独BMWは11月11日(現地時間)、次世代の電気自動車SAV(スポーツ・アクティビティ・ビークル)となる「iX」のプロトタイプをオンラインで発表。また、BMWジャパンではiXの車両情報を11月12日に公式Webサイトで公開した。
BMWの次世代の旗艦SAVに位置するiXは、基本骨格に新世代のCLAR(Cluster Architecture)プラットフォームとアルミスペースフレーム構造およびカーボンファイバー製ケージによる軽量・高剛性化を果たしたボディを採用。ここに第5世代の「BMW eDrive」を搭載する。電気モーターは前後に1基ずつ、計2基を配置し、最高出力は370kW(500ps)以上を発生。駆動用電池にはエネルギー含量100kWh以上の高電圧バッテリーを組み合わせ、航続距離はWLTPサイクルで最大600km以上、複合電力消費は21kWh/100km未満を実現する。また、性能面では0→100km/h加速が5秒未満と公表した。
充電に関しては、CCU(Combined Charging Unit)と呼称する新世代の充電ユニットを採用。充電に要する時間は、200kWまでのDC高速充電でバッテリー容量の10~80%までを約40分でこなす。また、10分の高速充電で約120km走行分(WLTPサイクル)の電力が確保できるという。
エクステリアについては、キャラクターラインを減らしてゆったりとした形状のボディ表面で仕立てたフォルムを基調に、センサーとカメラおよびレーダーテクノロジーを統合したインテリジェンスパネルの役割を果たす縦型の大型キドニーグリルや歴代BMW車のなかで最もスリムに仕立てたフルLEDヘッドライト、フレームレスのドアウィンドウに面一化されたボタンタッチ式のドアオープナーハンドル、分割ジョイントを省いたリアゲートとそこに組み込むスリムなLEDリアコンビネーションランプ、そして随所に施したBMW iブルーのアクセントなどを採用して、未来的かつ存在感あふれるクロスオーバーSUVデザインを創出する。空力特性も重視し、フロントおよびリアやアンダーフロアセクション、そしてホイール表面にターゲットを絞ったエアロダイナミクス対策によって、空気抵抗係数(Cd値)は0.25という優秀な数値を達成した。ボディサイズに関しては、全長および全幅がX5、全高がX6と同レベルに設定し、ホイールはX7と同サイズを採用。また、オプションでダイナミックなデザインのスポーツパッケージと、BMW Individualエクステリアライン・チタニウム・ブロンズを用意する計画だ。
内包するインテリアは、5名の乗員がゆったりとくつろげるラウンジのような空間に、スリムな造形のダッシュボードや12.3インチのインフォメーションディスプレイおよびフレームレス・ガラスサーフェスの14.9インチのコントロールディスプレイで構成するフルデジタルスクリーン、ヘッドレスト一体型の新開発フロントシート、大型のエレクトロクロニックシェエード付きパノラミックガラスルーフ、モータースポーツからヒントを得た高機能なマルチファンクションボタンを配する六角形ステアリングホイール、高品質な家具のようなアピアランスを有したセンターコンソール、2.5ゾーンのオートマチックエアコンディショナーなどを採用し、最先端かつプレミアムなキャビンを具現化。また、パーツのマテリアルには高品質な素材だけではなく、リサイクル材も有効に活用した。
iXはドイツに居を構えるBMWディンゴルフィン工場で2021年下半期より生産を開始する予定。日本への導入も計画されている。