マツダMX-30(FF) 価格:6SAT 242万円 新車ニュース
NEWSポイント
1:観音開きフリースタイルドアを備えたクーペフォルム
2:2リッターガソリン・マイルドハイブリッド搭載
マツダのクロスオーバー・シリーズは世界的に見るとCX-3、CX-30、CX-4(中国専用)、CX-5、CX-8、CX-9(北米専用)の6車種と、豊富なラインアップを誇る。そこに新たに加わったのが、MX-30だ。新型ははたして何者なのか?
その答えはネーミングにある。マツダのスペシャルティに属するモデルには、歴代「 MX」が冠されてきた。たとえばロードスターの海外名はMX-5、バブル時代のクロノス・ファミリーの2ドアクーペはMX-6、かつてのユーノス・プレッソの海外名はMX-3だった。マツダ関係者は、「MXは新たな価値観の創造/新たな挑戦/既存の概念を打破するクルマに使うキーワード」と語る。つまり、MX-30は「SUVのスペシャルティ」を目指したモデルだ。開発主査を務めた竹内都美子氏は、「従来のマツダのポジションには乗らないクルマ。[守りに入ってはいけない]、[存続の危機感]、[変化の象徴]といってもいいのかもしれません」と説明する。
エクステリアはこれまでのマツダのSUVファミリーとは異なるスタイリング。どこか「爽やか」や「心地よさ」を感じる造形にまとめた。おそらく魂動デザインの「引き算の美学」に挑戦した結果、すっきりとしたテイストになったのではないか。チーフデザイナーの松田陽一氏は「昭和時代のスペシャルティは[速い]、[カッコいい]でしたが、令和のスペシャルティは[やすらぎ]、[やさしさ]がキーワードかな……と」と語る。
もうひとつの注目点はRX-8以来となる、観音開きのフリースタイルドアだ。パーソナルモデルとしての空間作りとクーペライクなフォルムを両立させるために必要だったという。乗降性を高めるために専用ヒンジが採用され、フロントドアは82度、リアドアは80度まで開く。
インテリアは、エクステリアに負けず劣らず個性的だ。基本レイアウトはCX-30と共通だが、インパネセンターはMX-30独自のデザイン。注目はフローティングコンソール。空中に浮かんだように見せる手法で、開放感を強調。また、カップホルダーの蓋やドアグリップにクルマ用としては珍しいコルクを配している。マツダの前身、東洋工業がコルクの製造からスタートした歴史をフィーチャーしたセレクトだ。
ドアトリムはリサイクル繊維を用いたテキスタイル、シートはざっくりとした風合いが特徴の素材を採用。シンプルな室内だが、仕立てのよさが光る。
パッケージングは優秀。前席が主役ではあるものの、後席も十分なスペースを確保。リアシートはかつてのFFファミリアやペルソナで話題になったラウンジシートの現代的解釈。コルク同様、ヘリテージを継承した部分だという。
パワートレーンは2リッターガソリン(156ps)+モーター(6.9ps/ベルト式ISG)のマイルドハイブリッド。トランスミッションは6速ATのみ。モーターは減速時にエネルギー回生、発進時はアシストを行うが、存在を感じさせない自然で滑らかなフィーリングを目指した。WLTCモード燃費は15.6km/リッター(FF)。燃費とともに、ドライバビリティの向上による滑らかな走りに貢献していることを期待したい。
EVとロータリーエンジンを組み合わせ、レンジエクステンダー/プラグインハイブリッド/シリーズハイブリッドと適材適所で応用する「マルチソリューション」は追加設定予定。来年1月にはEV仕様が登場するという。
フットワーク系の基本的な部分は第7世代(マツダ3/CX-30)と共通。味付けはMX-30専用のセットアップだ。竹内主査によると、「チューニングを行うメンバーにデザインを見せ、速い/限界が高いよりも純粋に[気持ちよさ]を味わえる性能を作り込んでほしいとオーダーした。たとえるならば[澄んだ水のように、人間の感性に寄り添う乗り味]です」と語る。要約すると走る/曲がる/止まる、そして乗り心地に連続性があり、トータルで洗練された乗り味……ということだろう。
