1971年式アルファロメオ・ジュリア・スーパー 価格応談
レースにもラリーにも参戦可能な「羊の皮を被った狼」
名車で遊ぶ、ヒストリックカーイベントの人気が高まっている。JCCA(日本クラシックカー協会)が主催するサーキットレースをはじめ、一般公道を利用したラリーなど、年間を通じて多種多様なスポーツ行事が催され、マニアを魅了している。自慢の愛車をガレージに眠らせるのではなく、積極的に走らせて楽しむ層の増加は、日本のクルマ文化の成熟を示している。
今回は、レースにもラリーにも最適なアルファロメオを紹介しよう。ヒストリックカーイベントを存分に楽しむコツは、高いポテンシャルを持ったマシンを選ぶこと。モータースポーツはパフォーマンスの差が如実に現れる。やはり走りに優れたモデルをパートナーに選ぶに越したことはない。その点、アルファロメオは最適。イタリアの名門アルファロメオは、戦前、スーパースポーツを数多く輩出。量産モデルを手掛けるようになった戦後も、ライバルに先駆けてDOHCエンジン/5速ミッション/4輪ディスクブレーキを装備するなど、抜群の性能を披露した。ちなみにエンツォ・フェラーリが、アルファロメオのレーシングドライバー&ワークスチーム監督からキャリアをスタートさせたことは有名な話。アルファロメオは、フェラーリのルーツともいえる。
写真の1971年式ジュアリア・スーパーは、まさに「羊の皮を被った狼」である。最近までヒストリックカー・レースに参戦していた車両で、今回、販売にあたって各部を一段とリファイン。車検も取得可能とした。
最新技術を積極投入したマシン作りが魅力
車両の製作と、販売を手掛けるGARAGE GOTOの代表、後藤新太郎氏は、自らレースを楽しむ生粋のエンスージアスト。モータースポーツ好きが高じてガレージを立ち上げた経歴を持つ。
彼のマシン作りは最新の手法を積極導入することで定評がある。ジュリア・スーパーもボディを軽量化するだけでなくスポット溶接の打ち増しと、サスペンション取り付け部の剛性強化、効果的なロールケージ配置で「戦うボディ」を構築。レースでの戦闘力を高めるためブレーキも特別仕様とした。ブレーキラインを引き直し、マスターシリンダーをエンジンの熱の影響を受けない室内に移設。さらにドライバーが自在に前後のブレーキ配分を調節できるように工夫した。サイドウィンドウは軽量なアクリル製。燃料タンクはJAF/FIA公認の安全タンクに換装している。
伝統のDOHCユニットは、一般公道走行を考慮してレース仕様のハイチューン版から、2リッターのノーマルエンジンにスワップ。ノーマルとはいえ、標準の1.6リッターから排気量アップしているため、パンチのある走りが満喫できる。トランスミッションは5速MT。駆動方式は、もちろんFRである。
大幅に車高が下げられた外装はスパルタンにして精悍。「走りのマシン」らしい雰囲気が漂う。印象的なのは、各部の作り込み。クラフツマンシップあふれる丁寧な仕事に惚れ惚れした。
価格は要相談。一からレース仕様に仕上げるより数段リーズナブルだ。高い完成度を目の当たりにするとお買い得な印象が強い。車検取得時は助手席がプラスされ2シーターになる予定だ。
(問い合わせ先/GARAGE GOTO 電話0438-41-7575)
1971年式アルファロメオ・ジュリア・スーパー主要諸元
モデル=1971年 アルファロメオ・ジュリア・スーパー
全長×全幅×全高=4076×1587×1320mm
ホイールベース=2350mm
トレッド=フロント:1310/リア:1270mm
車重=990kg
エンジン=1570cc直4DOHC8V(プレミアム仕様)
最高出力=98hp/5500rpm
最大トルク=15.2kgm/2900rpm
トランスミッション=5MT
サスペンション=フロント:ダブルウィッシュボーン/リア:トレーリングリンク
ブレーキ=前後ディスク
タイヤ&ホイール=155SR15+スチール
駆動方式=FR
乗車定員=5名
※スペックは標準仕様