軽量・高剛性“HEARTECT”プラットフォームに搭載されるパワーユニットは、次世代Kシリーズ“Dual Jet”の998cc直列3気筒DOHC12V・VVTガソリンエンジンで、最高出力は66.62ps(49kW)/5500rpm、最大トルクは89Nm/3500rpmを発生。トランスミッションには5速MTと5速AGSを設定する。燃費性能は現地のモードでMT24.39/AGS24.90km/リットルを実現した。
先進安全装備の拡充も、新型アルトK10の注目ポイント。リバースパーキングセンサーやEBD付ABSのほか、デュアルエアバッグやプリテンショナー&フォースリミッター付フロントシートベルト、スピードセンシングオートロックなど、15以上の安全システムを装備している。
なお、新型アルトK10のインド国内での車両価格は39万9000~58万3500ルピー(約70万2000円~102万8000円)に設定している。