グレードはモノグレードでFF/4WDが選べる、価格はFFが242万円、4WDは265万6500円。複数のパッケージオプションがあり、仮にフルオプションにすると約57万円高になる。
MX-30はマツダの新しい挑戦。ユーザーがどのように評価をするのか? 非常に楽しみだ。
グレード=MX-30(FF)
価格=6SAT 242万円
全長×全幅×全高=4395×1795×1550mm
ホイールベース=2655mm
トレッド=フロント:1565/リア:1565mm
最低地上高=180mm
車重=1460kg
エンジン=1997cc直4DOHC16V(レギュラー仕様)
最高出力=115kW(156ps)/6000_rpm
最大トルク=199Nm(20.3kgm)/4000rpm
モーター最高出力=5.1kW(6.9ps)/1800rpm
モーター最大トルク=49Nm(5.0kgm)/100rpm
WLTCモード燃費=15.6km/リッター(燃料タンク容量51リッター)
(市街地/郊外/高速道路=12.3/16.1/17.2km/リッター)
サスペンション=フロント:ストラット/リア:トーションビーム
ブレーキ=フロント:ベンチレーテッドディスク/リア:ディスク
タイヤ&ホイール=215/55R18+アルミ
駆動方式=FF
乗車定員=5名
最小回転半径=5.3m
●主な燃費改善対策=ハイブリッドシステム/ミラーサイクルエンジン/アイドリングストップ/筒内直接噴射/可変バルブタイミング/充電制御/ロックアップ機構付きトルクコンバーター/電動パワーステアリング
●主要装備=スマートブレーキサポート(前後進時)/AT誤発進抑制制御(前後進時)/前後パーキングセンサー/レーダークルーズコントロール(全車速追従機能付き)/レーンキープアシスト/車線逸脱警報/ブラインドスポットモニタリング/LEDヘッドライト/ハイビームコントロール/バックガイドモニター/8.8インチセンターディスプレイ/7インチマルチスピードメーター/ロアディスプレイ/インテリジェントドライブマスター/ウレタン巻きステアリング&シフトノブ/クロスシート/フリースタイルドア/フルオートAC/マツダ・ハーモニックアコースティック(8スピーカー)/Gベクタリングコントロールプラス/電動パーキングブレーキ(オートホールド付き)/マフラーカッター/18インチアルミ(シルバー塗装)
●装着メーカーop=ベーシックパッケージ(交通標識認識システム+本革巻きステアリング&シフトノブ+プラチナサテン・ドアインナーハンドル&ステアリングベゼル&スイッチ+ヒーテッドドアミラー+照明付きバニティミラー+自動防眩ルームミラー+アドバンストキーレスエントリー)7万7000円/セーフティパッケージ(アダプティブLEDヘッドライト+シグネチャーLEDランプ+デイタイムランニングライト+クルージング&トラフィックサポート+リアコンビライト内シグネチャーLEDライト+スマートブレーキサポート〈右直事故回避アシスト機能〉+前側方接近車両検知)12万1000円/ユーティリティパッケージ(自動防眩ドアミラー+ステアリングヒーター+前席シートヒーター+スーパーUVカットガラス+運転席10ウェイ電動調節機能)8万8000円/電動スライドガラスサンルーフ8万8000円/モダンコンフィデンスパッケージ(ピアノブラックピラーガーニッシュ+DピラーメッキMAZDAロゴ+18㌅高輝度ダーク塗装アルミ+合成皮革Ⓕドアアームレスト+コルク付きプルハンドル+クロス&合成皮革シートなど)11万円/360度セーフティパッケージ(360度ビューモニター+ドライバーモニタリング)8万6880円
●ボディカラー:セラミックメタリック3トーン(op6万6000円)
※価格はすべて消費税込み リサイクル費用は1万1300円