実力は300km/hオーバー! 世界で一目置かれるR35型GT-Rの資産を日産はどう活かすのか

日産GTーRプレミアムエディション GTーRはピュアエディション/ブラックエディション/プレミアムエディション/トラックエディション/ニスモをラインアップ 全車3.8リッターV6ツインターボ搭載 駆動方式は電子制御4WD
日産GTーRプレミアムエディション GTーRはピュアエディション/ブラックエディション/プレミアムエディション/トラックエディション/ニスモをラインアップ 全車3.8リッターV6ツインターボ搭載 駆動方式は電子制御4WD

日産GT-Rプレミアムエディション 価格:6SMT 1232万9900円 試乗記

GT-Rは緊張感みなぎる存在。欧州で全開チェック

 日本が誇るスポーツカーの最高峰は、やはりモンスターと呼べるGT-Rがふさわしい。
 レースで大活躍した1stモデルはもちろん、R32~R34型スカイラインGT-Rとは異なり、現行R35型GT-Rはデビュー当初から操ることに緊張感がみなぎる存在だった。それは、オーバー500psのエンジン(現在570ps/637Nm)に起因する。

 R35型は2007年に誕生してからすでに13年目を迎える長寿モデル。2017年モデルでボディ外板にまでおよぶ全面刷新のビッグマイナーチェンジを受け、引き締まった面構成にリファイン。スタイリッシュに変身して現在に至る。
 余裕の安定性の持ち主なので、日本の速度規制下では「何も起こらない」。その神髄を知るにはやはり200km/hオーバーの世界である。幸運にもドイツ・アウトバーンで最高速に挑戦し、ベルギーのスパ・フランコルシャン・サーキットで試乗するチャンスに恵まれた。その様子を紹介しよう。

 アクセルを踏む力を軽く込めるだけで即座にダッシュする。その切れ味の鋭さは、デビュー当初から変わりはない。
 右足をさらに深々と踏み込むとあっけなく250km/hの世界に到達する。その速度域での緊張感が最新モデルはまるで違う。つまり直進することに気を使わなくて済むようになった。ステアリング中立部分の確かな安定感、座りのよさは、初期型モデルの「手に汗握る緊張感」とは別ものだ。安心してハイスピード領域が楽しめる。

全長×全幅×全高4710×1895×1370mm 車重1770kg GTーRはトランスミッションとトランスファーを後方に配置 最高速度は300km/hオーバー
全長×全幅×全高4710×1895×1370mm 車重1770kg GTーRはトランスミッションとトランスファーを後方に配置 最高速度は300km/hオーバー

操縦性はコントローラブル! 最新型は静かになった

 旋回性能に癖はない。タイヤのグリップ限界を迎えると、アンダーステア方向に変化する安心な設定だ。腕に覚えのあるドライバーであれば、走行モードをRにセットし、パワースライドに持ち込める。コントロール領域の幅広さを持ち合わせている。

 最新型は静かになった。ノイズ類が抑え込まれ、超高速移動中の会話が普通にできる。
 従来、GT-Rは、音の点で課題を抱えていた。これは動力系レイアウトが深く関係する。R35型はV6ターボエンジンをフロントに、6速デュアルクラッチトランスミッションをリアに配置するトランスアクスル方式。ミッションの変速音やクラッチの操作音、プロペラシャフトからの回転振動を含むメカニカルノイズが、どうしても室内に侵入した。
 最新型はその音源を抑え、さらに走行風やロードノイズの透過音をはじめ、遮音性をぐっと高めた。

 すべてが滑らかにつながる操作性と、各種制御はヒトの感性に近い自然な介入になり、ドライバビリティは引き上げられている。GT-Rは乗るほどに感動を覚える。まさに日本を代表するスーパーGTである。

インパネは機能的な造形 写真はセミアニリン本革シートとレザー張りインパネがセットのファッショナブルインテリア仕様 最新モデルの高速安定性は模範的
インパネは機能的な造形 写真はセミアニリン本革シートとレザー張りインパネがセットのファッショナブルインテリア仕様 最新モデルの高速安定性は模範的
シートはスポーツ走行時のサポート性と日常時の快適性に配慮 後席は+2スペース 乗り心地はしっかりとした印象 静粛性は高水準
シートはスポーツ走行時のサポート性と日常時の快適性に配慮 後席は+2スペース 乗り心地はしっかりとした印象 静粛性は高水準
3799cc・V6DOHC24Vツインターボ 570ps/6800rpm 637Nm/3300~5800rpm 各部の改良で2007年モデル比90ps/25Nmパワーアップ 2020年モデルはターボを小改良
3799cc・V6DOHC24Vツインターボ 570ps/6800rpm 637Nm/3300~5800rpm 各部の改良で2007年モデル比90ps/25Nmパワーアップ 2020年モデルはターボを小改良
フロント255/40ZRF20/リア285/35ZRF20ダンロップ製ランフラット装着 アルミはレイズ製鍛造
フロント255/40ZRF20/リア285/35ZRF20ダンロップ製ランフラット装着 アルミはレイズ製鍛造
フジツボ製チタン合金エグゾーストシステム サウンドコントロール機能付き
フジツボ製チタン合金エグゾーストシステム サウンドコントロール機能付き
回転計を中央に配置 レッドゾーンは7000rpm以上 速度計は340km/hスケール
回転計を中央に配置 レッドゾーンは7000rpm以上 速度計は340km/hスケール
トランスミッションは6速DCT 初期型で目立った低速域のラフなフィールは改善済み パドルシフト標準
トランスミッションは6速DCT 初期型で目立った低速域のラフなフィールは改善済み パドルシフト標準

日産GT-Rプレミアムエディション 主要諸元の主要諸元と主要装備

グレード=GT-Rプレミアムエディション
価格=6SMT 1232万9900円
全長×全幅×全高=4710×1895×1370mm
ホイールベース=2780mm
トレッド=フロント1590×リア1600mm
車重=1770kg
エンジン=3799cc・V6DOHC24Vツインターボ(プレミアム仕様)
最高出力=419kW(570ps)/6800rpm
最大トルク=637Nm(65.0kgm)/3300~5800rpm
WLTCモード燃費=7.8km/リッター(燃料タンク容量74リッター)
(WLTC市街地/郊外/高速道路:5.2/8.4/9.4km/リッター)
サスペンション=フロント:ダブルウィッシュボーン/リア:マルチリンク
ブレーキ=前後ベンチレーテッドディスク
タイヤ&ホイール=フロント:255/40ZRF20/リア:285/35ZRF20+アルミ
駆動方式=4WD
乗車定員=4名
最小回転半径=5.7m
パワーウエイトレシオ=3.11_㎏/㎰
トルクウエイトレシオ=2.78㎏/Nm
※価格は消費税込み

1stスカイラインGT-Rは2リッター直6DOHC24V(160ps)を搭載して1969年に登場 1970年5月のJAF・GPを皮切りにレースで大活躍 1989年に復活したR32型以降は4WDスポーツに発展 2007年のR35型から「GTーR」の単独ネームになった
1stスカイラインGT-Rは2リッター直6DOHC24V(160ps)を搭載して1969年に登場 1970年5月のJAF・GPを皮切りにレースで大活躍 1989年に復活したR32型以降は4WDスポーツに発展 2007年のR35型から「GTーR」の単独ネームになった
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