第4世代となる新型トヨタ・シエナが米国市場で発売。パワートレインは2.5Lハイブリッドの2WD(FF)とElectronic AWDを設定

米国トヨタが大型ミニバンのシエナをフルモデルチェンジ。245hpを発生する2.5Lハイブリッドのパワーユニットに先進の安全運転支援システム、より存在感を増した内外装デザインを採用

 トヨタ自動車の米国部門は10月27日(現地時間)、新世代ミニバンのシエナ(Sienna)を本年11月に2021年モデルとして発売すると発表した。グレードはLE/XLE/XSE/Limited/Platinumで構成。車両価格は3万4460ドル(363万円)~5万460ドル(528万円)に設定する。日本への導入は未定だ。

▲第4世代となる新型トヨタ・シエナ 全長5170~5180×全幅1990×全高1740~1780mm ホイールベース3060mm 車重2091~2143kg 乗車定員7/8名 写真は標準グレードのXLE AWD
▲第4世代となる新型トヨタ・シエナ 全長5170~5180×全幅1990×全高1740~1780mm ホイールベース3060mm 車重2091~2143kg 乗車定員7/8名 写真は標準グレードのXLE AWD

 今回の全面改良で第4世代となる新型シエナは、ミニバン・セグメントの再定義を目指して、車両デザインやパワートレイン、快適性能、安全性能などを大幅に進化させた意欲作である。
 基本骨格には、ミニバン用に改良したTNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)のKプラットフォームを採用。デザインは米国カリフォルニア州ニューポートビーチとミシガン州アナーバーに居を構えるトヨタのデザインスタジオのCALTYが手がけ、滑らかでスピーディな造形に仕立てたフロントマスク、抑揚のあるパネル面で彫刻的にアレンジしたサイドビュー、傾斜させたピラーとスリムなLEDコンビネーションランプでスポーティかつ個性的にアレンジしたリアセクションなどによって、斬新なミニバン・ルックを創出する。走行安定性や燃費に寄与する空力特性も重視し、スムーズに風を流すフロントアンダー造形やカナードを組み込んだリアランプカバー、樹脂一体成型のリアゲートスポイラーなどを採用した。

▲基本骨格にはミニバン用に改良したTNGA-Kプラットフォームを採用。デザインは米国カリフォルニア州ニューポートビーチとミシガン州アナーバーに居を構えるトヨタのデザインスタジオのCALTYが手がけ、生産はインディアナ州プリンストンに設置するTMMIが担う
▲基本骨格にはミニバン用に改良したTNGA-Kプラットフォームを採用。デザインは米国カリフォルニア州ニューポートビーチとミシガン州アナーバーに居を構えるトヨタのデザインスタジオのCALTYが手がけ、生産はインディアナ州プリンストンに設置するTMMIが担う

 インテリアに関しては、ミニバンならではの実用性とエモーショナルなドライビング感覚を高度に融合させたことが訴求点だ。水平基調のインストルメントパネルはT字型にセンターコンソールと繋がり、同時にブリッジタイプのコンソールを採用してラグジュアリーかつ開放感あふれるコクピットを演出。インパネセンターには操作性と視認性に優れる9インチタッチディスプレイを組み込む。さらに、4ゾーンクライメートコントロールシステムやヒーテッド機構付きのパワーチルト&テレスコピックステアリング、デジタルリアビューミラー、ヘッドアップディスプレイ、7つのUSBポート、12スピーカーJBLプレミアムオーディオといった先進システムも設定した。

▲ミニバンならではの実用性とエモーショナルなドライビング感覚を高度に融合させたインテリア。ブリッジコンソールを新採用する
▲ミニバンならではの実用性とエモーショナルなドライビング感覚を高度に融合させたインテリア。ブリッジコンソールを新採用する
▲3列式のシートは2/3/3名乗車の8名乗りと2/2/3名乗車の7名乗り(写真)を用意。7名乗りでは2列目に25インチ(635mm)のスーパーロングスライド機構を内蔵したキャプテンシートを設定する
▲3列式のシートは2/3/3名乗車の8名乗りと2/2/3名乗車の7名乗り(写真)を用意。7名乗りでは2列目に25インチ(635mm)のスーパーロングスライド機構を内蔵したキャプテンシートを設定する

 3列式のシートについては、2/3/3名乗車の8名乗りと2/2/3名乗車の7名乗りを用意する。7名乗りでは2列目に25インチ(635mm)のスーパーロングスライド機構を内蔵したキャプテンシートを設定。オットマン機能やヒーテッド機構も組み込み、従来にはないレッグルームと快適性を具現化した。一方、従来よりレッグスペースが広がった3列目は分割して格納ができ、荷室スペースとして有効に利用可能。また、リアゲートにはキックオープンができる電動開閉機構を採用した。

▲3列目は分割して格納ができ、荷室スペースとして有効に利用可能。リアゲートにはキックオープンができる電動開閉機構を採用した
▲3列目は分割して格納ができ、荷室スペースとして有効に利用可能。リアゲートにはキックオープンができる電動開閉機構を採用した

 パワーユニットはA25A-FXS型2487cc直列4気筒DOHC・D-4Sガソリンエンジンに2モーターを組み合わせたハイブリッドシステム(THS-Ⅱ)を採用し、総合出力は245hpを発生。駆動方式はFFで、走行モードとしてEV/NORMAL/ECO/SPORTを設定する。また、リアにモーターを組み込んで4輪駆動を構成する「Electronic on-demand AWD」をオプションで用意。前後のトルク配分は前100:後0から前20:後80の範囲で自動的に可変し、通常はFF走行を基本として、滑りやすい路面での走行やコーナリング時のアンダーステア低減などの際に後輪にトルクを最適配分する仕組みだ。トルクの配分状況は、メーターパネル内に適宜表示される。

▲パワーユニットはA25A-FXS型2487cc直列4気筒DOHC・D-4Sガソリンエンジンに2モーターを組み合わせたハイブリッドシステム(THS-Ⅱ)を採用。リアにモーターを組み込んで4輪駆動を構成する「Electronic on-demand AWD」をオプションで用意する
▲パワーユニットはA25A-FXS型2487cc直列4気筒DOHC・D-4Sガソリンエンジンに2モーターを組み合わせたハイブリッドシステム(THS-Ⅱ)を採用。リアにモーターを組み込んで4輪駆動を構成する「Electronic on-demand AWD」をオプションで用意する

 先進安全システムの拡充も新型シエナのセールスポイントで、第2世代のToyota Safety Sense(TSS 2.0)を標準で装備。具体的には、歩行者検知付きのPCS(Pre-Collision System)や全速度域でのダイナミックレーダークルーズコントロール、ステアリングアシストを備えた車線逸脱アラート、オートマチックハイビーム、レーントレースアシスト、道路標識認識アシストなどを組み込んでいる。

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