三菱自動車は10月15日、本年12月に発売を予定する改良モデル「エクリプス クロス」の先行予約受注を開始した。
今回の改良は、デザインを一新するとともに、プラグインハイブリッド(PHEV)モデルを新たにラインアップしたことが特徴だ。
まずエクステリアでは、ユーザーの行動意欲を掻き立てるような個性的な新デザインを創出する。フロントセクションは“ダイナミックシールド”を進化させ、各種ランプレイアウトなどの変更によりいっそう精悍でスポーティな表情を具現化。また、バンパー下部にはアンダーガード風ガーニッシュを組み込んでSUVらしい力強さを表現した。一方でリアビューは、従来のエッジを利かせたシルエットとなるダブルガラスから流れるようなシルエットとなるシングルガラスに刷新し、より洗練されたスタイリッシュなアピアランスを実現するとともに良好な後方視界を確保。同時に、三方向に延びる立体的なリアランプを組み込んでスタイリッシュな後ろ姿を強調しつつ、高い位置に配置することで被視認性のよさとエクリプス クロスならではの独自性を演出する。さらに、分厚いボディパネルやバンパーなどによって塊の強さや頑丈さをアピールし、背面装着式スペアタイヤからインスパイアした六角形のモチーフと相まってSUVとしての機動性とスタビリティの高さを実現した。全長×全幅は4545×1805mmに設定。従来より140mmほど長くなっているが、これはデザイン変更によりオーバーハングが伸びた結果である。ボディカラーはホワイトダイヤモンド/レッドダイヤモンド/ライトニングブルーマイカ/ブロンズメタリック/スターリングシルバーメタリック/チタニウムグレーメタリック/ブラックマイカという計7色をラインアップした。
内包するインテリアは、ブラックを基調色としたうえでエンボス加工のスエード調素材と合成皮革のコンビネーションシートを上級グレードに採用したことがトピック。また、メーカーオプションの本革シートは従来のブラックに加えてライトグレーを新たに設定し、合わせてドアトリムも同色でコーディネートして上質かつスポーティなキャビン空間を創出する。センターディスプレーを従来の7インチから8インチへと大型化して、操作性および視認性を高めたことも特徴だ。
パワーユニットについては、従来設定していたディーゼルターボがカタログから外れ、進化版のガソリンエンジンと新設定の2.4リットルMIVECエンジン+前後モーター+大容量リチウムイオン電池で構成するプラグインハイブリッドシステムを用意する。
ツインモーター4WD方式のプラグインハイブリッドは、アウトランダーPHEVで実績のある機構をエクリプス クロス用に最適化して搭載。電動車ならではの滑らかで力強く静かな加速、そして軽快感と安心感のある走りを実現する。また、走行モードとして駆動用バッテリーの電力でモーター駆動する「EV走行モード」、エンジンで発電した電力でモーター駆動する「シリーズ走行モード」、エンジンで発生した動力で走行してモーターがアシストする「パラレル走行モード」の3モードを設定し、走行状況に応じて自動で切り替える機能を組み込んだ。
車内に設置したAC100V電源(最大1500W)より電力供給を行えるようにしたことも訴求点だ。アウトドアレジャーなどで有効に活用できるほか、V2H(Vehicle to Home)機器を接続するとクルマに蓄えた電力が家で使える、家庭用蓄電池としての価値も提供する。満タン・満充電の状態からは、一般家庭の最大約10日分に相当する電力の供給が可能だ。
走行面に関しては、PHEVモデルとガソリンモデルともにボディ剛性のアップや前後サスペンションの最適化によりS-AWCの効果をいっそう引き出す。PHEVモデルは伝達ロスがなく自由自在に前後駆動力配分を行えるツインモーター4WDをベースとしたS-AWCを採用し、合わせて大容量の駆動用バッテリーを床下中央に配置することで前後重量バランスの最適化と低重心化を図って、より上質な乗り心地と優れた操縦安定性を実現。一方でガソリンモデルは、前後輪へ最適なトルク配分を行う電子制御4WDをベースに、前輪左右の制動力を調整して旋回性を高めるAYC、制動力を制御するABS&ASCを協調させるS-AWCを採用し、ドライバーの運転操作に忠実で安心感の高い車両挙動を具現化した。
グレード構成は、PHEVモデルが最上級仕様のP、上級仕様のG、スタンダード仕様のMという3タイプを、ガソリンモデルが最上級仕様のGプラスパッケージ、上級仕様のG、スタンダード仕様のMという3タイプを用意。ガソリンモデルでは4WDのほかに2WD(FF)の選択も可能である。車両価格はPHEVモデルが約385万円~約450万円(消費税込)、ガソリンモデルが約255万円~約335万円(消費税込)に設定している。